バラエティ番組『チコちゃんに叱られる!』(NHK総合)が9月30日に放送された。放送後、文化人類学者の亀井伸孝氏(51)が番組のシステムに苦言を呈し、ネット上で話題になっている。
亀井氏は2日に自身のツイッターで、「チコちゃんの『なんで?』という問い。いつ聞いても、あれは『最悪の悪問』だと思います」と指摘。その理由について、「『なぜ』という理由・原因を究明する問いは、『どのレベルの説明に帰着させるか』を想定しておかなければ答えようがないから」と指摘し、「逆に言えば、説明レベルの設定のしかたによって、何通りもの答えがありえます」とつづった。
実際、30日放送回でも、「なんでパン屋さんはセルフサービスなの?」という問いが出題され、ゲストでタレントの河北麻友子(30)が、「そっちの方がいっぱい買うから」と回答するも、チコちゃんは「ボーっと生きてんじゃねーよ!」として不正解に。チコちゃんの答えは「ローマから取り寄せたショーケースが大きすぎたから」という到底正解できないものだった。
また、老舗パンベーカリーの清川秀樹氏によると、もともとはパン屋もショーケースに陳列されたパンを客が選んで店員が取るというスタイルが一般的だったものの、昭和40年代にあるパン屋がローマから高額なショーケースを取り寄せたものの、店に入らず。そこで、大通りに面したガラスにパンを陳列し、視覚的にも豪華に。セルフサービスの楽しさも相まって「つい買いすぎてしまうお客さんもいて、売上も大幅に上がりました」と紹介された。
この日の放送にくわえ、亀井氏の指摘にネット上からは、「確かにパンの問題は最悪すぎた」「チコちゃんだけにしか分からない答えの場合はもやもやする」「答えのない質問ほどムカつくものは無い」という声が集まっていた。
「今回のパンの問題と同じように、チコちゃんは問題に対して捻った答えが多すぎるため、亀井氏の指摘にも賛同の声が多数集まったと思われます。今回も結果的には川北の『そっち(セルフサービス)の方がいっぱい買うから』という答えは合っているのにも関わらず、チコちゃん基準で即不正解に。こうした番組システムに違和感を抱いている人は少なくないようです」(芸能ライター)
チコちゃんの正解が論点とズレていることも多々ある本番組。見直しが必要なのかもしれない。