自分の肌が敏感肌だと考える女性が増えていると言われる今。普段はトラブルなく過ごしていても、季節の変わり目や生理前になると肌がゆらぎやすいと感じている人も多いのではないでしょうか。
敏感肌は普通肌に比べ、エイジングサインが現れるのが早いと言われています。ここでは植物の穏やかなパワーで敏感肌を保湿し、エイジングケアもできるホホバオイルの魅力についてお話ししていきます。
ホホバオイルとは
ホホバとはナデシコ目、シモンジア科に分類される常緑低木。メキシコには自生していますが、最近ではアメリカやイスラエルでも栽培されるようになってきました。
ホホバオイルは、このホホバという植物の種子から採取されるオイルのこと。
植物性で保湿機能や安定性も高く、色はほぼ透明で、香りもほぼないなどの理由で化粧品や入浴剤などにも幅広く使用されています。
ホホバオイルの特徴
植物性なのに、天然の皮脂に似た油分
敏感肌は乾燥などがきっかけで肌のバリア機能が低下し、外からの刺激に弱くなっている状態。バリア機能を維持するためには、以下の3つがバランスよく保たれている必要があります。
- 細胞間脂質であるセラミド
- アミノ酸が主成分である天然保湿因子NMF(Natural Moisturizing Factor)
- 皮脂
敏感肌の方は、この3つのバランスが崩れている可能性が大。なかでも皮脂膜は「天然の美容液」とも呼ばれる要素。でも洗いすぎや加齢などによって減ってしまうこともあるのです。
ホホバオイルには、この天然の皮脂を構成する成分である「ワックスエステル」が豊富に含まれています。
ワックスエステルが含まれる植物性オイルはホホバオイルだけ!
植物性オイルの中で、このワックスエステルが含まれているのはホホバオイルのみ。動物性のオイルではクジラの油や深海魚から採れるオイルに含まれていますが、これらは手に入れにくい、臭いがあるといったデメリットがあるため、ホホバオイルに注目が集まっているのです。
また、ホホバオイルには天然保湿因子であるアミノ酸も含まれています。ホホバオイルで肌のバリア機能を正常な状態に維持できれば、肌本来の力が高まり、敏感肌を克服することにもつながるでしょう。
ビタミンやアミノ酸が豊富でエイジングケアに最適!
ホホバオイルには、ビタミンA、ビタミンD、天然トコフェロール(ビタミンE)といった、肌の新陳代謝(ターンオーバー)に欠かせないビタミンが含まれています。
肌の新陳代謝がスムーズになれば、肌の再生が促されます。シミやしわ、たるみといったエイジングサインを遠ざけるのにも役立ってくれるでしょう。
反バクテリア効果でパワフルな美肌に
健康で美しい肌は、常在菌のバランスが保たれています。美肌を保つのに役立つのは善玉菌である表皮ブドウ球菌。一方、同じ常在菌のひとつである黄色ブドウ球菌は、増殖しすぎるとアトピー性皮膚炎をはじめとするトラブルの原因になってしまいます。
未精製のホホバオイルには、肌荒れの原因となる黄色ブドウ球菌などのバクテリアのはたらきを抑える作用があるという報告もあります。
肌トラブルに悩まされがちな人に
バクテリアが原因となるトラブルには、かゆみを伴う肌荒れやニキビ、吹き出物などがあります。トラブルが起こりやすい季節の変わり目や生理前は、バリア機能の低下とバクテリアの繁殖が同時に起きている可能性があるのです。
バクテリアの繁殖を抑えながら、バリア機能を維持してくれる効果が期待できるホホバオイルを使うことで、トラブルに強いパワフルな美肌に近づくことができるでしょう。
安定性が高く、変質しにくい
美容オイルの中には有効成分を多く含んでいるものの、安定性が低く、酸化・変質しやすいものがあります。
一方、ホホバオイルは高温でも変質しにくく、腐りにくいオイルとして知られています。オーガニック化粧品やナチュラルコスメのなかには、ホホバオイルを防腐剤の代わりに使用しているものもあるほどです。
