海外メディアDigital Trendsは、2017年1月30日の記事において、コンシューマー版Hololensに言及したMS幹部の発言を報じた。
同メディアは、海外メディアCNETがMicrosoft・テクニカルフェローのAlex Kipman(トップ画像参照)に対して行ったインタビューのうち、Hololensに関わる発言を抜粋して報じた。
インタビューにおいて同氏は、Microsoftが目指しているものは、VRあるいはARどちらか一方の市場ではなく、VRとARを統合したMR(Mixed Reality)市場を開拓することである、と述べている。そして、HololensこそMR市場を切り開くデバイスと位置づけている、とのこと。
また、(最近ではもはや定番の質問になっている)現在の開発版Hololensの高額なことに関してコメントを求めたところ、同氏はハイエンド型VRヘッドセットがVR Ready PCを必要とするのに対して、Hololensはデバイス単体でグラフィック描画処理およびホログラム投影を実行していることに注意を促した。
同氏によれば、全ての処理をデバイス単体で実行するHololensは、どうしても多くの部品と機能を実装しなければならず、その結果として現在の価格となったのだ。
確かにOculusRiftとVIVEを使うにはVR Ready PCが必要であり、環境構築を含めると$2,000を超える費用が要する。この費用と$3,000というHololensの価格を比べると、法外な値段とは言えない。
そして、(この質問も定番なのだが)今後同デバイスは安くなるのか、またコンシューマー版はいつリリースされるのか、という質問に対し、同氏は以下のように答えた。
「(Hololensは安くなるのか、またコンシューマー版はいつリリースされるのかという)その質問に答えるより、こんな質問を考えてみてはどうですか。
なぜHololens開発版は$1,000以下で売り出さなかった、と。
今Hololensに実装されている機能や部品のいくつかを削れば、明日にも$1,000を切るコンシューマー版をリリースすることができます。
しかし、$3,000のHololensにこそ、将来的にMR市場を開拓できる可能性があるのです。
そもそもみなさんに言いたいのは、世界中の一般消費者がMR体験を楽しめるようになるのは、Hololensが$1,000以下になる時と考えるべきなのです。
そして、詳しくは言えませんが($1,000以下のコンシューマー版Hololensをリリースするまでの)ロードマップも存在します。」
同氏が言うようにコンシューマー版Hololensが$1,000でリリースされるとすると、単体ではOculusRiftやVIVEより高いがVR Ready PCが必要ないので初期投資は$1,000に留まり、ハイエンド型VRヘッドセットを楽しむ投資より安く済む、という計算になる。
いずれにしろ、コンシューマー版Hololensが$500程度でリリースされることは、絶対と言っていいほどないだろう。
最近では$300〜$400程度のWindows 10で動作する廉価版VRヘッドセットがリリースされるという話もあるなか、やはりハイエンドなAR(MR)体験はしばらくは高嶺の花なのかも知れない。
コンシューマー版Hololensに言及したMS幹部Alex Kipmanの発言を報じたDigital Trendsの記事
http://www.digitaltrends.com/computing/microsoft-has-plans-for-consumer-level-hololens-solution/
上記記事のソースとなったCNETのインタビュー記事
https://www.cnet.com/au/news/microsoft-hololens-alex-kipman-interview-ar-vr/
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