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ビジネスチャットとは何か?メリットや導入の注意点、できることを解説


ICT化やコミュニケーションの活性化を目的として、さまざまな企業の間で利用が進んでいる「ビジネスチャット」。テレワークの推進にも後押しされ、その言葉を耳にする機会が増えた方も多いかと思います。

主にコミュニケーションツールとして活用されるビジネスチャットですが、具体的にはどのようなツールなのでしょうか。今回の記事では、ビジネスチャットの概要や導入のメリットについて解説します。

ビジネスチャットとは?

ビジネスチャットとは、業務利用を目的として開発されたコミュニケーションツールです。テキストメッセージの送受信機能やネットワークを介した通話機能など、コミュニケーションに役立つ機能を備えています。

ビジネス利用を目的として作られたツールですが、「個人向けSNS」と使用感が近しく、これまでビジネスシーンで主として使われてきたメールと比較してカジュアルに使えるのが大きな特徴です。

ビジネスチャットでできること|4つの基本機能を解説

ビジネスチャットは、サービスごとに搭載されている機能が異なるため、対象のビジネスチャットによって「実現できること」も変わってきます。それゆえに、ビジネスチャットを選ぶ際は、どんなことができるサービスなのか?を理解した上で、自社に合ったサービスかどうかを検討するのがおすすめです。

一方で、ビジネスチャットとしての基本的な機能については、どのサービスでも共通していることが多く、「ビジネスチャットができること」の大部分は、ここの理解を深めることで十分に知ることができます。

具体的なサービスの検討段階に入った場合、サービスごとの特色を理解しておくことは自社に最適なサービスを選ぶために有効です。

ただし、サービスごとの細かい違いを知る前に、ビジネスチャットという大枠における「できること」を理解しておくことで、それを前提にさまざまなサービスを比較できるようになり、結果として最適なサービス選びの近道となります。

ビジネスチャットの基本的な機能を、4つ取り上げて解説します。

①トーク機能

アカウントを知っている者同士が、1対1でメッセージを交換できる機能です。サービスによっては、社外の人にアカウントを与えられるものもあり、取引先とのコミュニケーションに活用することもできます。

②グループトーク機能

作成されたグループの中で、複数のアカウントがメッセージを交換できる機能です。グループの切り分けや参加させるアカウントの設定は任意で行うことができ、組織やプロジェクトごとにグループを作成できます。

③音声・ビデオ通話機能

ネットワークを介した音声通話やビデオ通話ができる機能です。サービスによっては「画面共有」の機能を備えたものもあります。

④ファイル共有機能

ExcelやWord、PDFや画像など、さまざまなファイルデータを共有できる機能です。端末で撮影した画像をアップロードして共有したり、反対にアップロードされたファイルをダウンロードして端末に保存することもできます。

ビジネスチャットとメールの違い

ビジネスチャットとメールの違いは、大きく分けて3つあります。

1つ目は、「やり取りの手軽さ」です。ビジネスチャットはメールよりもカジュアルに扱えるコミュニケーションツールです。

メールは相手が社内であっても“冒頭のあいさつ”や“結びの言葉”といった形式的な文章を入れることが多いですが、ビジネスチャットの場合これらは省略される傾向にあります。

本題のみを記載した文章となることが多く、場合によっては“絵文字”や“スタンプ”を使ったリアクションでコミュニケーションが行われることもあります。

フォーマルさが重視されるメールとは違い、スピード感を重視したカジュアルなやり取りをできるのがビジネスチャットの特徴です。

2つ目は、「多人数での情報共有のしやすさ」です。ビジネスチャットはグループトーク機能を活用することで、複数人での情報共有を簡単に行えます。

例えば、プロジェクトの資料をメンバーに共有したいとき、そのプロジェクトのグループに資料をアップロードするだけで共有が完了します。メールのように宛先にメンバーのアドレスを入力する必要はありません。

