カラダが硬いことで起こりうる主な問題
まずはカラダが硬いとどんな問題が起こりうるのかを考えていきましょう。
ケガをしやすくなる
筋肉の柔軟性が低下した、カラダが硬い状態で運動を行うと、「筋損傷」や「筋断裂」など思わぬケガをしてしまう可能性が高くなります。
硬くなった筋肉に急激な収縮動作や伸展動作が加わることで発症するのが、「肉離れ」と言われるものです。
疲れやすくなる
筋肉が硬くなると、その中を流れる血液やリンパ液の流れが妨げられてしまうことになります。
そのため、酸素や栄養素が組織に行き届かない上、老廃物や疲労物質が蓄積されたままとなってしまうため、疲れやすくなると言われています。
「冷え」や「むくみ」が生じやすくなる
血液やリンパ液の流れが悪くなり、老廃物などが蓄積されたままになってしまうと、疲れやすくなるだけでなく「冷え」や「むくみ」が生じやすくなってしまいます。
痩せにくくなる
カラダが硬くなると、痩せにくくなるとも言えます。なぜなら、一日の総消費エネルギーの約70%を占めると言われている「基礎代謝」が低下してしまうからです。
基礎代謝というのは、呼吸や血液の循環、細胞の新陳代謝、体温維持など生命活動維持のために使われるエネルギーのことです。
カラダが硬くなることで、血液の循環が悪くなり細胞の新陳代謝も低下することから、基礎代謝低下を招いて痩せにくくなると言えます。
硬いカラダを柔らかくする「3つのポイント」
このようにカラダが硬いと様々な問題が起こりうることから、カラダを柔らかくする必要があります。しかし、「ストレッチを続けていても、なかなか柔らかくならない!」という声をよく耳にします。
そのような方でも、これからお伝えする「3つのポイント」を踏まえた上でストレッチを行うことで、柔軟性を高めることができるようになります!
1:カラダを温めてからストレッチを行うこと
「カラダが硬すぎてストレッチするのが難しい…」という方、もしかしてカラダが温まっていない状態でストレッチをしようとしていませんか?
カラダが冷えたままで筋肉を伸ばそうとしても、十分に伸ばすことができません!
柔軟性は体温にも大きく影響を受けており、カラダを温めて体温を上げるだけでも、柔軟性を高めることができると言われています。そのため、カラダを温めてからストレッチを行うようにしましょう。
運動後や入浴後など、カラダの芯まで温まった状態でストレッチを行うことで、筋肉を伸ばしやすくなります。
ここで注意しておきたいのが、「入浴方法」です。熱いお湯に短時間で入浴しても、実際にはカラダの表面しか温まっていません。カラダの芯まで温めるには、38~40℃程度のお湯に最低でも10分間浸かるようにします。
2:静的ストレッチは心地良い伸び感が得られる強度で、20~30秒間伸ばし続けるようにする
ストレッチには、静止した状態で筋肉を伸ばす「静的ストレッチ」と、動きを伴う「動的ストレッチ」の2つの種類があります。この2つのうち、筋肉の過度な緊張を緩めるには静的ストレッチが有効です。
筋肉を静止した状態で伸ばし続けることで、副交感神経が優位に働くようになり、筋肉の緊張を緩めるように働きかけるからです。
静的ストレッチで柔軟性を高めるには、強度と時間がポイントとなります。
「カラダを柔らかくしたい!」という気持ちが強すぎて強く伸ばしてしまうと、カラダは過伸展を抑えようと働きかけるため、却って筋肉は硬くなってしまいます。そのため、心地良い伸び感が得られる強度で伸ばします。
また、心地良い強度で伸ばしたとしても、10秒程度伸ばしただけでは柔軟性を高めるには至りません!
伸ばし始めは、筋肉の長さとその変化を感知する「筋紡錘」というセンサーが優位に働いています。それが20秒を過ぎたあたりから、筋肉の緊張を感知する「腱紡錘」というもう一つのセンサーが優位に働くようになります。
腱紡錘は筋肉の緊張を緩めるように働きかけます。そのため柔軟性を高めるには、20~30秒間伸ばし続けるようにします。
3:リラックスした状態でストレッチを行うこと
筋肉の緊張を緩め、柔軟性を高める静的ストレッチを更に効果のあるものにするには、リラックスした状態で行うことが大切です。
そうすることで、柔軟性を高めるために必要な、副交感神経が優位に働くようになるからです。そのため、できるだけ静かなお部屋で、灯りも薄暗くするとよいでしょう。
もう一つ、「簡単にリラックス効果を高めるコツ」をお伝えしておきましょう。それは、仰向けに寝た状態でストレッチを行うことです。たったこれだけでも、リラックス効果をアップさせることができます!
ストレッチを行う際に留意すべき点
今回は「ストレッチでカラダを柔らかくする方法」をお伝えしてきました。この3つのポイントを踏まえてストレッチを行うことで、柔軟性を高めることができます!
最後に「ストレッチを行う際に留意すべき点」をお伝えしたいと思います。
ストレッチも筋トレと同様、一部分に対してではなく、全身の筋肉に対してバランス良く行うようにしましょう。一部分だけに偏ってストレッチしてしまうと、柔軟性のアンバランスを招き、カラダの歪みをもたらしてしまうからです。
そのため、「上半身を行ったら下半身も、前を伸ばしたら後ろも」というように、バランスを考慮しながら全身の筋肉をストレッチするようにしましょう。
以上をヒントに、早速ストレッチを実践してみてくださいね!