ダイエット開始を決意して、がんばった食事制限!その結果、目標体重に達し、体もすっきりしていい気分ですね。
ところが、健康診断の結果、体重は減っているのに、コレステロール値が上がっていた!なんてことがあるのです。その原因は何でしょうか?
コレステロールってなあに?
コレステロールとは、脂質の一種で、血液中だけではなく、脳や内臓、筋肉、脂肪細胞など全身に存在しています。
人間は、体内で必要なコレステロールを2/3生成し、残り1/3を食物から摂取しています。
<コレステロールの役割>
胆汁酸の生成・細胞膜の原料・ビタミンDの合成・副腎皮質ホルモンの材料。
<善玉コレステロール・悪玉コレステロール>
コレステロールには、善玉コレステロール(HDL)と悪玉コレステロール(LDL)があります。
脂質の一つであるコレステロールは、そのままの状態では、血液中に溶けません。そこで、リポタンパクという物質に包まれます。そのリポタンパクの種類が、善玉コレステロールと悪玉コレステロールなのです。
- 善玉コレステロール:体内の余分なコレステロールを肝臓に回収する働き
- 悪玉コレステロール:血管を通して、全身にコレステロールを運ぶ働き
どちらも大切な働きを持っているため、体にとって必要なものですが、コレステロールが増えすぎてしまうと、健康を害することがあります。
コレステロールが増えると、血管壁に沈着します。これによって血管が細くなったり、切れやすくなることで、動脈硬化になりやすいです。動脈硬化が進むと、心筋梗塞や、脳卒中、脳梗塞のリスクが高まります。
血液中のコレステロールが高くなる症状を、脂質異常症と言います。
ダイエットとコレステロールの関係
では、ダイエットとコレステロールにはどのような関係があるのでしょうか?それは食事の食べ方によるものです。
ダイエットをする際に、摂取エネルギーを減らすために、主食などを抜いて炭水化物を減らした食事をする方も多くおられるかと思います。炭水化物は、エネルギー源なので、毎食食べていた米を控えるなどしてダイエットをすると、体重は減りやすくなりますね。
ところが、極端に減らした食事を継続すると、空腹感が強くなってしまいます。注意が必要となるのは、その空腹の時に、おかずや菓子類を食べ過ぎてしまうことです。お肉や卵、油もの、菓子類などを食べ過ぎてしまうと、コレステロールが上がりやすくなってしまいます。
炭水化物も必要量摂取しながら、空腹感は、野菜やきのこ類、海藻類で満たすと良いですね。
コレステロールと食事
コレステロールが高めの方は、1日に摂取するコレステロールを300mg以下にすると良いと言われています。
<コレステロールを多く含む食品>
- 卵黄(1個):286mg
- うなぎ(100g):240mg
- いくら(30g):144mg
- しらす干し(大さじ1):12.5mg
- たらこ(30g):105mg
- バター(大さじ1):31.5mg
上記の食品は食べ過ぎに特に注意しましょう。
<高コレステロールを防ぐ食品>
魚類
魚にはコレステロールを低下させるEPA(エイコサペンタエン酸)や、DHA(ドコサヘキサエン酸)が多く含まれています。
※鮮度の落ちた魚は酸化を進めてしまうので、新鮮な魚を選びましょう。
食物繊維
特に海藻やこんにゃく、果物などに含まれる水溶性食物繊維は、コレステロールを腸で吸着して、体外へ排出してくれます。
ビタミン
ビタミンCやビタミンEには、コレステロールの酸化を防ぐ働きがあります。ビタミンB2には過酸化物質を分解する作用があります。
植物油
植物油は、善玉コレステロールを増やす不溶和脂肪酸を多く含んでいます。
高コレステロール予防のポイント
<調理方法>
グリルや網焼きで素材の脂を落としたり、しゃぶしゃぶのように湯通しして余分な脂を落とす方法も一つです。
蒸したり、電子レンジを活用して、油を使わずに火を通すのもおすすめです。
※焼いたり炒めたりする場合は、油をほとんど使用しなくてすむ、フッ素加工のフライパンを使いましょう。
<お肉は部位に注意>
バラ肉やロース肉、ベーコンやソーセージなどの加工品より、ヒレ肉やモモ肉、ささみなどを選びましょう。
また鶏肉の皮や脂身が多い場合は、取り除いてから使用しましょう。
<間食について>
食事制限をしていると間食を摂りたくなりますよね。身近なお菓子類には、コレステロールを上げやすい食品が含まれていることが多いです。
ホイップクリームを多く使用したケーキ、バターを多く使用した菓子パン、チョコレートなどに注意が必要です。
いかがでしたか?
短期間で無理な食事制限をして体重が減り、理想の体型を手に入れることができたとしても、病気のリスクが高まっていたら本末転倒ですね。
ダイエットをする時は、必要な食事量を維持しながら、不要な食品を摂りすぎないようにすることが大切ですね。