「肩こり」が起こる原因
ストレッチとエクササイズをご紹介する前に、肩こりが起こる原因について触れておきましょう。
肩こりの主な原因の一つに「猫背の姿勢」が挙げられます。人間の頭の重さは、全体重の約10%に相当すると言われています。例えば体重が50kgの人であれば、頭の重さは5kgに相当するということになります。
その5kgある頭の重さが、頭の位置がほんの数センチ前にずれるだけで倍以上に膨れ上がってしまうのです!
10kg以上の頭を、首まわりの筋肉が支え続けることになり、筋肉は緊張しっぱなしとなって血行不良を起こします。すると、酸素や栄養素が行き届かずに老廃物が蓄積してしまい、その結果「肩こり」が起こると言われています。
肩こり解消に効くお手軽ストレッチ
それでは肩こり解消にお勧めのストレッチをご紹介しましょう。
肩こり解消には、緊張しっぱなしで硬くなった「首の筋肉」と、肩こりの原因となる猫背の姿勢を引き起こしている「胸と肩前面の筋肉」の緊張をストレッチで緩めていきます。
ストレッチポールなどの特別なツールは不要です!いずれのストレッチも、おうちやオフィスで今すぐお手軽にできるものです!
1. 首の筋肉へのストレッチ1
- 右手を頭の後ろに当て、左腕はダラ~ンと下に下ろし肩を下げるようにします。
- 背すじを真っ直ぐに伸ばしたまま、頭を右に倒し、更に前に倒すことで左側の首の筋肉がストレッチされます。
- 右側も同じようにストレッチしていきます。
2. 首の筋肉へのストレッチ2
- 両手を頭の後ろに組んで肘を閉じて、背すじを真っ直ぐに伸ばしたまま頭を前に倒します。
- そこから上の写真のように時計回りに捻りを加えてもう一度背すじを真っ直ぐにすることで、左後方の首の筋肉をストレッチします。
- 次いで反時計回りに捻りを加えて背すじを真っ直ぐにすることで、右後方の首の筋肉をストレッチします。
3. 肩回しストレッチ
前回しを10回行ったら(写真上)、後ろ回しを10回行います(写真下)。肘で少しずつ大きな円を描くようにしましょう。
このストレッチを行うことで、肩周辺の血流を促進することができます。
4. 胸の筋肉へのストレッチ
- 肘と脇を90度に曲げ、肘を肩の高さまで上げます。
- 上の写真のように肘の内側を壁や柱に当てて、ストレッチする方の足を一歩前に出します。そこから身体を反対側へ向けることで胸の筋肉がストレッチされます。
5. 肩前面及び胸の筋肉へのストレッチ
- 座った状態でも立った状態でもどちらでも構いません。両手を腰の後ろに組みます。
- 両肘を斜め下に向かって伸ばしながら胸を斜め上に突き出すようにすることで(写真赤矢印参照)、肩前面及び胸の筋肉がストレッチされます。
ストレッチで柔軟性を獲得するポイント
心地よく筋肉が伸ばされていることが感じられる強度で、20~30秒間伸ばし続けるようにします。そうすることで筋肉の緊張を緩めて柔軟性を獲得することができます。
ストレッチを行う際の注意すべき点
1つは、反動や弾みをつけないようにしましょう。筋肉を伸ばし過ぎてしまい、筋肉を損傷させてしまう可能性があるからです。
もう一つは、いきなり強く伸ばそうとしないようにしましょう。筋肉は強く伸ばそうとすると、却って縮んでしまいます。すると、柔軟性を高めるどころか、筋肉を硬くしてしまいます。
柔軟性を高めるには、心地よい伸び感で、段階的に、少しずつ強度を上げていくようにしましょう。
肩こり解消に効くエクササイズ
猫背の姿勢になると、背骨の上部である胸椎が強く後弯し肩甲骨が外に開いた状態になります。すると肩前面や胸の筋肉の強い緊張と、肩甲骨を内側に寄せる筋肉である肩甲骨内転筋群の筋力低下をもたらします。
そこで、肩前面と胸の筋肉のストレッチと合わせて、肩甲骨内転筋群を強化する「肩甲骨内転筋エクササイズ」を行います。
肩甲骨内転筋エクササイズ
- うつぶせになり両腕を肩のラインに伸ばし、親指側を天井に向けます。そうすることで、肩への負担を少なくすることができます。
- 胸を床から離し、息を吸いながら肩甲骨を内側に寄せる動作で両腕を上に上げていき3秒間キープし(写真上)、息を吐きながら床スレスレまで両腕を下ろしていきます(写真下)。
15~20回を1分間の休憩を入れながら3セット行いましょう。
よくある間違い
このエクササイズでよくある間違いが、「上体反らし」のように背中を大きく反らせてしまっていることです。すると肩甲骨の内側の筋肉ではなく、脊柱起立筋(背骨に沿って走行している背筋)に効いてしまいます。また、腰椎への負担が大きくなってしまい、腰痛のリスクも高くなってしまいます。
ミゾオチから上、すなわち胸の部分だけを床から離すようにしましょう。
肩甲骨の内側の筋肉に効かない場合
「肩甲骨の内側の筋肉に効かない…」という場合、腕の動きだけで両腕を上げていませんか?両腕を高く上げようとすると、肩甲骨ではなく腕の動きで両腕を上げてしまいます。あくまでも肩甲骨を内側に寄せる動きで両腕を上げるようにしましょう。
辛い肩こり解消のために早速ストレッチとエクササイズにトライ!
今回は肩こり解消に効果的なストレッチとエクササイズをご紹介しました。
これだけでも十分肩こり解消効果は見込めます!肩こりでお困りの方、是非今すぐトライしてみてください!