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人生を変えるVR。心身の障害を抱えたユーザとVRの関係


ヘッドセットを付けた男性


Techradarに障害を抱えるユーザとVRの関係を論じる記事が掲載された。VRは障害がある人々の人生を一変させる可能性があるが、まだ課題もあるという。


障害を抱える人々とVR


多くのユーザがVRに期待するのは、現実で体験できない、あるいは困難な経験のシミュレーションだろう。宇宙戦闘機のパイロットになったり、エベレストに登ったりするようなコンテンツだ。これらは、(ほとんど)全ての人にとって現実では不可能な経験だ。


見落とされたVRの可能性


一方で、ありふれた経験をするのが難しい人もいる。肉体的な障害によって歩くことが難しい人にとって、自由に動けるVRはリハビリにも楽しみにも活用できる可能性がある。


しかし、VR製品やコンテンツを開発する企業はVRが障害を持つ人々にもたらす体験を見落としている。あるいは、VRが新しい技術であるせいかもしれない。ユーザ数の多い健常者向けにしか製品を開発する余裕がないとも考えられる。


VR活用の例


呼吸器を付けてモニタに向かう女性

宇宙旅行体験を望むユーザばかりではない


VRは精神的・身体的な障害を抱える人を助けることができるかもしれない。バーチャルであらかじめ体験しておくことで、現実への予行演習になることが期待できる。


広場恐怖症や社会不安障害を持つ人々にとって、人混みは恐怖だ。好きなアーティストのライブや贔屓にしているスポーツチームの試合があっても、その会場に行くのは苦痛か、ほとんど不可能かもしれない。VRでこういったイベントが配信されていれば、その場に行かなくてもイベントを楽しむことができる。


3DサウンドはPTSDで苦しむ患者のストレス軽減に活用できる。寝たきりの患者にとっても、楽しみとなるVRコンテンツがあればQOLを向上させる効果が見込める。


入力機器の限界


期待が大きいVRだが、問題もある。それは入力の方法だ。


ゲームパッドを使うにしても、モーションコントローラーを使うにしても、10本の指が揃った両手を使えることが前提になっている。片腕が麻痺していたり、自由に指でボタンが押せないユーザのことを考えて設計されているわけではない。


周囲を見渡すにも、首を動かす必要がある。ベッドに寝たきりのユーザにとって、360度映像は通常の映像と変わらないものになってしまうかもしれない。


新たな入力方式


ディスプレイ下部に取り付けられたセンサー

Tobiiのアイトラッカー


現在使われているコントローラーやセンサーによる操作の他にも、様々な操作方法の可能性が示されている。


視線、まばたき、表情、呼吸、筋肉の動き、声や音、ヘッドトラッキング、顎と唇で操作できるジョイスティックなどが考えられる。口にくわえて舌で操作するコントローラーも作れるだろう。


特に期待されているのはアイトラッキングだ。既に視線でポインタを動かすソフトウェアが作られており、RPGやカードゲームのようなマウスで操作するゲームも遊べるようになっている。


残された課題


デバイスの価格


これは障害の有無を問わず、多くのVRファンにとって悩みのタネだろう。ヘッドセットは安いものではないし、ハイエンドPCはそれ以上の価格になる。複数の企業が販売するヘッドセットを取り揃えているという恵まれたユーザは少ないはずだ。


身体的な障害があって、入力に特殊なセンサーを必要とするユーザはそれ以上の出費を強いられる。販売数の少ない特殊なデバイスは、高価になってしまうだろう。


この問題はモバイルVRの普及によって改善されるかもしれない。


視覚障害への対応


VRは主に視覚に基いている。そのため、視覚に障害があるユーザへの対応は難しい課題だ。


視野の欠損や視力の低下があるユーザでも使えるようなレンズが作られることが望ましい。視覚は個人差が大きいので、多くの人が利用できるように設計するのは企業にとっても重要なはずだ。


必要となる動き


椅子に座った男性


重度の身体障害を抱えるユーザは、開発者が意図した動作による入力ができない。これは開発者にとって頭の痛い問題だ。


たとえ座ったままでプレイできるように設計されたゲームでも、車椅子に座って操作するのでは視点が低くて違和感を覚えるかもしれない。開発者にはユーザの状況が分からないので、多くの操作法をオプションとして提供するのが一つの対応策だ。


操作方式の選択画面


VRへの期待


あらゆるユーザが、同じ操作方法でコンテンツを体験できるわけではない。しかし、障害を持つユーザにとってVRが期待できる技術であることは間違いない。ゲームや映像コンテンツによるエンターテイメントの提供とリハビリの促進、リラックス効果、そしてコミュニケーションと分野は多岐にわたる。


いつも一緒にゲームをしているフレンドが、実は障害を抱えているかもしれない。同じコントローラーで操作をしているとは限らないのだ。VRが障害を感じさせない世界をもたらしてくれることを期待したい。


 


参照元サイト名:Techradar

URL:http://www.techradar.com/news/how-tech-is-making-virtual-reality-more-accessible


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