カフェインには「無水カフェイン」と「カフェイン」がある?違いは何?
コーヒー、緑茶、カカオなどにカフェインは含まれているのは有名ですよね。それらに含まれているカフェインは、水分子と結びついています。
無水カフェインについて
無水カフェインとは、名前の通り、水分は含まれていません。コーヒーなどに含まれるカフェインの成分を、人工的に抽出しているためです。
錠剤や、顆粒、液体などの形に加工しやすいため、風邪薬や栄養ドリンクにも使われています。
依存性・副作用が強くなるのはなぜ?
通常のカフェインよりも凝縮されているので、少量でカフェインの効果があります。したがって、その分、依存症や副作用も発症しやすいです。
さらに、通常のカフェインよりも体内に吸収されやすいため、より依存症や副作用に注意が必要です。
無水カフェインの効果や副作用とは?
カフェインと無水カフェインの作用は、ほぼ同じといえます。
よく、カフェインを摂取すると脳が興奮する、といいますよね。カフェインは、「アデノシン」という物質と構造が似ていますが、アデノシンは神経を落ち着かせる作用があります。構造が似ているために、本来アデノシンが結合する場所にカフェインがとりついてしまい、アデノシンのはたらきを邪魔し、その結果、神経が興奮します。
カフェインによる体の症状
カフェインの作用として、
- めまい・心拍数の増加・興奮・不安感・不眠・覚醒作用
- 利尿作用・震え・下痢・吐き気・鎮静作用
などがあります。風邪薬に無水カフェインが入っているのは、鎮静作用があるためですね。
長期的にカフェインを摂取すると、高血圧のリスクを上げるともいわれています。眠気覚ましには効きますが、摂りすぎには要注意ですね。
栄養ドリンクの飲み過ぎはなぜ危険?
注意点1
栄養ドリンクは100ml前後のものが多く、無水カフェインは約50mg含まれていることが多いです。このカフェインの量は、インスタントのコーヒーだと約150mlに相当します。
つまり、栄養ドリンク1本でコーヒー3杯分のカフェインを摂取していることと同じなのです。仮に、栄養ドリンクを1日2本飲んだ場合は、なんとコーヒー6杯分にもなります。
無水カフェインは、栄養ドリンクやエナジードリンクに含まれていて手軽にとれますが、その分、カフェイン依存も強まってしまいます。
注意点2
市販されている栄養ドリンクの多くは、記載されているカフェインの量が「100mlあたり」であることも少なくありません。
その栄養ドリンクが100mlであれば、カフェインも記載されている量になりますが、仮にドリンクが200mlだとすれば、カフェインの量も2倍。記載されている成分が、何ml中なのかを、よく見るようにしましょう。
農林水産省や厚生労働省からも、カフェインの過剰摂取について注意勧告されています。いずれにしても、1日に何本も飲むことは避けたほうが良いでしょう。
栄養ドリンクとエナジードリンクは違う!?
よく似た2つですが、実はまったく違うものです。
- 栄養ドリンク:「医薬部外品」で、成分の表示が義務づけられている
- エナジードリンク:「清涼飲料水」に分類されていて、カフェインの量を表示する義務はない
このように、エナジードリンクはカフェイン表示の義務がないため、要注意です。
カフェインはどれくらい摂っても良いもの?
医薬品の場合は、1回200mgまで、1日500mgまでとされています。飲料水のカフェインについては、設定されていません。
米国では、健康な大人では、1日400mgまでであれば、カフェインによる心血管疾患などのリスクは増加しない、としています。カナダやニュージーランドでは、子どもに対してもカフェイン摂取量を設定しています。
外国では、小さな子どももコーラなどカフェインを含む飲料を飲む機会が多いためと考えられますが、近年、日本でも食の多様化が進んでいるので、注意は必要です。
カフェインの半減期
カフェインが体内で代謝されて半減する期間は、約5時間です。快適に睡眠をとりたい場合は、最低でも寝る前の5時間以内にカフェインを摂るのは避けたほうが良いですね。
カフェイン依存の状態になってしまうと、一度カフェインをやめてから約半日~1日で禁断症状がでます。
まとめ
栄養ドリンクやエナジードリンクには無水カフェインが含まれていることが多く、場合によってはコーヒーのカフェインの数倍の量であることも。それだけカフェインの依存性や副作用も高まるので、1日に何本も飲むことは避けましょう。
また、成分表示は「100mlあたり」で表示されている場合も多いので、注意して確認するようにしましょう。