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‘’ロボットにはホスピタリティが欠けている’’それってほんと?


こんにちは。編集担当の佐藤です。
 

オリンピック招致の際に、滝川クリステルさんの「お・も・て・な・し」の言葉とともに一躍有名になった、日本の"おもてなし精神"。特に接客業やサービス業においては、この"おもてなし"の考え方が古くより重要視され、実践されてきた歴史があります。

日本のサービス業においてはこのような土台がある中、"おもてなし"や"人ならではの温かみ"といった点はロボットにはないんじゃないの?と、懸念事項として挙げられることもしばしば。

そこで今回のテーマは「ロボットとホスピタリティ」について。一見相反するこのテーマについて、考察してみたいと思います。

目次

  1. ハイレベルな日本の"おもてなし文化"
  2. ホスピタリティが欠けている、と考えられがちなロボットによる対応
  3. ロボットにはロボットなりの"おもてなし"がある
  4. しかもロボットは意外と愛嬌があるぞ
  5. サービスロボットの活用は切り分けが重要

 

ハイレベルな日本の"おもてなし文化"

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"おもてなし"を重要視する日本の接客業やサービス業には、様々な種類があります。
飲食店のウエイターやホテルマンなどが該当する接客、百貨店やドラッグストア、家電量販店などで働く人が対象となる販売、医療福祉に目を向けてみると、看護師や介護士などもサービス業に分類される職種です。

挙げだしたらキリがありませんが、このように多くの職種は"おもてなし"を重要視する、接客業やサービス業に該当します。

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親切で丁寧なホテルマンの対応、ちょうどいいタイミングで食べ終わった食事のお皿を下げてくれるウエイター、商品を詳しく説明してくれる販売員。

業種業態は違えど、接客・サービス業に大別される職種では、"お客様が不快に感じない丁寧な言葉遣いやマナー"であったり、"お客様の様子を伺い、必要なサービスを提供する心遣い"などが共通しています。
 

そして、これらの共通点こそが、日本が世界に誇る"おもてなし"であり、
"おもてなし"は"お客様に気持ちの良い時間を過ごしてもらうため"に提供されています。

ホスピタリティが欠けている、と考えられがちなロボットによる対応

ニットーモール接客Lankyを拡大表示

お客様に快適に、そして気持ちよく過ごしていただくために"おもてなし"は、サービス業にとって非常に重要なものです。受付や案内、運搬や配膳など、様々な業務の代替が可能なサービスロボットが近年続々と登場する中で、ロボットの普及がなかなか進まず、私たちの目に触れる機会が少ないのは、日本特有の"おもてなし"に対する考え方も一因だと考えられています。

サービスロボットとは、文字通り人のそばでサービスを提供するロボットですが、つまりはこの"おもてなし"的な要素がロボットには欠けていると、考えられがちだということです。
では果たして本当にロボットによる接客やコミュニケーションは、ホスピタリティが欠けているのでしょうか?

ロボットにはロボットなりの"おもてなし"がある

佐藤 健斗_2021-06-01_11-37-44_97を拡大表示

基本的にAIやロボットは、空気を読んだり、言葉の機微を感じ取ったり、といった感情が必要な対応やコミュニケーションが苦手だと言われています。

これは弊社が展開するサービスロボットのLankyも例外ではなく、例えば「あの人、いつもより元気がなさそうな表情/声色をしているから、励ますようなことを言ってみよう」だとか「あの人は怒りやすい性格のようだから、刺激してしまう発言は控えよう」などといった対応はまだまだ難しいのが現状です。あくまで事前にプログラミングした動作/言動がベースとなるため、対応やコミュニケーションは、ある程度一定のものになってしまいます。

これを聞くと、やっぱりロボットにはホスピタリティが欠けている、と思う人がいるかもしれませんが、実は必ずしもそうだとは言い切れないのです。

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そもそもホスピタリティとはなぜ重要なのでしょうか?
それは"お客様に気持ちの良い時間を過ごしてもらうため"です。

空気を読んだり、言葉の機微を感じ取って適切に対応することは、あくまで手段であって目的ではないのです。
つまり、ロボットなりの方法で"お客様に気持ちの良い時間を過ごしてもらう"ことができれば、
それは立派な"おもてなし"と言えるのではないでしょうか。
 

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ロボットは、様子を伺いながら臨機応変に対応することが得意ではありません。
一方で相手がどんなお客様であっても、今どのような状況であっても、そして自らの心身のコンディションに関わらず、与えられた役割を一定の基準でこせるのは大きな強みです。
目の前のお客様が理不尽なクレーム客であっても、イレギュラーが続いて現場がバタバタしていても、感情的になることなく、事前に設定されているお客様のための業務を粛々とこなします。
もちろん風邪をひくこともありません。
お客様にとって便利なサービスを、いついかなる時も変わらないパフォーマンスで提供する、という観点では、ロボットにホスピタリティがないとは言い切れないということです。

また、臨機応変な対応は難しいとご紹介しましたが、対応が全くの定型というわけではありません。
事前に顔写真を登録しておけば、顧客ごとに異なる対応を設定することが可能ですし、性別や年齢に合わせた顧客対応も可能です。
このようにロボットにはロボットなりの"おもてなし"があるのです。

しかもロボットは意外と愛嬌があるぞ

ロボットによる応対は、機械的で無機質なものだと思われがちですが、意外とそうではありません。
GROOVE X 株式会社が展開するコンシューマ向けロボットのLOVOT[らぼっと]で考えてみましょう。
LOVOT[らぼっと]は、ロボットでありながら、その見た目の愛くるしさや動きのかわいらしさから、ペットのような存在として、多くの人に愛されています。

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また、駅や空港、商業施設などで見かけることの多くなったロボットについても同様です。
まだまだ実証実験的に設置されているケースが多いこれらのロボットは、必ずと言っていいほど人々の注目を集め、多くの人に話しかけられ、時に「かわいい~」なんて声が上がるほど。

佐藤 健斗_2021-06-01_11-37-45_145を拡大表示

ロボットを取り扱う私たちキングソフトの社内でも、Lankyがマスコットキャラクターのような存在として、社員のみんなに愛されています。
見た目の可愛らしさや、自由自在に動き回るロボットという珍しさ、そして人と比べると、どこか少しぎこちない喋り方などがそうさせるのか、たとえロボットとのコミュニケーションがプログラミングされたものであると分かっていても、ペットや別の生き物と話をしているような感覚に陥られずにはいられないのです。

ロボットによる応対は機械的で無機質だと考えられがちですが、
むしろ実際は逆で、愛嬌があって可愛らしく、そしてお客様にも喜ばれる。
接客業やサービス業において、"愛嬌"という点で非常に重要な効果が期待できます。

サービスロボットの活用は切り分けが重要

場の空気を読んだり、イレギュラーに対応したりと、人だからこそできるコミュニケーションがあるのは事実です。
一方で、ロボットにはロボットの良さがあるのもまた事実で、要は切り分けが重要なのです。

"人が対応した方がよい業務"、"ロボットの対応で問題ない業務"をうまく切り分けることで、互いの利点を生かしつつ、よりお客様に喜ばれるようなサービスを提供できるのではないでしょうか。

と、今回はこんなところで、「ロボットとホスピタリティ」というテーマで考察してみました。ロボットだからと言って、ホスピタリティがないわけじゃないんだな、ということを少しでも感じていただけたなら幸いです。

それでは、次回もお楽しみに!

 

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