野菜の皮に栄養があるって本当!?
最近、野菜の皮は剥かずに利用するという人が増えていますよね。
野菜の皮を剥かない理由は、
- ゴミが出るのを減らすことができる
- 皮を剥くのが面倒
などが挙げられます。
その他、「皮に栄養がある」とよく言われていますよね。実際、栄養はあるのでしょうか?
(例)人参の場合
人参にはβカロテンという抗酸化作用のある栄養素が含まれています。皮付き・皮なしの量を比較してみましょう。
- 根皮付き生 6900μg
- 根皮むき生 6700μg
いかがでしょうか?200μgほど、皮付きのほうがβカロテンの量は多いですね。
この量を「栄養が多い」と捉えるかどうかは、人によって異なります。したがって、一概に皮を剥かない方が良い、とは言い切れません。
皮がついていると食感が苦手であったり、味にクセを感じるという人は、わざわざ皮つきにしなくても良いでしょう。
後述しますが、その他、野菜の皮にはファイトケミカルなども豊富です。栄養素やファイトケミカルなどを少しでも無駄なく摂取したいという人は、皮まで食べるのも良いでしょう。
このように、皮を剥く・剥かないは、その人の好みや思考によって変わります。野菜によって皮を剥く・剥かないを決めてみても良いのではないでしょうか。どちらが良い、と決める必要はないでしょう。
今回は、皮を剥かずに食べると、より栄養素が摂取できる野菜についてご紹介します。
皮に栄養があるのはなぜ?
そもそも、なぜ皮の部分に栄養が集まるのでしょうか?
外側にある皮は、日光を浴びて光合成をして栄養分を作り出します。さらに、野菜や果物は紫外線から身を守るために、皮のような外側にも栄養が集まるのです。
人参や大根など、土に埋まっている野菜は日光に当たることがありませんが、葉の部分に栄養を届けようとするため、その際に外側にある皮にも栄養が届くといわれています。
皮にはファイトケミカルが豊富?ファイトケミカルのはたらきとは
ファイトケミカルとは、「第7の栄養素」とも呼ばれていて、体に必須な栄養素ではありませんが、健康維持には摂取したい成分です。野菜の皮に豊富に含まれています。
野菜や果物などの植物は自分で動くことができません。そのため、虫や毒・敵から身を守るためにネバネバした成分や辛味、色素などで守るように工夫されています。抗酸化作用のあるポリフェノールも、ファイトケミカルの一種です。
ファイトケミカルのはたらき
最も期待されているのは、抗酸化力。人は活動する時に酸素を使いますが、体に取り込まれた酸素の一部は活性酸素やフリーラジカルになります。活性酸素やフリーラジカルは、老化の原因といわれているため、美容や健康には大敵。
ファイトケミカルは抗酸化作用が強いため、アンチエイジングが期待されています。
皮を剥かない方が良い野菜とは?どんな野菜がある?
◎皮を剥かない方が栄養がある野菜
人参、かぶ、大根、ごぼう など
かぶ
かぶに含まれるカリウムは、塩分の摂りすぎを調節し、むくみ予防に良いといわれています。皮を剥いた場合、カリウムは1190mg、剥かない場合1400mgとなっています。
薄くスライスして浅漬けにすると、皮も気にせず食べることができます。
大根
大根は、皮を剥いても剥かなくても主要な栄養素にあまり差はありません。
カルシウムや葉酸、ビタミンCは皮付きのほうが多く含まれています。皮を剥いた場合、ビタミンCは61mg、剥かない場合66.6mgとなっています。
大根は生で食べられる大根おろしがおすすめ。熱に弱い酵素類も摂取できるからです。しかし、おろしたてに比べて20分後にはビタミンCは約80%も減少してしまうので、食べる直前にすりおろすようにしましょう。
ごぼう
ごぼうの皮にはサポニンというポリフェノール成分が含まれており、血流改善やアンチエイジング効果が期待できます。
土や泥が気になる場合、アルミホイルを丸めたものや、たわしで少しこすって洗うと良いでしょう。
野菜の皮の農薬が気になる?
皮を剥かない場合、農薬が気になる…という人も多いようですが、日本における残留農薬の基準は厳しく設定されているため、気にしすぎることはないと考えられています。
しかし、皮についている農薬は少しでも減らしたいものですよね。そこで、皮まで食べたいけれど農薬が気になる、という人への対処法をご紹介します。
野菜の皮の農薬が気になる場合の対処法
1. 流水で洗う
コストをかけず、手軽にできますよね。例えばほうれん草などの葉物野菜は、葉を一枚一枚しっかり洗うと良いでしょう。
2. 専用洗剤で洗う
さまざまなメーカーで、野菜を洗う用の洗剤が販売されています。流水で洗うだけでは不安、という人は使用してみてはいかがでしょうか。
3. 重曹で洗う
水1.5リットルに対して重曹大さじ1杯を入れたものにリンゴを10~15分ほど浸け置きすると、リンゴの皮から残留農薬がほぼ100%除去できたという報告があります。
しかし、10~15分という時間は家庭で調理する時には手間なこと、ビタミンが流出してしまうことなどを考慮すると、1分ほど浸け置きするだけでも良いでしょう。
その後は、水で洗い流すようにしましょう。
4. 酢水で洗う
酢:水を3:1にしたもので野菜を洗い、水で洗い流します。酢には殺菌効果や防腐効果があるため、食中毒の予防にも◎。
果物を酢水で洗うと変色する可能性があるため、野菜に利用してみてくださいね。
残留農薬が気になる人は、以上の方法を試してみてくださいね。
野菜の種類によって皮を剥かずに食べる、という方法も良いかもしれません。気になった人は、ぜひ参考に調理してみてくださいね。