3つ目は、「コミュニケーションの即時性」です。ビジネスチャットは、メールと比較して打ち込む文章量が少なく本文が簡潔なので、素早くコミュニケーションが取れます。対面で会話をしているかのような早さでやり取りを行うことが可能です。

ビジネスチャットと個人向けSNSの違い

ビジネスチャットと個人SNSの大きな違いは、「セキュリティ機能の充実さ」と「搭載されている機能」にあります。

ビジネスチャットでは、契約書類や個人情報など機密性の高い情報を多数扱うため、情報漏えいのリスクを抑える機能が充実しています。具体的には、「アクセス制限機能」や「通信内容の暗号化」、「ログ監視機能」などです。

また搭載されている機能が異なることも、両者の違いのひとつとして挙げられます。ビジネスチャットは業務を効率よく進められるように、さまざまな「ビジネス向けの機能」を搭載しています。

「日報機能」や「タスク管理機能」など、エンゲージメント施策や業務効率化に役立つ機能を豊富に備えており、これはプライベートの利用を想定している個人向けSNSにない、ビジネスチャットならではの特徴です。

ビジネスチャットと社内SNSの違い

ビジネスチャットと近しい意味を持つ言葉として、「社内SNS」というものがあります。社内SNSとは、企業利用向けにカスタマイズされたSNSツールのことです。ビジネスチャットとの違いは、大きく分けて3つあります。

1つ目は、社内SNSは社内コミュニケーションの活性化に特化したツールであることです。ビジネスチャットは社内の他にも、例えば社外の取引先とのコミュニケーションにも利用する場合があります。社内SNSは利用者の範囲に社外を含まないという点で、ビジネスチャットとは異なります。

2つ目は、それぞれで得意なことが異なる点です。社内SNSは社内全体への情報周知や告知活動を得意としています。さまざまな企業活動を周知する場所として活用したり、社内報のように利用して社内SNSから社内広報を行ったりといったことが可能です。

一方のビジネスチャットは、スピーディな情報のやり取りを得意としています。そして、前に説明した通り、その範囲は社内だけでなく社外も含むものです。

つまり、社内SNSは社内全体に向けた情報の周知・告知が得意なツールであり、ビジネスチャットは社内外を問わず迅速な情報のやり取りを行うのが得意なツールであるということになります。

3つ目は、利用される目的の違いです。社内SNSは、従業員エンゲージメントの向上を目的として導入されることが多いツールです。社内コミュニケーションを活性化させるという特性を活かして、従業員にとって働きやすい組織作りに寄与することができます。

ビジネスチャットは、業務効率化が主な目的として導入されるツールです。迅速な情報共有や、マルチデバイスによる場所を選ばないコミュニケーションなどを実現させ、業務効率化を支援します。

このように社内SNSとビジネスチャットは、利用される目的において、前者は社内エンゲージメントの向上、後者は業務効率化の支援といった点で異なります。

ビジネスチャットと社内SNSは、似たような認識で扱われることの多い言葉ですが、これまで説明してきた通り、実はそれぞれで得意なことや利用される目的が異なります。働き方改革やDX化を進める際は、双方の特性を理解し、自社の課題に合った方を選ぶことが大切です。

・社内SNSサービス主要10選!失敗を防ぐ導入のポイントも解説

ビジネスチャット導入のメリット3つ

ビジネスチャットの導入によって得られる3つのメリットを紹介します。

①業務効率化

1つ目のメリットは、業務の効率化が期待できることです。ビジネスチャットを利用することで情報共有が行いやすくなり、さまざまな業務の効率化が望めます。

例えば、紙の報告資料をファイル共有機能によって電子化して共有することで、「資料の印刷」と「提出された資料の回収」といった作業をなくせます。この作業を郵送で行っていた場合、「資料の封入」や「集荷対応」といった業務もなくすことができるでしょう。

