卵が「摂りすぎ注意」といわれていた理由は?
卵のコレステロールは多い?
卵1個(Mサイズ)につき、コレステロールは280mg含まれています。たらこ1/2腹(約25g)で88mg、焼き鶏のレバー1串(約30g)で約110mgなので、確かに卵のコレステロールは多いといえますね。
卵といえば、「コレステロールが多い」と、良くない面が取り上げられがちですよね。ダイエット中、炭水化物を減らすかわりに卵を1日に何個も食べる人や、卵に含まれる栄養素に着目するのは良いですが、卵ばかり食べる人もいます。
そういったことが原因で、「卵の食べ過ぎは良くない」と見聞きすることが増えたのかもしれません。
卵に含まれる栄養素
卵には、魅力的な栄養素が豊富に含まれています。ビタミンCと食物繊維以外は含まれているので、「完全栄養食」といわれることも。
コリン
卵黄に含まれている脂質です。脳を活性化させ、認知症の予防・改善に良いといわれています。
数ある食品の中でも、卵のコリンは特に脳に吸収されやすい、といわれています。記憶力アップにも良いといわれているので、勉強盛りの子どもにも◎。
メチオニン
アミノ酸の一種で、体内では作ることができないため、食事から摂る必要があります。
アルコールは肝臓で分解されますが、その際に必要になる成分です。二日酔いに卵はおすすめです。
ビオチン
皮膚や髪をきれいに保つ作用があります。美肌・抜け毛対策もできるとは、嬉しいポイント◎。
さらに、コレステロールの代謝をよくする作用もあります。
リゾチーム
卵白に含まれていて、細菌を卵の内部に侵入させないよう、溶菌作用があります。
風邪薬に「塩化リゾチーム」という成分が入っていることがあります。なんと、卵白から特殊な技術で取り出された成分なのです。医療にも使われるとは、すごいですよね!
免疫力を高めるため、「風邪予防に卵」と覚えておきましょう!
1日に摂るコレステロールの上限値がなくなった!?食べていいわけではないって本当?
厚生労働省の食事摂取基準では、1日に摂るコレステロールの上限は300mgと設定されていました。しかし、2015年に発表された新しい食事摂取基準では、上限値はなくなっています。
根拠がなかったため、上限値がなくなった?
上限値がなくなった、というと、「どれだけ摂ってもOK!」と思われがちです。
ですが、今回、上限値が設定されなかったのは、
- コレステロールは体内で合成できるため、食事から摂るコレステロールの影響が少ないと考えられる
- 上限値を決める科学的根拠が少ない
という理由です。
食事からの影響が少ない、というだけで影響はゼロではないこと、根拠がなかったために上限を設定できなかった、とも捉えられます。
コレステロールはどれくらい体内で合成されている?
肝臓でコレステロールはつくられます。コレステロールの約9割は、体内でつくられており、残りが食事から摂る分です。確かに、体内でつくられる比率が圧倒的に多いですよね。
また、食事でたくさんコレステロールを摂ると、体内での合成量は少なくなり、常に一定の量に調整されています。
これからまた変わる可能性も
今後、食事のコレステロールが血中コレステロール値におよぼす影響について、はっきりとした根拠が分かった場合、食事摂取基準におけるコレステロール基準値は変わる可能性もあります。
常に、最新の情報をみておく必要がありますね!
医師から制限等がない場合、1日に1~2個がベスト!
コレステロールが高い家系の人は、遺伝素因もあるので、食べ過ぎには注意しておきましょう。
また、年齢とともに、どうしても血中コレステロールはあがる傾向にあります。
コレステロールが気になるなら、水溶性食物繊維をとろう!
水溶性食物繊維には、体の中の余分なコレステロールを吸着して、体の外に出すはたらきがあります。
どんな食品に多いかというと、
- フルーツ(熟したもの)
- わかめ、昆布などの海藻類
- しいたけ、舞茸、しめじなどのきのこ類
などです。
卵だけでなく、コレステロールが気になる場合は、今から対策として水溶性食物繊維を摂っていきましょう!
まとめ
卵は、何かと「コレステロールが多い」といわれがちですが、他にもコレステロールが多い食品は沢山あります。
卵には美容や健康に魅力的な栄養素がたっぷり含まれています。とはいうものの、食べ過ぎには要注意。1日に3個も4個も食べることは避けたほうが良いでしょう。
何にでも、「適度」があることを理解して、楽しく食事ができるのが理想的ですね!