酸化したオイルは過酸化脂質という物質を作りだし、シミの素となったり、肌荒れを起こしたりする恐れがあります。美容オイルの臭いが変わったなと思ったら、使うのをやめるようにしたいもの。
とはいえ、一回の使用量が少ない場合、使い切れずに無駄にしてしまうこともあるかもしれません。高い美容オイルを使いきれずに捨てるのはもったいないですよね。酸化しにくいホホバオイルなら、肌にも安心、かつ無駄にすることなく使い切れるのではないでしょうか。
ホホバオイルの選び方
ホホバオイルは低温圧搾されたものを
ビタミンが豊富でバクテリアの働きを抑える作用も期待できるホホバオイルですが、どんなものでもいいというわけではありません。大切なのはコールドプレス(低温圧搾)されたものを選ぶということ。
価格の安いホホバオイルは透明でサラサラであることが多いのですが、これは高圧で熱を加えて精製されているから。そのため、ビタミンなどが壊れてしまい、本来の効果が損なわれてしまっていると考えられるのです。
鮮やかな黄色い色が低温圧搾の目印
高温で精製するのは、臭いや色をなくし、低温でも固まらないようにするため。化粧品や入浴剤の原料などに使われるときは、臭いや色がない方が使いやすいため、精製されたものが使われていることがほとんどです。
ドラッグストアやバラエティショップなどで売られている透明のホホバオイルも同様で、肌への刺激が少なく保湿効果が高いものの、積極的なエイジングケア効果や反バクテリア効果は低いと考えらます。
美容オイルとしてホホバオイルを選ぶときには、是非、本来の鮮やかな黄色い色をしたものを選んでみてください!
ホホバオイルの使い方
化粧水の後に
お風呂上りや洗顔後、肌にまだ水分が残っているうちにホホバオイルを3、4滴手に取り、手のひらで伸ばして温めてから、肌に優しく伸ばしていきます。ゴシゴシこすらないようにするのがポイント。
化粧水のあとでホホバオルを使用することで、その後に使う乳液やクリームの密着度を高めてくれます。べたつきが気になるという方は、普段使っている乳液やクリームに1、2滴混ぜて使ってみてください。肌が潤いのヴェールで優しく包まれたような安心感が得られるはずです。
オイルパックとして
肌が敏感になっているときは、過剰なお手入れは禁物。とはいえしっかり保湿しなければバリア機能が維持できません。そんなときはホホバオイルの保湿効果をより高めてくれるオイルパックがおすすめです。
お風呂でのオイルパック
お風呂でクレンジングや洗顔を行った後、ホホバオイルを3、4滴手に取って、肌に優しく伸ばしていきます。そのまま湯船に10分ほど浸かってから、さっとぬるま湯で流しタオルでふき取りましょう。毛穴の汚れが気になるときには、10分お風呂につかった後、洗顔料を使って洗顔します。
蒸しタオルを使った簡単オイルパック
洗顔後、ホホバオイルを肌に伸ばします。適度に冷ました蒸しタオルをのせて5分ほど放置。その後、肌に水分が残っているうちに化粧水をつけて完了です。
ボディオイルとして
お風呂やシャワーの後、肌の水分を拭き取る前にホホバオイルを数滴手にとってなじませていきます。
濡れた肌に使用することでオイルの伸びがよくなり、少量でも肌をしっかり保湿。オイルがベールとなってくれるため、お肌の水分が蒸発するのを防いでくれる効果も期待できます。
続けているうちに、全身の肌が潤い、キメが整っていくのを実感できるでしょう。
ホホバオイルの魅力・まとめ
敏感肌を克服するためには、肌をしっかりと保湿することが大切。刺激が少なく、天然の皮脂と同じ成分であるワックスエステルやビタミンが豊富に含まれているホホバオイルなら、ゆらぎがちな肌もしっかりと潤してくれます。
また、ホホバオイルには、抗酸化ビタミンやアミノ酸も豊富に含まれているため、エイジングケアとしても最適です。敏感肌でなかなか肌に合う化粧品が見つからないという方は、一度、未精製のホホバオイルを試してみてはいかがでしょうか?