またビジネスチャットは、インターネットの環境と使用するための端末さえあれば、どこからでも利用が可能です。場所を選ばずに情報共有や業務連絡が行えることで、不要な移動の削減や情報共有の速度向上といった効果が見込め、業務の効率化につなげられます。

②コミュニケーションの活性化

2つ目のメリットは、社内コミュニケーションの活性化が期待できることです。ビジネスチャットは、メールよりも手軽に扱えるコミュニケーションツールです。

使用感は個人SNSに近しく、絵文字やスタンプなどの機能も備えられています。フォーマルな印象の強いメールと比較して利用に対する心理的なハードルが低いため、社員同士の気軽なコミュニケーションに活用できます。

また、サービスによっては、エンゲージメントを高めるための機能として「アンケート機能」や「サンクスカード機能」を搭載しているビジネスチャットもあります。これらの機能を活用すれば、さらなるコミュニケーションの活性化が期待できるでしょう。

③セキュリティの担保

3つ目は、セキュリティ環境を担保できることです。先述したとおり、ビジネスチャットでは機密性の高い情報を扱うため、情報漏えいを防ぐためにセキュリティを強化する機能が充実しています。

その中でも代表的なものは、「IPアドレス制限機能」です。この機能は、端末のIPアドレスをチェックし、許可されたもののみシステムへのアクセスを可能にするといったもの。

ID・パスワードの流出によって未認可の端末からビジネスチャットにアクセスされ、機密情報を抜き取られてしまうといったトラブルを防ぐことができます。

このIPアドレス制限以外にも、管理者が過去のトーク内容を遡って閲覧できる「ログ監視機能」や、データの覗き見・盗聴の防止に役立つ「通信暗号化機能」など、大切な情報を守るための機能が充実しています。

ビジネスチャットはこれらの機能によってセキュリティが強化されているため、安心して業務に利用することができます。

ビジネスチャット導入時の3つの注意点

ビジネスチャットを導入する際は、いくつかのポイントに注意する必要があります。その中でも特に注意しておきたいポイントを3つ紹介します。

①導入目的を明確し自社に合ったサービスを選ぶ

ビジネスチャットを導入する際は、導入目的を明確にした上で自社に合ったツールを選ぶことが重要です。

ビジネスチャットのサービスは、高機能なものからシンプルなものまで幅広くあります。相性の悪いサービスを導入してしまうと「社員に使われない」「業務にフィットしない」などの事態に陥ってしまう恐れがあります。

「なぜビジネスチャットを導入するのか」「どのような業務に利用するのか」「社風と相性はいいか」などを事前に確認し、自社に合ったサービスを選びましょう。

②ルールを定める

ビジネスチャットを導入する際は、利用に関するルールを定めておきましょう。社員それぞれが自由にチャットを使うと、情報共有の方法やタイミング、データを格納する場所などがバラバラになってしまい、無駄なコストが発生します。

利用ルールを統一することで社員の間に共通認識が生まれ、情報共有の質が一定の水準に保たれるため、効率よくビジネスチャットを活用できるようになります。

また、利用に関するマナーについてもルールとして定めておくのがおすすめです。

ビジネスチャットサービスの多くは、アプリをインストールすることで個人端末からでも利用できます。便利ですが、一方で「オンオフの切り替えが難しい」という課題が発生することも珍しくありません。

例えば、「利用は業務時間内に限る」といったルールを設けることで従業員のプライベートを守ることができます。

③教育や研修を行う

ビジネスチャットを導入する際は、利用にあたっての「教育」や「研修」を行う必要があります。ビジネスチャットは多くの従業員が利用するため、中には「使い方がわからない」という従業員がいる可能性もあるからです。

ビジネスチャットは従業員に利用されて初めて効果を発揮します。すべての従業員に正しくビジネスチャットを利用してもらえるよう、導入の際は教育・研修を行うようにしましょう。

