任天堂が開発する新型ゲーム機「Nintendo Switch」がVRに対応するという噂は、Switchの発表時からまことしやかに囁かれてきたものである。この噂が現実のものになろうとしているのかもしれない。Nikkei Asian Reviewに掲載されたインタビューの中で、任天堂社長の君島達巳がSwitchとVRについて語った。
時期は不明だが、「VRを長時間利用することの問題(VR酔いのことか?)が解決されれば」という条件付きで何らかの形でVRに対応すると答えている。この発言は驚くようなものではない。これまでにも、任天堂が将来的なVR対応を否定したことはないからだ。
過去には、アメリカNintendoの社長は「VRが主流となるまではサポートしない」としている。また、ゼルダやマリオといった人気シリーズを手がけたクリエイターの宮本茂も「子どもたちの保護者が安心できるようになるまでVRコンテンツを提供しない」と答えている。ヘッドセットによるVRを子どもたちが(長時間)利用した場合の影響が明らかになるまでは、任天堂のVR対応は期待しにくい。
こうした発言を除いても、SwitchのVR対応は根も葉もない噂というわけではない。単に「VRが流行しているから任天堂も対応するだろう」という予想ではなく、根拠のある憶測だった。
大きなポイントとしては、任天堂が出願した特許書類の中にヘッドセットらしき図が掲載されたことが挙げられる。実際、あの図に描かれたものがヘッドセットでないと主張するのはかなり難しいだろう。
そう考えれば、SwitchがVRに対応する可能性について前々から指摘されてきたのは何もおかしなことではない。今回の君島の発言によって、あれがヘッドセットであることが半ば裏付けられたと言ってもよいだろう。
ここで気になるのは、「長時間VRを利用することによる問題」が何を指しているのか、ということである。おそらくVR酔いのことではないかと思われるが、任天堂が独自に開発しているVR技術にまだ解決できない問題が残されている可能性もある。
また、Switch本体の発売までそう時間がないのも事実だ。今から問題を解決するのは簡単ではないと思われる。VR対応の時期を明らかにしていないことから想像されるのは、SwitchにVR対応の余地を残す方法ではないだろうか。
任天堂の新型ゲーム機は、VR対応を謳わなくても売れるはずだ。性能の面で余裕を持たせておき、将来的にVRを取り入れて販売を後押しするというのはありそうな話である。
既に発表されているジャイロや加速度センサー搭載のおかげで、Switch本体だけでもモバイルVR程度の体験は提供できるだろう。専用ヘッドセットや外部センサーが用意されれば、ルームスケールのVRに対応することもできるはずだ。
ソフトウェア面(あるいはヘッドセットのプロトタイプ?)を改善することでSwitchでのVR体験が高品質になれば、対応コンテンツが発売されるのかもしれない。
参照元サイト名:Nikken Asian Review
URL:http://asia.nikkei.com/Business/Consumers/Nintendo-to-equip-Switch-with-upgraded-web-services
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