海外メディアUploadVRは、2017年3月13日の記事において、HTC幹部がOculus studioを批判したことを報じた。
同メディアによると、2017年3月9日、海外ゲームメディアGamespotはHTC幹部Joel Breton(トップ画像の人物)がOculus社がOculus独占ゲームの開発に積極的なことを批判したことを報じた。
独占タイトルの開発に積極的なOculus studio
Oculus studioは、Oculus社が運営するゲームブランドで、主としてOculus独占ゲームをパートナーとなったゲームスタジオとともに開発・リリースしている。
同ブランドで最近リリースされた話題作は、Unrealエンジンの開発元でもあるEpic Gamesが開発した「Robo Recall」だ。同ゲームは、Unrealエンジンのハイクオリティなグラフィック性能が遺憾なく発揮されたアクションゲームだ。
同ゲームのリリースに際しては、Oculus Touchの購入者は無料で入手できるのに加え、Modも提供されるという大盤振る舞いが敢行された。
VIVEコンテンツの世界展開に関して責任を負うBreton氏は、以上のようなOculus社の販売戦略は「問題がある」と批判する。
同氏によると、独占タイトルを開発するにあたり、Oculus社がゲームスタジオに資金援助することで、開発するゲームが本来有している市場価値を評価する能力をゲームスタジオが持たなくなってしまう、というのだ。
同氏は、続けて次のように発言した。
Oculusから資金提供を受けて独占タイトルを開発するゲームスタジオは、いずれ苦戦するようになるでしょう。
なぜなら、そんなゲームスタジオは、身の丈にあったゲームを開発できなくなるからです。
クロスプラットフォーム展開を目指すVIVE studios
同氏は、「身の丈に合ったゲーム開発」を実行して大きな成功を収めたタイトルとしてVIVE、Oculus、PSVRの全てに対応している「Job Simlator」を例に挙げたうえで、HTCが最近立ち上げたゲーム開発子会社であるVIVE studiosの取り組みに言及した。
同氏によると、同ゲームスタジオは、基本的にVIVE独占タイトルを開発しないことにしている。その証拠に同ゲームスタジオが最近リリースしたタイトル「Arcade Saga」はVIVE対応版をリリース後、すぐにOculus対応版もリリースし、さらにはPSVRにも対応する予定だ。
同氏は、VIVE対応コンテンツをクロスプラットフォーム展開しても、VIVEが市場において不利になるとは考えていないことを強調している。その考えは、同氏の以下のような発言に見てとれる。
私たちは、VIVEコンテンツを(市場を掌握するための)武器のようには使いません。
そうではなくて、私たちはVIVEコンテンツを、ともにVRのエコシステムを持続的に作り上げていくために使いたいのです。
もっとも、長期的トレンドとしてはVRコンテンツのクロスプラットフォーム対応が優勢となると思われる。というのも、先日開催されたGDC2017で発表されたクロスプラットフォームを推進する統一規格「OpenXR」に関して、OculusとHTCはともに好意的だったからだ。
過度なコンテンツの囲い込みは、最終的には市場の縮小につながることはOculus社も承知しているであろうから、「Robo Recall」の例のように、独占タイトルはキラーコンテンツに限られると考えるのが妥当であろう。
HTC幹部Joel BretonがOculus studioを批判したことを報じたUploadVRの記事
https://uploadvr.com/htc-oculus-exclusives-hampering-developers/
上記記事のソース元となったGamespotの記事
http://www.gamespot.com/articles/htc-criticizes-oculus-exclusives-talks-aaa-vr-game/1100-6448598/
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