仕事を進める中で、次のような気持ちになってしまうことはありませんか?
「上司はどうしてすぐに電話してくるんだろう?」
「なぜ新人は全てメールで済まそうとするんだ!」
正直なところ、「作業が遅れるからわざわざ電話をかけないでほしい」と思うかもしれません。また、上司の方であれば「スピード感を持って仕事をしたいから電話でしょ」と感じているかもしれません。
どちらも生産性の高い状態で仕事をしたい、という思いは同じはずなのに、なぜすれ違ってしまうのでしょうか?
この記事では社内コミュニケーションのストレスを減らして、本来やるべき業務に注力するために、それぞれのコミュニケーション手段の特徴と、円滑なコミュニケーションのためのポイントを紹介します。
社内コミュニケーションの代表的な手段
社内コミュニケーションで使われる代表的な手段は「対面」「電話」「Web会議」「メール」「チャット」の5つに分類されます。
対面:面と向かってリアルタイムに会話をする。
電話:固定電話や携帯電話などを使って離れている相手とリアルタイムに会話をする。
Web会議:Web会議ツールを利用してリアルタイムに会話する。
メール:パソコンや携帯電話からメールを送受信する。
チャット:パソコンや携帯電話から専用ツールを利用してメッセージを送受信する。メールより短文かつカジュアルに使われる。
上記からわかるように、コミュニケーションには同期型と非同期型があり、下記のように分類されます。
・同期型コミュニケーション
相手と同じ時間を共有して成立するコミュニケーション
例:対面、電話、ビデオ通話
・非同期型コミュニケーション
相手と同じ時間を共有しなくても成立するコミュニケーション
例:メール、チャット
これに加え、伝わる情報量の違いもあるため、それぞれの特徴にあった使い分けをする必要があります。
同期型コミュニケーション
対面でのコミュニケーション
ここからはそれぞれの特徴を解説していきます。
対面でのコミュニケーションは、スピードが早く、声や顔色、態度や視線など、多くの情報を得ることができることができます。また、会社のデスクやすれ違うタイミングなど、気軽に雑談をすることも可能です。
2020年4月に政府より発令された緊急事態宣言により、急な在宅勤務を経験された方にとっては、直接会えないことで雑談が生まれにくくなり、閉塞感を感じられた人も多いのではないでしょうか。
一方、普段から在宅勤務を行っている場合や多拠点での勤務の場合は、直接顔を合わせることが難しかったり、わざわざ会議のためだけに出社や本社に集まらなければいけなかったりと、移動時間がもったいない、本当に集まる意味あるの?と感じてしまうこともあります。
電話でのコミュニケーション
続いて電話でのコミュニケーションの特徴です。
対面と違い、離れていてもスピード感を持って会話ができるため、働く場所を選ばなくて良いという特徴があります。また、声や会話のテンポなどで相手の温度感なども知ることが可能です。
しかし、電話を受ける側は突然の対応となり、仕事の手を止めなければいけません。ビジネス誌「Fast Company」が公開した研究によると、一度中断した作業に戻るには平均で23分15秒かかるそうです。特に、受電した人が集中作業をしていた場合、電話が終了してから23分15秒の時間を無駄にしてしまう可能性もあるため、相手の都合の良いタイミングを選ぶことが大切です。
参考:
一度中断した作業に戻るには平均で23分15秒かかる | ライフハッカー[日本版]
Web会議でのコミュニケーション
WEB会議は、対面や電話と同じく同期型コミュニケーションです。
相手と同じ時間を共有するため、スピード感を持って会話ができること、顔が見えることで安心感を得ることができます。
現在は無料で使えるツールも多く提供されているため、「何を使ったらいいの?」「使い方がわからない」と感じる方もいるはず。また、映像をやりとりするためデータ通信量がテキストや音声と比べて増え、インターネットの環境が整っていない場合は、導入のハードルが高くなってしまいます。
非同期型コミュニケーション
メールでのコミュニケーション
ここからは非同期型のコミュニケーションの特徴です。
メールは文章のデータとして送信側も受け取る側にも記録が残るため、ビジネスにおいては重要なツールと言えます。
しかし、メールは社内外問わず利用されているため、重要な連絡が埋もれやすく、返信漏れや、誤送信の危険性もあります。
こうしたリスクを減らすためにも、社内に限定したツール(ビジネスチャットやグループウェアなど)を利用した方が良いでしょう。
チャットでのコミュニケーション
LINEやFacebookのメッセンジャーなどでチャットを日常的に利用する機会もあります。
メールのように堅苦しい宛名書きや挨拶を抜きにして、実際の会話に近いテンションで気軽にコミュニケーションが可能です。利用するツールによっては相手の既読・未読の可視化ができます。
SNSのように情報がすぐに流れてしまう点やプライベートとの境目が曖昧になる、テキストのみのやりとりだと感情が伝わりにくいなどのデメリットもあります。
コミュニケーション手段別特徴まとめ
コミュニケーション手段を誤ると摩擦の原因にも?
