筋トレ効果が感じられないのは「関節の動き」が原因?!
「正しいフォーム通りに筋トレを行っているはずのに、効かせるべき筋肉に効いていない…」という場合、関節の動きが制限されていることが原因として考えられます。
例えば「スクワット」を適切なフォームの通りに行っているのに、ターゲットとなるお尻の筋肉に効かない場合、股関節の動きが制限されている可能性があります。
股関節の動きが制限されてしまうと、下の写真のように膝の曲げ伸ばし動作でスクワットを行うことになり、お尻に効かないばかりか膝への負担が大きくなってしまいます。
このように関節の動きが制限されていると、筋トレを適切なフォームで行うことができず、ターゲットとなる筋肉に効かないだけでなく、関節への負担も大きくなってしまうことになります。
そのため、適切なフォームで筋トレを行うには、関節の動きを十分に高めておくことも必要と言えます。
誰でも手軽にできる!関節の動きを高める方法
「関節の動きを高める」と言っても、何をどのようにすればよいかわからないですよね。そこで、誰でも手軽に関節の動きを高められる方法があります。
それは「ストレッチ」です。ストレッチには、筋肉を静止した状態で筋肉を伸ばす「静的ストレッチ」と、動きを伴う「動的ストレッチ」という2つの種類があります。
静的ストレッチは、筋肉を伸ばし続けることで筋肉の緊張を緩めることができます。それに対して動的ストレッチは、高めたい方向への動作を繰り返すことにより、動きを高める効果があります。
この2つのストレッチを組み合わせることで、関節の動きを高めることができます。
具体的には、静的ストレッチで動きを制限している筋肉の緊張を緩めて、次いで動的ストレッチで動きを高めていきます。
「動きを高めるべき関節」はたった2つだけ!
関節の動きを高める方法はわかりましたが、では一体どの関節の動きを高めたらよいのでしょうか。
カラダには10種類を超える関節が存在しますが、基本的な筋トレ種目を効果的に行う場合、2つの関節の動きを高めるだけで十分です!
その「2つの関節」とは、股関節と肩です。その理由は、股関節の動きは下半身の筋トレ種目に、肩の動きは上半身の筋トレ種目に大きく関与するからです。
筋トレ効果がアップする!関節の動きを高めるストレッチ10選
では、実際に股関節と肩の動きを高めるストレッチを行っていきましょう!
ここでは基本的な筋トレ種目を効果的なものにするために是非行っておきたいストレッチに絞ってお伝えします。
ストレッチを行うにあたり、ご用意していただきたいものは、「ヨガマットもしくは大きめのバスタオルなどそれに代わるもの」だけです。
ストレッチは、痛みや違和感がない範囲で行うようにしましょう。
1. 股関節屈曲(曲げる)制限を解除する静的ストレッチ
- 仰向けに寝て脚で「4の字」を作り、下になっている膝を立てます。
- 太もも裏側に両手を回し、脚を胸に引き付けることでお尻の筋肉がストレッチされます。
2. 股関節屈曲動作を高める動的ストレッチ
- 四つん這いになり、腰を反らせた体勢を作ります(写真上)。
- 腰を反らせたまま、お尻をかかとの上まで移動させる動作を10回行います(写真下)。
3. 股関節伸展(伸ばす)制限を解除する静的ストレッチ
- 脚を前後に大きく開き、前脚の膝を立てて後ろ脚は後方へ伸ばします。
- 両手を立てた前脚の膝の上に乗せて、重心を上体の真下に下ろし骨盤を後傾させることで、太もも付け根前面の筋肉がストレッチされます。目線をお腹に向けると、骨盤を後傾させやすくなります。
4. 股関節伸展動作を高める動的ストレッチ
- 肘を床に付いた四つん這いの体勢となり、片脚の膝を床から離します(写真上)。
- 床から離した膝が太もも付け根よりも上に位置するまで股関節を伸ばす動作を、左右それぞれ10回行います(写真下)。その際、骨盤を動かさないようにします。
5. 股関節外転(外に開く)制限を解除する静的ストレッチ
- 両脚をできるだけ大きく開いて座ります。つま先は天井に向けるようにします。
- 骨盤を立てて、上体を起こすことで内ももの筋肉がストレッチされます。
6. 股関節外転動作を高める動的ストレッチ
- 横向きに寝て、上になっている脚はまっすぐに伸ばします。下になっている脚は膝を90度程度に曲げておくと安定性が増します。
- 上になっている股関節を開く動作を左右それぞれ10回行います。
7. 肩甲骨内転(内側に寄せる)制限を解除する静的ストレッチ
- 脇と肘を90度に曲げて、肘の内側を壁に当てます。
- ストレッチする側の足を一歩前に踏み出し、壁に当てた肘の内側を支点にカラダを反対側へ回旋させることで、胸の筋肉がストレッチされます。
8. 肩甲骨内転動作を高める動的ストレッチ
- 両腕を顔の前で合わせて肩甲骨を外に開いた体勢を作ります(写真左)。
- そこから顔の前で閉じていた両腕を開いていき、肩甲骨を内側に寄せるという動作を10回繰り返します(写真右)。
9. 肩の挙上動作制限を解除する静的ストレッチ
- 四つん這いの体勢から、両腕をやや前に移動させます。
- お尻をかかとの上まで移動させ、両腕で頭を挟むように手の間隔を狭くすることで、背中の筋肉がストレッチされます。目線はお腹に向けるようにします。
写真のように親指側を天井に向けるようにすると、肩に負担を少なくして背中の筋肉をストレッチさせることができます。
10. 肩の挙上動作を高める動的ストレッチ
写真のように、背中をまっすぐに伸ばし、顔の前で肘から手首のラインをしっかり合わせたまま、洗顔をするように合わせた両腕を上げて下ろす動作を10回行います。
ストレッチ中は、肘から手首のラインが離れないようにしましょう。
ストレッチ効果を高める2つのポイント
最後に、これらのストレッチを行う際のポイントをお伝えしておきましょう。
そのポイントとは、
- 静的ストレッチは、筋肉が心地よく伸ばされていることが感じられる強度で、30秒間筋肉を伸ばすこと
- 動的ストレッチは、高めたい方向への動きを少しずつ大きくしていくようにすること
の2つです。
この2つのポイントを踏まえるだけで、ストレッチ効果を高めて関節の動きを高めることができます。
関節の動きを高めた上で筋トレを行うと、関節への負担を感じることなく筋肉に効かせることができるハズです!筋トレを効果的に行うためにも、是非ストレッチも合わせて行ってみてくださいね。