2016年はPSVRが発売されたことで、これまでPC中心だったハイエンドVRが一般層にも手の届くものとなった。出荷台数こそ追いついていないものの、注目度はいまだ高い。
話題のPSVRの注目作品を、PlayStation Storeにおけるレビュー評価を元に、VRの普及に貢献した優良なコンテンツを振り返ります。
サマーレッスン:宮本ひかり セブンデイズルーム(基本ゲームパック)
家庭教師として、教え子の女の子「宮本ひかり」と7日間過ごすというコミュニケーション体験ゲーム。
発売前から大きな話題となっていたが、PlayStation Storeの平均★評価5、レビュー数1005と、発売後の反響も大きかった。
ユーザーの反応で大きいのは「本当に女の子が目の前にいるように感じられる」という点。
「仮想世界への没入感」というVRの特徴を最大限PRすることに成功した、ベストなローンチタイトルと言える。
アイドルマスター シンデレラガールズ ビューイングレボリューション
「アイドルマスター シンデレラガールズ」のキャラクターたちによるライブを体験できるというVRコンテンツ。
PlayStation Storeの平均★評価5、レビュー数440と「サマーレッスン:宮本ひかり セブンデイズルーム(基本ゲームパック)」に注ぐ人気作といっていい作品。
元となった非VRゲームである「アイドルマスター シンデレラガールズ」自体の知名度が高い上、アイドル育成ゲームというジャンルなので、「自分の育てたアイドルのライブを実際に体感したい!」というニーズをファンが持っていたことが高評価の要因だろう。
『シン・ゴジラ』スペシャルデモコンテンツ
今年大ヒットした映画「シン・ゴジラ」の世界観を体験できるVRコンテンツ。
映画「シン・ゴジラ」の大ヒット効果もあってか、PlayStation Storeの平均★評価4、レビュー数440と高評価。
インタラクティブ要素は少ないものの、実際の映画用に製作された3DCGデータを使用しており、全長118.5mのフルCGゴジラに遭遇する恐怖をリアルに体験できるという点が高く評価されている。
Allumette
雲上にある街に住む少女を描いたクレイアニメーション風のVRアニメーション。
レビュー数349という数字は無料ということが影響していそうだが、平均★評価5がついていることがクオリティの高さを物語っている。
あえてセリフを廃し、プレイヤー自身がその世界の中の物語を自分ごととして体験できるという点がVRならではの没入感とうまくマッチ、高評価に繋がったと思われる。
Rez Infinite
音楽に合わせて敵を打つという、電脳空間を舞台にしたリズムゲーム&シューティングゲーム。
かつてPS2・ドリームキャストでリリースされた「Rez」をリメイクした作品。
PlayStation Storeの平均★評価5、レビュー数349。
トランスミュージックとVRとの親和性の高さや、音楽を聴いて首を振るという動きをゲームシステムに自然に取り込んでいる点が気持ち良さを生み出しており、高い評価に繋がったようだ。
The Playroom VR
初めてVRに触れるユーザーに向けて6つのゲームをパッケージしたVRコンテンツ。
無料の入門用ソフトということでダウンロードした人数は多かったと思われ、レビュー数は319。
一方で入門用ソフトだからといって妥協した作りにはなっておらず、ミニゲームの作りこみが素晴らしいという点が平均★評価5に繋がったと思われる。
KITCHEN
2017年に発売が予定されているホラーゲーム「バイオハザード7 レジデント イービル」の前日譚となるVRコンテンツ。約3分間のホラー体験が味わえる。
「バイオハザード」シリーズは恐怖を味わうゲームから、ゾンビと戦うアクションへと傾いていたが「バイオハザード7」は恐怖を体感するゲームへと大きく方向転換。
これがアピールに繋がったためか、レビュー数は309と多い。
また、ゲーム中刺されるシーンでは本当に刺されたように感じるという口コミが広がるほど刺激的な内容も評価されており、平均★評価5がつけられている。
コール オブ デューティ インフィニット・ウォーフェア ジャッカルアサルトVR
FPS「コール オブ デューティ インフィニット・ウォーフェア」のVRコンテンツ「ジャッカルアサルトVR」が独立して無料配信されたというVRコンテンツ。
戦闘機「ジャッカル」に搭乗し、宇宙を舞台にしたシューティングゲームを楽しめる。
ボリュームは少ないものの「コール オブ デューティ インフィニット・ウォーフェア」本編未購入でも楽しめること、戦闘機による宇宙戦がハイクオリティで描かれていることなどが高評価に繋がり、平均★評価4、レビュー数は377。
初音ミク VRフューチャーライブ All Stage Pack
初音ミクのライブをVRで体感できるというVRコンテンツ。
本作を購入することで、「初音ミク VRフューチャーライブ 1st Stage」「初音ミク VRフューチャーライブ 2nd Stage」「初音ミク VRフューチャーライブ 3rd Stage」という一連のシリーズ作品をすべてプレイ可能。
もともとバーチャルな存在である初音ミクとVRの親和性は高く、リアルでは味わえないようなライブが好意的な評価に繋がった。
本作単体でみても平均★評価5、レビュー数276という高評価だが、単品販売されているシリーズを含め全体で考えると、さらに高い評価を得ている。
Until Dawn: Rush of Blood
ホラーアドベンチャーゲーム「Until Dawn」の世界観を使ったガンシューティングゲーム。
ジェットコースターに搭乗して遊園地内を進む途中、出現する敵たちを銃で倒していくという内容。
もともとの「Until Dawn」が生粋のホラーファンを対象としたゲームだけに、本作の描く容赦なしのホラー演出は高く評価された。
ターゲットがホラーファンというニッチ層のためかレビュー数190とやや少ないが、平均★評価は5となっている。
総評
コンシューマーゲームの大手企業が開発している作品が集っただけのことはあり、Steamで配信されているVRコンテンツと比較するとPSVRのタイトルは、世界観作りやチュートリアル、設定までしっかり作り込まれており、VR入門者にもしっかり魅力が伝わるものになっていた。
話題を作り出すきっかけとなったタイトルも多く、2016年はPSVRにとって好調な出だしだったと言えるだろう。
2017年は、「バイオハザード7」を筆頭に長時間遊び込めるタイトルが充実してくることが予想され、VRの普及がさらに進みそうだ。
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