解像度が高ければ、それだけくっきりと鮮やかで美しい映像を楽しむことができる。画面のサイズや価格、あるいはGPU性能を考えての調整は必要になるが、基本的には低解像度よりも高解像度の方が優れていると言っても良いだろう。
PCモニタに関して言えば、現在は4Kモニタも手が届きやすい価格になってきている。テレビも同様で、次に買い換えるときは4Kテレビと考えている読者も多そうだ。
しかし、スマートフォンのモニタでは4KよりもフルHDが人気らしい。GSM Arenaが行ったアンケートの結果では、フルHDの圧勝である。
フルHD 1080pの人気
スマートフォンに求める解像度を質問するこのアンケートには、10,927人が回答している。
そのうち、49%がフルHD(1080p)と答えた。QHD(1440p)は28%で、4K(2160p)は15%でしかない。720pのHDに至ってはわずか8%だ。
アンケートの結果について、GSM Arenaは画面サイズとの関係を分析している。スマートフォンの場合、画面のサイズはそのままホールド感や持ち歩きの利便性に直結してしまう。そのため、大きいことは良いことだ、とならないのだ。
投票者の半数近くがフルHDを望んでいるのは、5.5インチスマートフォンの人気によるものと考えられる。QHDと4Kの人気は、高い解像度でモバイルVRを楽しみたいVRファン、6インチ以上の大画面スマートフォンユーザが少なくないからだと分析されている。
HDを選択した投票者は少ないが、バッテリーの持続時間や本体サイズを重視して投票したのではないだろうか。
モバイルVRとの関係
投票者の15%が4Kを選択している。しかし、最新のスマートフォン情報を扱うサイトを閲覧するユーザの中でも15%しかいないのだ。スマートフォンに4Kディスプレイを望む一般消費者の割合はさらに小さくなるだろう。
そのことを考えると、モバイルVRファンには少し厳しい展開が待っているかもしれない。企業は、売れる見込みのない製品を開発しない。10人に1~2人しか欲しがるユーザのいないハイエンド4Kスマホよりは、万人受けするスタンダードなモデルの開発に力を入れるだろう。
また、VR関連の各メーカーが独立型ヘッドセットの開発を行っていることも見逃せない。SonyにはPSVRがあるのでモバイルVRを開発する必要がない。SamsungにはGear VRがあるが、独立したヘッドセットも開発している。
4KでのVRを実現する高性能なチップセットや高画質なディスプレイを開発するには、相応の投資が必要になる。こういったメーカーがそこに資金を回す可能性は高くない。モバイルVRの開発が継続されるとしても、1080pのモバイルVRと4Kもしくはそれ以上の解像度を持つハイエンドVRという棲み分けが行われることは十分考えられる。
スマートフォン画面の大型化・高画質化に歯止めがかかりそうに感じる。モバイルVRによる4K需要が非常に大きいものであれば展開は変わるはずだが、このアンケート結果を見る限りだとそこまでのインパクトは無さそうだ。
参照元サイト名:GSM Arena
URL:http://www.gsmarena.com/weekly_poll_results_1080p_screens_are_good_enough_theres_not_much_need_for_4k-blog-23480.php
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