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傾きで入力するキーボードがVRでのタイピングを変える?


SWiM


文字入力の方法と言えば、パソコンからならキーボードを使うのが一般的だ。スマートフォンには物理キーボードが無いため、よくソフトウェアキーボードが使われる。フリック入力やジェスチャ入力・手書き入力という方法もあり、最近では音声入力の認識精度も悪くない。


様々な方法から好みのものを選べば良いのだが、こういった入力方法のほとんどは手と指を自由に使えることを前提としている。


VRヘッドセットを付けた状態では、キーボードが見えない。タッチタイピングができるとしても、ハンドトラッキングコントローラーを握ったままではタイプできない。そんなVR体験中の文字入力を楽にしてくれるかもしれない方法が研究されている。


傾きで入力する


タイプライターのキー


ボタンを押そうとするから、指での操作が必要になる。それならば、端末の傾きを利用して入力すれば良いのではないか。そう考えたのがセントアンドリュース大学の大学院生、Hui-Shyong Yeoたちのグループだ。


彼らが用意した入力方式は、ファブレット(大型のスマートフォン)やタブレットのユーザを想定している。5~6インチもある大型のスマートフォンになると、片手で端末を握ったときに画面の端まで指が届くユーザはまれだ。そこで、端末に内蔵された傾き検知のセンサーを利用する。


この方法ならば指を動かす必要がなく、端末を落としてしまうことも少なくなるという。


研究者たちは、この入力方式をSWiM(Shape Writing in Motionの略)と呼んでいる。入力の基本はSwypeに似ている。Swypeのユーザは指で必要な文字の上をなぞることで単語を入力できる。だが、SWiMならばなぞる必要はない。


SWiMに必要なのは手首を動かすことだけだ。端末を傾けて、単語に必要となる文字をピックアップする。


Swypeの入力


Swypeのイメージ

COOLと入力する


Swypeを使ったことがないユーザには入力方法のイメージがつきにくいだろう。Swypeでは、単語を入力するときに正確にキーを押す必要はない。上の画像では、C→(V→H)→J→(K)→O→Lあたりを指でなぞって”COOL”という単語を入力している。


ユーザの操作から、入力しようとしている単語を予測してくれるのが特徴だ。世界72の言語に対応しており、もちろん日本語にも対応している。しかし、日本語は変換が豊富で難しいようだ。


普段入力する文章によって向き不向きがあるので、スマートフォンでの文字入力が苦手ならば試してみる価値はあるかもしれない。ソフトが予測しやすい日本語を入力するユーザにはおすすめだが、専門用語や省略表現を多様する場合にはかえって不便になるだろう。


研究結果



研究の結果、この入力方式を初めて触ったユーザは「最小限の練習」後に1分あたり15単語を入力できたという。さらに90分の練習後には、1分に32単語も入力できるようになった。


1分間に英語を32単語というペースがスマートフォンでのタイピング速度としてどれくらい速いのかよく分からないところではあるが、決して遅くはなさそうだ。現状で文字入力が苦手だという意識のある人よりは速いのではないだろうか。


SWiMでは、画面上にチャットヘッドと呼ばれる泡か水滴のようなボタンを配置した。このボタンによって単語の始まりと終わりを指定したり、文字を入力するカーソルの位置を変更したりといった操作が行えるという。実際に動画の中では、単語の区切りにチャットヘッドをタップして確定とスペースの挿入を行っている。


チャットヘッドの位置はユーザが自由に変更できる仕組みだ。これにより、ユーザの手の大きさや聞き手に合わせた設定が可能となる。


また、研究者はこの入力方式を他の手書き入力方式と比較して「学習が迅速かつ容易」だとしている。研究中にどのくらい入力速度の改善が見られたかを他の方式と比較すると、SWiMは2倍以上に増加した。一方で通常のタイピングは2割強、シェイプライティング(Swypeのような方式)が3割弱の増加に留まったという。


 


この研究は少人数の被験者を対象としたものではあるが、普及している大型スマートフォンや小型タブレットでの文字入力の助けとなる可能性がある。特にSwypeによる入力が速い言語においては、かなり有効な方式だろう。


また、VRとの相性の良さは見逃せない。VRシステムが使用するハンドトラッキングコントローラーには傾きを検知するセンサーが搭載されているため、スマートフォン同様に傾きによる入力を受け付けることができる。


Google VRコントローラーやOculus Touchを傾けることで文字入力ができれば、VRヘッドセットのためにタッチタイピングを練習する必要も、キーボードを触るためにコントローラーを下に置く必要もなくなる。高速&快適な文字入力の方法として注目だ。


研究チームはまず、タッチスクリーンを搭載した端末に向けたキーボードアプリのリリースを目指している。将来はウェアラブルデバイスへの応用も考えているようだ。


 


参照元サイト名:Tech Crunch

URL:https://techcrunch.com/2017/03/17/tilt-gesture-keyboard-could-hold-promise-for-typing-in-vr/


参照元サイト名:Swype

URL:http://www.swype.com/


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