上記でお伝えしてきたそれぞれの手段のメリット・デメリットを理解し、”目的に応じて”使い分けることが大切です。自分がこのやり方で慣れているからと「電話だけ」「メールだけ」に偏ったコミュニケーションをとっていると冒頭のような摩擦が起きてしまいます。普段から相手のことを思いやってコミュニケーション手段を選ぶようにしましょう。
また、先の表からもわかるように、チャットは非同期でありながら同期性が高いという、バランスの良いコミュニケーション手段です。
次に、チャットを軸としたテキストコミュニケーションをより円滑に行うための方法を紹介します。
チャットでテキストコミュニケーションを円滑に行うためには
SNSの普及で加速するテキストコミュニケーション。ここからは、テキストコミュニケーションを円滑に活用するために役立つ情報をお伝えしていきます。
先ほどお伝えしたように、ほぼリアルタイムでやり取りができるチャットですが、テキストのみのやり取りでは感情が伝わらりづらく、冷たい印象を与えてしまうケースも少なくありません。
しかし、チャットのやりとりをひと工夫することで、感情や温度を相手に伝えられるのです。
私が勤めるワウテック株式会社では、WowTalkというビジネスチャットを開発・提供しており「ビジネスチャットの会社」ならではの活用方法もあります。いずれもいますぐ実践できるものばかりです。ぜひ試してみてください!
ポイント1 文末に「!」を使う
何気ない一言でもテキストだけだと冷たく感じられてしまうものです。
メッセージに「!」が付いているだけで、少しポジティブな感じが伝わってきませんか?
ポイント2 返信にスタンプを使う
より感情を伝えるためにはスタンプを活用するという手もあります。文章を打つよりも簡単に返信することができる上に、温度感も伝わりやすくなります。
また、すぐに連絡内容を確認できない場合でも「確認します!」と返信しておくことで相手の待つストレスを軽減し安心を与えることが可能です。
ポイント3 返信の代わりに絵文字リアクションを使う
スタンプの利用が浸透してきたら絵文字リアクションを使ってみましょう。返信をするほどでもないけど、読んだリアクションをしたいな、という時に便利です。
自分のコメントに絵文字がたくさんついてるとちょっと嬉しくなりませんか?
ポイント4 いつものコミュニケーションにユーモアをそえてみよう
弊社ではテレワークを取得する際、チームメンバーに開始・終了の連絡を入れます。
普段は文章や既存のスタンプでやりとりをするのですが、いつの間にか社員の写真を使ってこんな遊びを取り入れるようになりました。
普段、文章を書くのが得意なメンバーも率先して退勤画像作りに勤しんでおり、これをきっかけに本気でPhotoshopを使えるようになりたい!と意気込んでいます。
以上、今日から実践できるテキストコミュニケーションの工夫です。ぜひお試しください。
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最後に、コミュニケーションツールは日々進化していきますが、コミュニケーションの本質は変わりません。相手どんな状況にあるのかを理解し、敬意を持って接することが大切ではないでしょうか。
そのため、感情や距離感、相手との関係を意識した手段を選択し、コミュニケーションをしていきましょう。