東京都産業労働局が2016年の11月10日現在で発表した「2016年年末一時金妥結状況(加重平均)中間報告」によると、中小企業も含む東京都内の1,000の民間労働組合を対象に、すでに妥結している287組合のボーナスの平均額が75万6,155円となった。この金額をみて、実際にもらう金額と多少の差はあれども、このお金はどう使うべきなのか。貰えれば嬉しいが、人生一度の大博打に出られる金額かと言えばそうでもない。貯蓄か散財か、賢いと思われる使い途を提案させてもらう。
<夢への投資>年末ジャンボ、有馬記念など一攫千金のイベントに賭ける
年末年始の大錬金術として挙げられるのが「年末ジャンボ宝くじ」と、競馬の「有馬記念」と言われている。いずれも少額から億のお金を稼げる可能性のあるものとして年末ならではのビックイベントと言えよう。全額を投入すべきとは口が裂けても言えないが、確率見合いで自分のボーナスの一部をここに投資してみるというのはいかがだろうか。
それではこれらの当選確率とはどれくらいなのか。
まずは「宝くじ」。実際にWeb上で検索してみると2015年版ではあるが宝くじシュミレーターなるサイトがいくつかヒットした。いくつかあるなかで、気になったのが当選の確率設定。1等7億円の当選確率は0.000005%、つまり2,000万分の一というわけだ。もちろん、当選するのが難しいというのはわかっていたが、どうもピンとこない。2,000万分の一が正確な当選確率かは厳密には不明だが、あらゆる方面からこの2,000万分の一(0.000005%)がどういったものなのかを調べてみた。
▽東京ドーム 444球場の満員の会場のなかから1人選ばれる確率
東京ドームで野球やライブ観戦などをしたことがある方であれば、満員の客を眺めて「4万人って結構多いな」なんて考えたことがあるはず。この東京ドームの満員の人数がおおむね4万5,000人と言われているので、444球場に加えて、真ん中からぱっくりと三塁側を削り取った半円の東京ドームのなかから1名だけ「君、当選ね」と言われるのがだいたい、この数値。
そのほか、身近なアイテムを使って実践する場合で考えると
■サイコロを9回降って同じ目がでる確率 10,077,696分の一
■コインを24回投げて表がでる確率 16,777,216分の一
となるわけだ。宝くじ購入前にぜひ、試してもらいたい。
ちなみに有馬記念で万馬券(100円で購入して1万円以上となるもの)は年間1,000本前後。ちなみに確率で言えば480万分の一言われている。宝くじよりはだいぶ、大金を稼げる予感がある。
夢のある話は嫌いではないが、現実的に「貯蓄」を考えているという人は多いだろう。しかし、ただ貯金するのでは面白くないという人に、個人型確定拠出年金の運用を進めてみたい。
<貯蓄・運用>金融の素人が手を出すなら個人型の確定拠出年金がおすすめ?
この「確定拠出年金」。制度そのものは2001年より導入されているわけだが、2017年1月より法改正により、これまで対象外であった専業主婦や公務員も加入できるようになるのだ。
この「確定拠出年金」とはどういったものなのか。いわゆる20歳以上の全国民が加入する「国民年金」や、会社員、公務員が加入する「厚生年金」とは異なり、自分で設定した額(個人の年額の限度は27万6,000円)を、自分で決めた金融商品(株式や保険など)で毎月、運用していく年金となる。つまりは60歳以降に受給する年金を自分で運用するわけだ。自分で運用できるという点以外にも、掛け金が全額所得控除の対象となり、運用利益は課税の対象外となるなどおいいしいポイントはある。
当然、自分で運用するため、60歳で受給する際に掛け金の総額を下回るリスクもある。超低金利のなか貯金で済ますのか、自ら未来を切り開くのか、考えるのはアナタ次第だ。
冒頭で書いた通り、筆者の考えで言えば、ボーナスとは決して安いお金ではないが、一度、自分の意思で全額を投資したところで人生がクローズするような大金でもない。自分のなかの「損」と「得」をしっかり見極め、今年の冬は全額それに費やしてみるというのも悪くないのではないだろうか。
参照元:東京都産業労働局
http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2016/11/14/05.html