The Sydney Morning Heraldがニューサウスウェールズ州の優秀な学生を集めているAurora Collegeの取り組みを紹介している。Collegeと名が付いてはいるものの、大学ではなくハイスクール(日本で言うと中学~高校に当たる7年生から12年生の授業を提供している)である。
Aurora Collegeの特徴
授業
Auroraではインターネットによってリモートレッスンが行われる。遠隔で行われる授業では、生徒たちに合わせたレベルの高い授業を受けられる。レベルの高い教育施設が少ない農村部に住む若者の潜在能力を発揮させるにはもってこいの学校だ。
さらに、Auroraで教鞭をとるのは一般的な中学・高校で教える先生だけではない。同校の教員の中には、大学で学生を指導する立場にある教師さえいる。また、世界中の学者や専門家による特別な講義も行われる。これもバーチャルな学校ならではである。
交流
Auroraでは、上の画像に見られるようなバーチャルなスペースが提供されている。一般的なインターネット会議のようなシステムを用いた授業を提供するだけでなく、バーチャルな運動場や図書館、コーヒーラウンジも用意されているようだ。
こういったバーチャルスペースの意義は、Auroraが掲げる「同様の学力と興味を持つ学生の繋がり」を提供することだ。人口が多い都市部とは異なり、農村では切磋琢磨し合うライバルに出会う機会が少ない。そういった関係になれる友人との繋がりを用意することで、学習意欲も高まるはずだ。保護者に対しても、バーチャルな講堂やホールでの保護者会を開催するという。
また、交流はバーチャルなものだけではない。生徒は年に2回、一週間に渡ってリアルな授業を受けに集まる。ここで他の生徒や教員と直接会って話すことができる。
生徒の一人は今年シドニーで行われたこの滞在授業について
「今年のハイライトです。友人や先生と実際に会えるのは素晴らしいです」
とThe Sidney Morning Heraldに語っている。
VRを使った交流の簡単・便利な部分を活用しながらも、リアルでの交流を組み込んだ学校の形と言えるだろう。通常の授業は自宅から受けられるため、生徒が地元で通っている学校でのコミュニケーションを邪魔しないこともポイントだ。
生徒はローカルなコミュニティに所属したまま、自分が興味を持った専門分野について世界中の専門家から学ぶことができる。これは学習においても、生徒個人の情緒的な成長においてもメリットがあるだろう。
Aurora Collegeの状況
Auroraの授業が始まったのは、2015年の1月だ。まだ2年しか経っていないにもかかわらず、現在同校の生徒数は200人を超える規模にまで成長した。ハイレベルな授業を提供する学校ということもあり、そのうちの180人までが競争率の高い地域の学校に合格しているという。
学長のChris RobertsonはAuroraがオーストラリアで初めてのシステムを持つ学校だという。オーストラリア初であり、世界的に見ても先進的なシステムが導入されている。ビデオチャットやVRを使った学習教材や塾はあっても、公的な学校となるとまだ珍しい。
Robertsonは、5年以内にAuroraの生徒数は500人を超えると予想している。一年に100人のペースで増えていることになるので、学校側のキャパシティが許すならば十分あり得る数字だ。
幸いにも、バーチャルな学校には校舎のような入れ物は不要だ。あとは教員やスタッフ、そしてネットワーク機器が用意できれば良い。
今年は、シドニーでの滞在授業に参加する生徒が州内68の学校からやって来る。それを34人の教員が迎える形だ。5年後にはどれほどの生徒と教員が集まることになるのだろうか。
参照元サイト名:The Sidney Morning Herald
URL:http://www.smh.com.au/national/education/student-login-aurora-college-is-the-first-virtual-high-school-in-nsw-20170303-gupyrl.html
参照元サイト名:Aurora College
URL:http://www.aurora.nsw.edu.au/
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