Texas Public Radioが水中でプレイ可能なVRについて伝えた。海中を探検するようなVRコンテンツではなく、実際に水に入って使うものだ。
VRヘッドセットを付けて座ったまま、あるいは立ち上がってリハビリやエクササイズを行うアイデアはたくさんある。風景の変化やゲーム性があれば、単に器具を使って同じ動きをするよりも飽きにくくなる。楽しみながら運動を続けることができるはずだ。では、プールでのエクササイズにもVRを使えないだろうか?
テキサス大学サンアントニオ校では、そんなコンセプトのVRが研究されている。しかし、まだ問題もあるようだ。
Shark Punch
現在販売されているヘッドセットは、水中で使えない(おまけに、息継ぎも必要になる)。そこで、改造したシュノーケルと防水スマートフォンを使って水中でのVRを実現した。
音声を聞くために防水のヘッドホンを使う方法もあるが、スマートフォンからそのまま音を鳴らすだけでも十分だという。水中でも、音は問題なく伝わるからだ。
開発中の『Shark Punch』は、サメが噛み付いてくるのをパンチで追い払うというシンプルなゲームだ。モーションコントローラーは使えないが、スマートフォン内臓のモーションセンサーでパンチの動作を判断する。
実際に水に入ってプレイすることで、陸上でプレイしたときとは全く違う感覚になるという。主人公もプレイヤーも水中にいるので、より没入感が高まるのだろう。
水中VRの課題
『Shark Punch』についてはUTSA Todayが2016年の4月にも取り上げていた。そして、その後も研究は続けられている。
現状では、水中VRにも陸上でのモバイルVRと同様に「移動できない」という制限がある。しかも、BluetoothやGPS、Wi-Fiといったメジャーな測位方法は水中で活用しにくい。電波が水の影響を受け、リアルタイムトラッキングが不正確になるからだ。
この問題を解決するために、国立科学財団は教授に対して24万ドルを提供した。
水中VRというアイデア自体が珍しく、まだほとんど研究されていない。身体に負担をかけないリハビリへの利用はもちろん、健常者が水中VRで可能になる経験についても期待できる研究である。
参照元サイト名:Texas Public Radio
URL:http://tpr.org/post/virtual-reality-sharks-nab-professor-240000-grant#stream/0
参照元サイト名:UTSA Today
URL:http://www.utsa.edu/today/2016/04/sharkpunch.html
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