VRコンテンツを操作する方法として、ハンドトラッキングコントローラーがある。複雑なゲームのコントロールを考えて設計されたゲームパッドによる操作に比べると細かな動きが難しい面もあるが、VR空間への没入感を一気に高めてくれるアイテムだ。
手をトラッキングするだけでもVR体験がこれほど深まるのなら、指の動きまでトラッキングできればさらに一歩進んだVR体験が実現するに違いない。
Facebookも手袋型のコントローラーの開発を進めているというし、Leap Motionのハンドトラッキング技術を使えばモバイルVRヘッドセットでも指の動きまでトラッキングできるようだ。ハンドトラッキングの次はフィンガートラッキングの時代である。
FacebookやLeap Motionのような大企業以外にも、指の動きをトラッキングすることを目指している企業がある。彼らのグローブ型コントローラーは完全なトラッキングができるだけでなく、物体に触れた感覚まで再現してくれるという。
VRgluvの機能
VRgluvはメカニカルな手袋、あるいはグローブのような形状をしたVRのコントローラーだ。コントローラーであると同時に触覚フィードバックを返す機能も持っており、VR空間での動作に合わせたフィードバックが得られる。
手と指のトラッキング
入力機器としてのVRgluvは、精度の高いトラッキングが可能なフィンガートラッキングコントローラーである。手と指の動きを高い精度でトラッキングし、VR空間の手とプレイヤーの手が同じものだと感じさせる。
トラッキング性能の高さによってゲーム内での複雑な動作が可能になり、体験もより深いものになるだろう。公式サイトで公開されている動画を見る限りでは遅延もほとんどなく、安定したトラッキングが実現されている。
握る力の入力
VRgluvは、指が伸びているか曲がっているかを入力するだけの装置ではない。どの程度の力がかかっているかを測定することもできる。
これにより、軽くつまむ、普通に握る、力を入れて握りしめるといった動作の区別も可能だ。画面内の手を動かしているという感覚を脱して、実際にVR空間で手を動かしている感覚を作り出すためには重要なポイントだ。
これまでのコントローラーにはない機能である。
VRオブジェクトからのフィードバック
VRgluvを付けてVR空間のオブジェクトを掴むと、VRgluvがその物体の形を再現してくれるという。直接触れないLeap Motionのトラッキングなどでは不可能な、VRgluvならではの機能だ。
この機能は動画では分かりにくいが、ボールを掴んだらボールの形に、バットを掴んだらバットの形に合わせてVRgluvが固定されるのではないだろうか。指を動かすのに必要な力を変化させることで、握っている感覚を再現するものだと思われる。
フィードバックが無ければ、VRでオブジェクトに触れると現実では「空振り」をすることになってしまう。この機能によって、そんな違和感も小さくなるに違いない。文字通りバーチャルに触れることが可能になりそうだ。
扱いやすいハードウェア
VRgluvは手にはめて使うため、ユーザの手の大きさに合わせて調節が可能になっている。ケーブルなどは無く、重量もゲームを遊ぶときに邪魔にならないように軽量化されているようだ。
全てのハイエンドVRヘッドセットと互換性があり、本体に取り付けるコントローラーを交換すれば数秒で他のVRシステム用になるという。
公式サイトではVive Trackerの他にViveワンドとOculus Touchを接続している画像がある。HTC ViveとOculusRiftに対応しているようだが、PSVRはハイエンドVRヘッドセットに含まれていないのではないかと思われる。
Vive Trackerが使えるなら、DaydreamのようなモバイルVRシステムでも使えそうではある。このあたりは公式対応だけでなく、独自に拡張する開発者たちに期待しよう。
ソフトウェア開発のサポート
デベロッパーがVRコンテンツをVRgluv対応にするために、SDKやツールが提供される。UnityとUnreal Engine用のSDKがあり、他の開発ツールとの併用も可能なので使い慣れた環境で対応コンテンツの開発を行える。
魅力的な対応タイトルがなければ、いくら優れたハードウェアでも宝の持ち腐れになってしまう。デベロッパー向けのツールが充実していることは、ユーザにとってもプラスになる。
現在のVRgluv
他のフィンガートラッキングシステムにはない、オブジェクトに応じたフィードバックと加える力の入力を備えたVRgluv。まだこの製品を購入することはできない。
メールアドレスを登録しておけば最新情報が受け取れるので、見逃すことがないだろう。さらに予約開始時には20ドルの割引が得られるようなので、購入を考えているならば登録しておいて損はない。
VRgluvの共同設立者であるSteven Fullertonは、VR and Funに対して「VRgluvの最も重要な点は手頃な価格だ」とコメントしている。また、来週には重大な発表が控えているという。公式サイトのトップに2017年4月の文字があるのも気になる。
ハイテク技術を詰め込んだこのデバイス、どの程度の価格で発売されるのだろうか?
参照元サイト名:VRgluv
URL:https://www.vrgluv.com/
参照元サイト名:VR and Fun
URL:https://www.vrandfun.com/vrgluv-brings-1st-force-feedback-haptic-glove-to-vr/
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