「ペップトーク」って何?
「PEP TALK(ペップトーク)」って聞いたことありますか? 恥ずかしながら私、今回ご紹介する『たった1分で相手をやる気にさせる話術ペップトーク』という本を読んで、初めてその存在を知りました。
PEPとは「元気・活気・活力」という意味で、ペップトークとは「たった1分で相手のやる気に火をつける話術」のことです。
スポーツの現場で、監督やコーチが試合前に選手たちの士気を高めるために言葉をかけているシーンを見たことがあるでしょう。あれです。スポーツ大国アメリカで誕生し、今では「励ましの技術」として全米で広く親しまれていると言います。
しかし日本ではまだまだ浸透しているとは言えません。それもそのはず、ペップトークは試合前のロッカールームで行われることが多いため、なかなか私たちの目に触れる機会がないからです。
言葉で人の心を震わせ、相手のやる気に火をつけることができるペップトークは、スポーツ界のみならず、ビジネスシーンでもコーチングの技術として多くの企業が導入し、主にリーダーがチームや部下のやる気を引き出すスキルとして発展しているといいます。
そんなペップトークを日本に普及させるべく立ち上げられた、一般社団法人日本ペップトーク普及協会の専務理事である著者が、これまでに培ったメソッドを紹介してくれるのが本書というわけです。
ペップトークには「5つのルール」と「4つのステップ」があり、これに沿って励ましの言葉をつくっていけば、誰でもたった1分で相手の心に火を付け、やる気にさせることができるようになると言います。
「ペップトーク」5つのルール
- ポジティブな言葉を使う
- 短い言葉を使う
- わかりやすい言葉を使う
- 相手が一番言ってほしい言葉を使う
- 相手の心に火をつける本気の関わり
以下簡単に解説します。
①ポジティブな言葉を使う
たとえばお客さんからクレームがきたときに、上司から「どうしていつも問題ばかりなんだ」と言われるのと、「これは、もっと良いサービスにしていくチャンスだ」と言われるのとでは、後者のほうがやる気になるはずです。
ペップトークではポジティブなものの見方や表現を使うことで、相手の不安や緊張を取り除き、持っている力を発揮させやすくします。
②短い言葉を使う
ペップトークは試合前のあまり時間の取れない場面で使われることが多いので、相手の心にすっと入っていくような、短くシンプルな言葉で伝えることが求められます。
長々とした言葉には、不必要な情報や意味のない繰り返しの表現が多くなりがちで、本番前の大切な時間を浪費してしまうばかりか、聞く側の集中力を削いでしまうデメリットもあります。
③わかりやすい言葉を使う
試合前、選手たちが緊張や不安を抱いている中、わかりづらい言葉で励ましても誰の心にも残らずに終わってしまいます。
ペップトークは「わかりやすさ」が重要です。普段から使っている「わかりやすい言葉」、もっというと「相手が確実に理解できる言葉」を使うようにしましょう。
ビジネスシーンで言えば、例えばコンサルタントが企業再建のために現場社員たちにペップトークをするときに、専門用語満載のトークをしてしまっては、理解できない人が出てきて効果的ではありません。
④相手が一番言ってほしい言葉を使う
ペップトークで重要なのは、「自分が言いたいこと」を言うのではなく、「相手が一番言ってほしいこと」を言うことです。
しかし人によって「一番言ってほしい言葉」は異なるので、毎回お決まりの言葉を全員一様に投げかけるようでは大きな効果は期待できません。
相手の立場になりきり、その人の精神状態を理解し受け入れた上で、寄り添った言葉がけを心がける必要があるのです。
⑤相手の心に火をつける本気の関わり
相手の心に火をつけるためには、あなた自身が相手を本気で応援する、本気で成功してほしいという思いを持つことが何より大切です。
「本気の関わり」がなければ、どんな言葉も相手には伝わりません。そのためには普段から信頼関係をつくり、「この人に言われたら絶対やりたい」と思われる人になる必要があります。
これらのポイントを押さえて上で、次の4つのステップを通してペップトークをつくり上げます。
style="display:block;text-align:center;"
data-ad-format="fluid"
data-ad-layout="in-article"
data-ad-client="ca-pub-7457667118273508"
data-ad-slot="6286975878">
「ペップトーク」の4つのステップ
- 受容(事実の受け入れ)
- 承認(とらえかた変換)
- 行動(してほしい変換)
- 激励(背中のひと押し)
4つのステップの詳細は、ぜひ本書を読んで学んでください。
本書の「はじめに」では、著者から読者への「ペップトーク」が記されていて、これを読めば「ペップトーク」の持つ力を実感できるはずですので、以下、引用します。
人生が変わる瞬間は1冊の本との出会いから生まれる。
その1冊はこの本だ。それをその手でつかみ取ったんだ。あなたは人を励ますために生まれてきた。
あなたは今日から世界で最も偉大なペップトーカーだ。ページをめくり、とことん喰らいついていく。
そして完全に身につけるんだ。必ずできる。もうペップトートークはあなたのものだ。
さあ人生が変わる瞬間に出会いに行こう!一般財団法人日本ペップトーク普及協会
専務理事 浦上大輔
このメッセージを読んで心に火がつき、やる気がみなぎってきた人は、本書を読む価値のあります。
プレゼン前に緊張している部下や、失恋して落ち込んでいる友人など、「目の前に本気で励ましたい人がいるのにかける言葉が浮かんでこない」という人にとって、本書は最高の教科書になるでしょう。