下半身を太くしてしまう「スクワット」のフォーム
「スクワットをすると太もも前面の筋肉に効いている」という方、そのままスクワットを続けていると、太ももが太くなってしまう可能性があります。なぜなら太もも前面の筋肉である「大腿四頭筋」は刺激を受けやすい上、肥大しやすい筋肉と言えるからです。
大腿四頭筋に効いてしまうという場合、スクワットを膝の曲げ伸ばし動作で行っている可能性が考えられます。膝の曲げ伸ばし動作でスクワットを行ってしまうと、大腿四頭筋への刺激が強くなり太ももが太くなりやすくなるだけでなく、下の写真のように膝がつま先よりも前に突き出てしまうため、膝への負担も大きくなってしまいます。
今すぐフォームを改善させておきましょう!
下半身痩せにつながる「スクワット」のフォーム
次にスクワットを下半身痩せ効果につなげるためには、どのようなフォームで行えばよいのかお伝えしましょう。
- 肩幅もしくは肩幅よりやや広めに足幅をとり、つま先をやや外側に向けるようにします。
- 両手を頭の後ろに組んで胸を張り、お尻を軽く後ろに突き出します。息を吸いながら股関節を曲げることでお尻をゆっくりと真下に下ろしていき(写真左)、息を吐きながら股関節を伸ばすことで立ち上がる(写真右)という動作を繰り返します。
股関節の曲げ伸ばし動作でスクワットを行うことで、お尻の筋肉である「大殿筋」と太もも裏側の筋肉である「ハムストリングス」に効かせることができます。
更に、足幅を肩幅よりも大きく広げて行う「ワイドスタンス・スクワット」は、内ももの筋肉を刺激するので、下半身痩せにより効果的と言えます。
膝の曲げ伸ばし動作でスクワットを行ってしまう理由
それではなぜ膝の曲げ伸ばし動作でスクワットを行ってしまうのでしょうか?
その理由の一つとして、股関節の動きが制限されていることが考えられます。股関節の曲げ伸ばし動作が制限されてしまうと、その動きを隣接する膝関節が代償してしまうのです。
そこで下半身痩せにつながるスクワットのフォームを身につけるには、まず股関節の動きの制限をクリアにするストレッチを行う必要があります。
股関節の動きを高めるために行っておきたい「2つのストレッチ」
スクワットを行う際、股関節の動きが制限されているということは、具体的には股関節を曲げる動作が制限されているということです。股関節を曲げる動作が制限されると、それを膝を曲げることで動作を代償してしまうのです。
股関節を曲げる動作を制限している筋肉は、股関節を伸ばす働きをする筋肉である「大殿筋」であることが考えられます。そのため股関節の動きを高めるストレッチとして、股関節を曲げる動作の制限をクリアにする「大殿筋への静的ストレッチ」と、「股関節を曲げる動作を高める動的ストレッチ」を行います。
(1)大殿筋への静的ストレッチ
- 仰向けの体勢から脚で「4の字」を作り、下になっている膝を立てます。
- 両手をその膝裏に回し、脚を胸に向かって引きつけることでお尻の筋肉である大殿筋がストレッチされます。
左右それぞれ、お尻の筋肉が心地よく伸ばされていることが感じられる強度で、20~30秒間伸ばし続けるようにしましょう。
もし余裕があれば、下の写真のように膝裏に回している両手を膝下に移してみましょう。
(2)股関節を曲げる動作を高める動的ストレッチ
四つん這いの体勢から背中を反らし(写真上)、そのままお尻をカカトの上までスライドさせていく動作(写真下)を10回繰り返します。
お尻がカカトに近づくと腰部が丸まりやすくなりますが、動作中は腰部が丸まらないように注意しましょう。
下半身痩せに効果的なスクワットのフォームを身につける方法
2つのストレッチを終えたら、股関節の曲げ伸ばし動作を意識してもう一度スクワットを行ってみましょう。
まずはイスを用意して、「イスを使ったスクワット」で股関節の曲げ伸ばし動作を学習させるとよいでしょう。
軽く後ろに突き出したお尻をイスに触れるまで下ろしていき(写真左)、イスに触れたら立ち上がるようにします(写真右)。
ここでのポイントはイスを置く位置で、左右の足を底辺とする正三角形をイメージし、その頂点となる部分にイスを置くようにします。
イスはできるだけ安定したもので、座面が柔らか過ぎないものがお勧めです。
ターゲットとなる筋肉に効いていない場合は、すぐにフォームの見直しを!
今回のスクワットのように、下半身痩せにも効果のあるエクササイズでも、フォームが不適切だと逆に下半身を太くしてしまうこともあるのです。そのため、以前にもお伝えしましたが、エクササイズはターゲットとなる筋肉に効いているかどうかを確かめながら行うようにすることが大切です。
ターゲットとなる筋肉に効いていない場合、フォームが不適切なものとなっている可能性があります。すぐにフォームを 見直すようにしましょう。