VRゲームの音響効果をリッチなものにしてくれそうなGoogleの取り組みについて、Tech Radarが伝えた。
音響効果の影響
VRゲームで、世界に入り込んだ感覚を与えてくれる音響効果。没入感を重視した作品では、プレイヤーキャラクターの向いている方向や音源との距離に応じて、音の聞こえ方が変化する。人間の耳はよくできたもので、本格的なサラウンドシステムやバーチャルサラウンドシステムを使わずとも聞こえる方向や距離を掴むことが可能だ。
BGMならば、左右のバランスは関係ない。しかし、足音であれば特定の方向から聞こえるはずだ。右から人が来るなら、ヘッドホンの右側から大きく音が聞こえるように調整しないとプレイヤーに違和感を与えてしまう。
音量も一定ではないはずだ。背後に迫った敵の声と、こちらから認識できるギリギリの距離に居る敵の声が同じ音量だったら、プレイヤーは混乱するだろう。
あらゆる音が正しく設定されていれば、2Dゲームであってもプレイヤーは自分がその場に居るように感じてくれる。周囲の空気感を作り出すために、音は欠かせない。
しかし、そうした音響効果を作品に実装するのは難しい。音源の位置や距離、場合によっては音を響かせる周囲の構造や材質までをリアルタイムに計算しなくてはいけないからだ。相応のコストをかけて専門のスタッフが開発を行うゲームならまだしも、個人や小規模のグループで作成するゲームに同じことを望むのは酷だろう。
Googleの計画
Googleがこの状況を変えようとしている。同社は、Firelight TechnologiesおよびAudiokineticと協力体制を築いた。Firelight TechnologiesとAudiokineticはいずれも、開発者のためのオーディオツールを提供してきた企業だ。
この3社が新しいプラグインを開発した。数回のクリックで空間上に音を配置できるという。
このプラグインは、開発ツールのFMODやWwiseから利用できる。プラグインはGoogle Daydreamでの開発に適しているが、Daydream用VRコンテンツ以外の開発者でも使える仕組みだ。
UnityやUnrealエンジンといったゲームエンジンとシームレスに連携が行われ、Android、iOS、Windows、OSX、Linux用のゲームに優れた音響効果をもたらす。
開発者たちがこのツールを使うようになれば、多くのVRゲームの音響効果が現在よりも豊かなものになるだろう。
参照元サイト名:Tech Radar
URL:http://www.techradar.com/news/googles-adding-immersive-audio-to-your-vr-worlds
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