主要ビジネスチャット比較表

ビジネスチャットのサービスは世の中に数多く存在します。その中でも主要といわれるサービスを10つ抜粋して比較表としてまとめてみました。

導入するビジネスチャットにお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。

サービス名比較ポイント参考価格
Slack世界シェアNo1のチャットツール。外部ツールとの連携が豊富であり高機能。機能がリッチな分、他サービスと比較して価格が高め。850〜1,600円/月
Chatwork純国産のビジネスチャット。IDを知っている人であれば社内外を問わずやり取りができる。500〜800円/月
LINE WORKS個人向けチャットツール『LINE』のビジネス版。一般のLINEアカウントともやり取りが可能。300〜1,000/円
Microsoft TeamsOffice製品との連携が可能。WordやExcelのハブとして利用できる。540〜1,360/円
Talknoteコミュニケーションの活性化だけでなく、組織文化の醸造や浸透に役立つカルチャーマネジメントツール。「HR機能」で事前に離職のサインを察知できる。要問い合わせ
WowTalkシンプルなUIで直感的に扱えることが魅力のビジネスチャット・社内SNS。管理機能とセキュリティ環境が充実している。300〜800円/月
InCircleAIが文書管理などの業務を代行。労働生産性を高めるチャットボット搭載。180円〜/月
direct「現場」で最も役に立つITツールを目指して作られた国産ビジネスチャット。6,000円/月(10名)〜50,000円/月(100名)
WorkplaceFacebookのビジネス版。企業内の人間関係を深めることを目的としたツール。$4〜$8/月
elgana通信業界大手NTTグループが提供。ビジネスチャットに必要な機能は網羅されており、特にセキュリティ対策に関する機能が充実。330円〜/月
※上記情報は執筆時のものです。

▼より詳しい比較を知りたい方はこちら

>>【徹底比較】あなたはどれがおすすめ?ビジネスチャット10選

ビジネスチャットの導入事例

筆者所属のワウテック株式会社では、ビジネスチャット・社内SNS「WowTalk(ワウトーク)」を提供しています。ビジネスチャットの導入事例として、WowTalkをご活用いただいている企業様の取り組みを紹介します。

株式会社RSコネクト

ビジネスのIT化をワンストップで支援する株式会社RSコネクト様。働き方改革推進の一環としてビジネスチャットの導入を検討されるようになり、セキュリティ面の高さに魅力を感じてWowTalkの導入を決断されました。

RSコネクト様では、テレワークにおけるコミュニケーション手段として、案件ごとの業務連絡や社内での情報共有にWowTalkをご活用いただいています。

>>株式会社RSコネクト様の導入事例はこちら

三井住友建設株式会社

国内外に拠点を持ち高層マンションや橋梁などの建設工事を手掛ける、三井住友建設会社株式会社様。

2019年4月にDX推進グループが新設され、その推進活動の一環としてコミュニケーションのDXが図られるようになったそうです。管理機能が充実していることや直感的な扱えることなどを魅力に感じられ、WowTalkの導入を決められました。

三井住友建設株式会社様では、離れた場所での業務連絡や報告全般にWowTalkをご活用いただいています。

>>三井住友建設株式会社様の導入事例はこちら

BABY JOB株式会社(SSmotherホールディングス)

「保育」の総合サポート事業を経営し、保育士求人サービス「ベビージョブ」を展開しているBABY JOB株式会社様。

業務環境の改善を目的に、コミュニケーション方法の効率化を検討されるようになり、社内コミュニケーションツールをメールからビジネスチャットへ移行されることになったそうです。

法人向けのセキュリティ環境と直感的に使えるシンプルな操作性に魅力を感じ、WowTalkをご導入いただきました。仕事中の標準的なコミュニケーションツールとしてご活用いただいています。

>>BABY JOB株式会社(SSmotherホールディングス)様の導入事例はこちら

ビジネスチャットを導入して働きやすい環境を

ビジネスチャットは、業務の効率化やコミュニケーションの活性化に有効なICTツールです。DX化やICT化に課題を感じられている企業は、ぜひビジネスチャットの導入を検討してみてください。

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