姿勢が良くなることで得られる「3つのメリット」
姿勢が良くなることで、見た目の印象が良くなる以外にも3つのメリットが期待できると言えます。
メリット1:「痩せやすいカラダ」になる
逆に姿勢が悪くなるとどうなるか考えてみましょう。
背中が丸まった姿勢になると、肺や心臓を取り囲んでいる胸郭(胸椎、肋骨、胸骨から成るかご状の組織)が狭くなります。そのため一回の呼吸で吸い込まれる、または吐き出される空気の量である「換気量」が低下してしまいます。すると取り込むことができる酸素の量が少なくなってしまうため、その分消費できる脂肪の量も少なくなってしまいます。
また、胸郭が狭くなるだけでなく落ち込むため、それに伴い内臓が下垂します。その結果下腹がポコッと出た「ポッコリお腹」をもたらすばかりか、内臓機能の低下をもたらすため、基礎代謝の低下にもつながってしまいます。
以上のことから、姿勢を良くすることで脂肪の消費量アップと基礎代謝アップが期待でき、痩せやすいカラダにすることができると言えます。
メリット2:「冷え」や「むくみ」の解消にも
多くの女性を悩ます「冷え」や「むくみ」ですが、姿勢を良くすることでこれらの問題も解消させることが可能です!
冷えやむくみは、血液やリンパの流れが悪くなることが原因と言われています。そうなると、不要な水分や老廃物が体外へ排出されることなく、体内に蓄積してしまいます。その結果むくみが生じ、不要な水分によってカラダが冷やされてしまうと言われています。
姿勢が良くなると血液やリンパの流れも改善されるので、冷えやむくみの解消にもつなげることができます。
メリット3:「肩こり」と「腰痛」に悩まされなくなる
やはり多くの人を悩ませている「肩こり」と「腰痛」は、姿勢の悪さが原因の一つとして挙げられます。
人の背骨は本来、横から見ると緩やかなS字状の弯曲を描いています。緩やかなS字状の弯曲を描くことで、背骨にかかる荷重を分散させることが可能となるのです。
しかし、背中を丸めていたり脚を組んで座ったり、いつも同じ肩にバッグを掛けていたりなどが原因で、このS字状の弯曲が崩れてしまいます。
すると重い頭を支える頚部と、上半身を支える腰部に大きな負担がかかるようになってしまい、肩こりと腰痛が引き起こされます。
そのため姿勢が良くなると、背骨の緩やかなS字状の弯曲を維持することができるようになり、肩こりと腰痛に悩まされなくなると言えます。
姿勢を美しいものに変える「2つのエクササイズ」
それでは、良い姿勢に変えるには何が必要でしょうか。
良い姿勢を保つには、僧帽筋や脊柱起立筋などといった背中の筋肉や腹筋群、そして大殿筋といった筋肉が必要となります。なぜならこれらの筋肉は「抗重力筋」と言われ、その名の通り重力に抗う筋肉でもあるからです。
そこで、姿勢を良くするエクササイズとして、これらの筋肉を強化するエクササイズを行っていきます。
今回ご用意していただくものは、ダンベル一組もしくは水を入れた500mlのペットボトルを2つだけです。畳一畳分のスペースがあれば十分できるエクササイズですので、どこでもできるものです!
(1)スタンディング・ドローイン
- 左右のかかとをくっつけて、つま先は大きく外に開いて立ちます(写真上左)。
- 内ももを閉じて肩甲骨を内側に寄せて胸を張り、息を吐きながらお腹を最大限まで凹ませていき、息を吸いながら元に戻す動作を繰り返します(写真上右)。そうすることで良い姿勢にするために必要な僧帽筋や腹横筋、そして大殿筋などの筋力を強化することができます。
10~15回を1分程度の休憩を入れながら、3セット行いましょう。
効果を高めるポイント
左右のかかとをくっつけて、つま先を大きく外に開いて内ももを閉じるようにすることで、大殿筋に効かせることができるようになります。
腹横筋に効かせるコツは、肩甲骨を内側に寄せてしっかり胸を張ることと、おヘソ辺りを凹ませるようにすることです。この2つを心掛けるだけで、腹横筋への効果をグンとアップさせることができます!
(2)デッドリフト
- 両手にダンベルもしくは500mlのペットボトルを持ち、腰幅程度に足幅を開いてつま先は正面に向けて立ちます。
- 両膝を軽く曲げて、息を吸いながらお尻を後ろに突き出しながら、上体が床と向き合うまで前に倒していきます。
- 息を吐きながら股関節を支点に上体を起こしていきます。そこから更に胸を張るようにします。
体幹部をまっすぐにしたまま股関節の曲げ伸ばし動作を繰り返すことで、僧帽筋、脊柱起立筋、大殿筋、ハムストリングスといった筋肉が強化され、良い姿勢を作ることができます。
10回を1分程度の休憩を入れながら、3セット行いましょう。
効果を高めるポイント
デッドリフトは、股関節の曲げ伸ばし動作をしっかり行うことがポイントです。
そのためには、「お尻の動き」を意識するようにします。具体的には、上体を前に倒す際にはお尻を後ろに引くようにし、上体を起こす際にはお尻を前に出すようにします。
すると股関節の曲げ伸ばし動作ができるようになり、ターゲットである大殿筋とハムストリングス、脊柱起立筋などに効かせることができるようになります!
すぐに効果が実感できる「美姿勢エクササイズ」!
今回は姿勢を良くする2つのエクササイズをご紹介しました。体脂肪量などとは異なり、姿勢の変化はすぐに実感できるかと思います。
見た目の印象だけでなく肩こりや腰痛に悩まされない、痩せやすいカラダに変えていきましょう!