「ターンオーバー」とは肌が持つ機能の1つで、正常に滞りなく機能していれば、健康な肌を保てます。
しかし、ターンオーバーが遅れると、さまざまな肌トラブルが頻発し、悪化するとエイジングサインへと発展してしまいます。
ターンオーバーの遅れは、毎日のスキンケアで十分整えることができます。本記事では、肌のターンオーバーを促進するスキンケアについて紹介します。
肌のターンオーバーについて
肌のターンオーバーの周期が整っていることは、健やかな肌を維持するために大切です。ここでは、ターンオーバーの「仕組み」「遅れる原因」「遅れて起こる肌トラブル」について解説します。
ターンオーバーの仕組み
ターンオーバーとは、表皮部分で起こる肌の生まれ変わりです。古くなった皮膚が角質として剥がれ落ち、下にあった新しい皮膚が表に出てくるサイクルを指します。
ターンオーバーの理想の周期は28日と言われており、サイクルが乱れることなく行われることでメラニンや古い角質が除去され、シミやくすみのない透明感のある明るい素肌を維持できるのです。
しかし、何らかの原因によりターンオーバーにかかる日数が遅れると、新しい肌細胞が十分に作られず古い細胞が蓄積し、角質や汚れも剥がれ落ちないためトラブルが起こりやすい肌となってしまいます。
ターンオーバーが遅れる原因
ターンオーバーが遅れる最大の原因は、加齢です。
年齢を重ねると、新陳代謝が悪くなり、新しい肌細胞を生む力が弱くなります。すると、古い細胞やメラニンがなかなか剥がれ落ちず、ターンオーバーの周期が長くなってしまうのです。
「加齢と皮膚(清至書院)1986」では、加齢によって角層の置換速度は1.5倍遅くなると示されており、正常なターンオーバーを30日と考えると、年齢を重ねた場合約45日以上かかると考えられます。
とくに女性は筋肉量が少なく、加齢に伴ってさらに減少していくため、血流が滞って代謝が悪くなりやすい傾向があります。そのため、年齢を重ねた女性の肌にはさまざまな肌トラブルが起こりやすくなってしまうのです。
ターンオーバーが遅れると起こる肌トラブル
ターンオーバーが遅れると起こる肌トラブルの例は次の通りです。
肌の乾燥
ターンオーバーが遅れると、水分を失った古い細胞が剥がれ落ちず肌に滞るため、乾燥を感じることが多くなります。また、乾燥によってバリア機能も低下しているため、ささいな刺激にも敏感になっている場合があります。
ニキビ・吹き出物
ターンオーバーの遅れにより古い角質が蓄積すると、毛穴周りの皮膚が硬くなります。すると、角質肥厚が起こって皮脂の出口がふさがれ、ニキビや吹き出物ができる原因となるのです。
シミ・くすみ
ターンオーバーが遅れて、水分を失った古い角質や汚れが肌に蓄積すると、肌色が黄色っぽく暗くくすみます。また、メラニンの排出も遅れるため、シミが濃くなりエイジングが気になるようになります。
肌のターンオーバーを促進するスキンケア
ターンオーバーを促進するためには、毎日のお手入れが重要です。ここでは、肌のターンオーバーを促進するスキンケアを3つ紹介します。
十分な保湿
保湿ケアは、肌機能を十分に働かせ、ターンオーバーのサイクルを整えるのに役立ちます。朝晩2回、洗顔後しっかりと行いましょう。
保湿に使用する化粧品は、化粧水、乳液、クリームの3つです。化粧水は水分を多く含んでいるため、コットンにたっぷりと湿らせて肌にうるおいを浸透させましょう。細かくパッティングを行い、顔全体がひんやりとするまで続けます。
化粧水を塗布した後は、乳液、クリームの順に重ねて油膜を張り、水分蒸発を防ぎましょう。乳液、クリームは油分が多く、つけすぎるとべたつきの原因となるため、適量を守って正しく使うことが大切です。
代謝を促進する美容液を使う
毎日のお手入れに、代謝を促進する効果のある美容液をプラスすることも有効です。
美容液は、基礎化粧品の中でも美容成分の配合量が多いため、効果を実感しやすく即効性があります。また、改善までに時間がかかるといわれているシワ、シミなどのエイジングサインにも対応しているのが特徴です。
加齢によるターンオーバーの乱れからくるシミやくすみなどの肌トラブルから早く解放されたいという方は、美容液で改善を試みましょう。
肌のターンオーバー促進に効く美容液は、皮膚細胞の代謝を促進する美容成分が配合されているのが特徴です。代表的な成分は次の通りです。
- ビタミンA
- ビタミンC誘導体
- ビタミンE
- プラセンタ
- 酵母エキス
- 酵素
- パンテノール
美容液を購入する際は、パッケージの成分表に上述の成分の記載があるか確認しましょう。成分表の記載順が上から6番目以内であれば、高濃度で配合されており効果を実感しやすいと判断できます。
紫外線対策を徹底する
紫外線対策をすることは、ターンオーバー周期を整えるために重要です。
紫外線が肌に当たると、活性酸素が体内に発生し、肌細胞にダメージを与えて正常に機能できなくなります。つまり、ターンオーバーの周期が乱れる原因につながるのです。
紫外線は季節によって量に変動はありますが、1年中降り注がない日はありません。紫外線対策は、毎日欠かさず行うことが大切です。
朝のスキンケアの後、メイクをする前には、日焼け止めクリームを塗る習慣をつけましょう。また、ファンデーションや化粧下地にも日焼け止め効果のあるものを使って併用すると、よりムラのない対策ができます。
まとめ
古くなった皮膚が角質として剥がれ落ち、下にあった新しい皮膚が表に出てくるサイクルをターンオーバーといいます。
ターンオーバーが遅れる原因は「加齢」で、起こりうる肌トラブルには「乾燥」「ニキビ・吹き出物」「くすみ・シミ」が挙げられます。肌のターンオーバーを促進するスキンケアは「十分な保湿」「代謝を促進する美容液の使用」「紫外線対策の徹底」の3つです。
ターンオーバーを促進するスキンケアで、トラブルのない美しい肌を維持しましょう。