「下半身エクササイズ」が肩こり解消にも有効な理由
一見関係なさそうに思える「肩こり解消」と「下半身エクササイズ」ですが、それではなぜ下半身エクササイズは肩こり解消にも有効と言えるのでしょうか?
その理由は、下半身の筋力を強化することで筋肉によるポンプ作用がアップし、血流促進効果が期待できるからです。
筋肉には「力を発揮して運動を起こす」という働き以外にも、血液とリンパ液を押し流す「ポンプ作用」という働きがあります。特に下半身の筋肉は「第二の心臓」とも呼ばれ、脚に滞留した静脈血を心臓に送り出す働きもするのです。
筋肉のポンプ作用が弱まると、血液を十分に押し流すことができないため血行不良に陥ってしまい、肩こりを起こしやすくなると言えるのです。
トレーニングツールなしでもできる!肩こり解消にも効く「下半身エクササイズ」
それでは肩こり解消にお勧めな下半身エクササイズをご紹介していきましょう。
今回ご紹介するエクササイズも、トレーニングツールなしでもできるものです!
1. スクワット
- 肩幅もしくは肩幅よりも広めに足幅をとり、つま先はやや外側に向けます。
- 両手を頭の後ろに組んで肩甲骨を内側に寄せて胸を張り、お尻を軽く後ろに突き出して目線は正面に向けます。
- 息を吸いながら、後ろに軽く突き出したお尻を膝のラインよりもやや下に位置するまで下ろし(写真左)、息を吐きながら立ち上がる動作(写真右)を繰り返すことで、お尻の筋肉と太ももの筋肉に効かせることができます。
10回を1分程度の休憩を入れながら、3~5セット行いましょう。
ポイント
肩甲骨を内側に寄せて胸を前に突き出し、お尻を後ろに軽く突き出すことで、上体が前傾しお尻の筋肉に効かせることができます。
よくある間違い
上の写真のように、膝がつま先よりも前や内側に流れてしまっていませんか?そうすると、膝への負担が大きくなってしまい、膝を傷めてしまう可能性があります。
動作中は膝とつま先は同じ方向を向くようにし、また膝がつま先よりも前に突き出さないように注意しましょう。お尻を後ろに突き出すことを意識してみましょう。すると膝がつま先よりも前に出にくくなります!
2. カーフレイズ
- 腰幅程度に足幅をとり、つま先は正面に向けます。
- 息を吐きながらかかとをできるだけ高く上げて3秒間キープし(写真左)、息を吸いながらゆっくりとかかとを床スレスレまで下ろす動作(写真右)を繰り返すことで、ふくらはぎの筋肉に効かせることができます。
15~20回を1分程度の休憩を挟んで3セット行います。
ポイント
かかとをできるだけ高く上げるようにすることで、ふくらはぎの筋肉に効かせることができます。また、下ろす動作をゆっくりと、抵抗を受け止めるつもりで行うようにします。
よくある間違い
片方のつま先だけ内側もしくは外側を向いた状態で行ってしまうと、筋肉のバランスが悪くなってしまいます。左右のつま先が正面に向いているか確かめてから行うようにしましょう。
3. 有酸素運動
下半身エクササイズではないのですが、合わせて有酸素運動を行うとより効果的です。
有酸素運動とは酸素を利用してエネルギー供給が行われる運動のことで、心臓のポンプ作用によって血液が促進され、酸素を含んだ血液が身体の各組織へ送り届けられます。したがって血流促進効果があり、肩こり解消に繋がると言えます。
「ウォーキング」や「ジョギング」など、低強度でできる運動を20分程度行います。
ポイント
有酸素運動を行う際のポイントは運動強度です。息が乱れない程度で、「ちょっとキツい」と感じる運動強度で行うようにしましょう。
エクササイズを行う頻度
下半身エクササイズは、週2~3回を目安におこないましょう。有酸素運動に関しては、体調に差し支えなければ毎日行っても構いません。
ストレッチやエクササイズと合わせて行っておきたいこと
肩こり解消のために、ストレッチやエクササイズと合わせて行っておきたいことがあります。それは「湯船に浸かること」です。
38~40度程度のぬるめのお湯に10分間浸かるようにしましょう。すると血流を促進させることができる上、副交感神経が優位になりリラックス効果が得られるため、筋肉の緊張を緩めることができ、肩こり解消効果を後押しすることができます。
熱いお湯に浸かってしまうと、身体を芯から温めるには至らずに血行促進効果は得られないと言われます。また、交感神経が優位になってしまうため、リラックス効果は得られにくいと言えます。
エクササイズは無理をせず、ご自身の体調に合わせて行いましょう
今回は、肩周りのストレッチやエクササイズを行っても肩こり解消効果が見られない方にお勧めな下半身エクササイズをお伝えしました。
下半身エクササイズをすることで筋肉のポンプ作用がアップするので、血流が促進し、肩こり解消効果が期待できます。
エクササイズは無理をせず、ご自身の体力、その日のコンディションに合わせて行うようにしましょう。頑固な肩こりでお悩みの方、是非お試しください!