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VRの可能性を信じ続けるプレイヤーが勝利する。 Tokyo VR Startupsインタビュー 後編


左から國光氏、新氏

左から國光氏、新氏


前回の記事に引き続き、Tokyo VR Startupsの國光氏、新氏へ行ったインタビューの様子を紹介する。


前編:第2期には新しく挑戦していくというドキドキ感がある。Tokyo VR Startupsインタビュー 前編


2回目となる今回は、日本のVRが世界に通用するために重要なことなど伺っている。


重要なのは”最先端にい続けること”


――日本のVRが世界に勝つためにはなにが重要だと思いますか?


新氏:市場の状況がめまぐるしく変わっているため、まだ明確な答えは出ていないのではないでしょうか。


先日Oculus Connect 3が開催され、そこでもまた変化が起きました。1年前、TVS立ち上げの段階ではVRに対して懐疑的だったのが、今はまず手を出してみて、そこからどう儲けるか?というフェーズです。


Oculusが思ったよりも出荷が遅れ、予想より販売台数が少なかった。PSVRは立ち上がりが好調に見えますが、量産体制が整っていない。一番認知のあるPSVRが年末までにどれくらい売れるかによっても、大きく市場の動向は変わるでしょう。


世界にも通用するという意味では、こういった情報をいち早くウォッチし、その中で柔軟に戦略を変える必要がありますが、TVSには鮮度が高い情報がどんどん入ってきます。


よむネコの場合、VRという特異な体験で脱出ゲームをどうやって作っていくのかという部分にフォーカスしましたが、開発当初はOculusがない状態で開発を始めていました。まさに模索です。


3月にViveとOculusを手にして、今まで見えていなかったものが見えてくるようになりました。


VRの中でしかできないものをうまく利用してリアリティを出していくということが焦点になってきます。この1年間でそこに敏感になっていますが、それに気がつけているかどうかが重要ですね。


PSVRはグラフィックスを豪華にすることが前提になっている感じがしますね。コンシューマーなのでリリース日がある程度決まっているため仕様を確定させなくてはならず、作っている最中に変わってくる面白さを反映することができない。その結果、VRに対して適正じゃないアプローチのコンテンツがあるなと。


ゲームの面白さを映像のリッチさで判断しがちですが、VRはそれだけではないのです。


映像がいかに綺麗であろうと実際に体験すると触れられないわけですので、情報量の多さに対して体験が貧相なものになってしまうということもある。これまでのコンシューマーゲームのルールが通用しない領域です。


VRの中でユーザーにとって心地よい、楽しいと感じられるVR特有の現実が存在します。しかし今はどうすればよいという最適解が見つけられていない状態です。そこに気がつけば競争に勝てるのではないでしょうか。


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國光氏:日々世界中の人がVRらしさとはなんだ、ということに対してトライアンドエラーを繰り返しています。


そういった意味でも、最先端にい続けることが重要と考えます。


正直、ゲームパッド向けにコンテンツ作るのは意味がないなと。OculusもViveもタッチコントローラーです。


今情報が少ない人は、PSVRが一番売れるだろうと考え、PSVRがゲームパッドを推奨しているのでそのままゲームパッド向けにコンテンツを作ろうという意思決定をするでしょう。


しかし、UI/UXをタッチコントローラーに最適化していったほうが確実にいいです。少なくとも世界的に最先端にいる側の人間はそう思っているでしょう。


技術だけではなく情報感度も含めて、最先端にいるか否かで決定的に差が出てくるでしょう。


新氏:しばらくはゲームパッドとタッチコントローラーという2種類のハードウェアが存在するという状況が続くでしょう。


もちろんそれらの動向は全て見ていく必要がありますが、PSVRでもOculusでも、ゲームパッドのゲームはVR体験としては面白くないですよね。


ソニーももちろんそれは分かっていると思います。今はまだ値段の問題などもありますし、まずはユーザーにVRに馴染んでもらう、それから次のフェーズで新しいデバイスを売っていくという流れだと思いますね。


國光氏:開発者目線だと、ゲームパッドで面白いゲームをつくるのと、タッチコントローラーで面白いものを作るとなると決定的に違います。


将来的にタッチコントローラーが主流になることを考えると、そこに向けて今何をするかというのが重要でしょう。


現在、Viveがルームスケール対応で、Oculusも対応していくといっています。その後、スマートフォンのVRもルームスケールになっていくでしょうね、Oculus Connect 3ではスタンドアロンなHMDも発表されていますからね。


今あるコンテンツでもルームスケールに対応しているゲームのほうが楽しいので、ゲームもただの立体視ではなくルームスケールを意識して作っていくのが正しいでしょう。


日本の会社が世界で戦おうとした時、本当に最先端な情報、最先端なノウハウをしっかり捉えて、そのなかで切磋琢磨していくのが大切だと思います。


信じるプレイヤーが勝利する


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――2017年に向けて仕掛けていきたいことは何かあるでしょうか?


新氏:よむネコは12月のOculus Touchローンチに合わせてリリースさせます。そこで効果がでるか検証して作り込んで行って、本格的な普及期に入っていけるような環境を整えるのが目標です。


我々が掴んだVRならではの感覚や、ソーシャル系VRが圧倒的に面白いという感覚は間違ってはいないことがわかったので、その中でトップの状態を維持しながら製品を拡張させていきたいですね。


また、Daydreamが本格的に出てくるので、その動向も睨みながらスマホVRでもなにか仕掛けていければなと思います。


國光氏:グローバルな情報のハブになっていくのが僕らの役割だと思っています。


TVSの第二期が始まり2月にデモデイをやりますが、おそらく第三期もやるだろうし、そこからできるだけ多く、世界に通用するVR企業を輩出していきたいです。


日本だけでなく、韓国、アメリカも同様なプロジェクトを進めていて、この間でもメンバーをつなげていきたいですね。


また、Future Tech Hubという、TVSに参加していない企業でもシェアオフィスという形で参加できるスタートアップ環境も用意しています。


その中でもセミナーなどを行っていきますし、自分たち以外の企業もいるという意味でも刺激のある環境だと思います。


新氏:コミュニティを育てるのは非常に重要だと思っています。


TVSに応募のあった企業の中でも、コミュニティのある環境でプランを立てられているところと個人で黙々とやっているところでは情報・技術のレベルが違うのが明確です。


VR産業の成長と、日本が勝っていくためにもコミュニティはとても大切ですね。


―― 最先端な情報をキャッチしていくのが重要という話でしたが、そういった意味でも東京、ソウル、アメリカで情報を共有していくのは重要ですよね。


最後に、一言お願いします。


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國光氏:iPhoneが最初に登場したときも懐疑的な人は多かったですけど、その時にしっかり信じてスマートフォンに賭けたプレイヤーが勝利していますよね。


今はその時の状況と似ているなと。本気でVRを信じて賭けたプレイヤーが勝つと思います。


マークザッカーバーグがあれだけ言ってるんだから、くるでしょう、VR!ほかにもいろんな企業が本気を出しているんだから、来ないわけがないくらい思っても間違いじゃないですよ。


信じて波に乗った人が勝利を手にしますよ!


――ありがとうございました!


株式会社GATARI


株式会社GATARIは、未来の遠距離コミュニケーションのカタチを提案するVRスタートアップ。


株式会社GATARI 竹下氏


――ソーシャルVRということで、他と違う部分はどういうところですか?


まだ開発途中なんですが、VR空間で声を出すことが楽しくなるソーシャルVRという部分ですね。


声って、発すること自体がカロリーを消費するので、外界に影響を与える行為だと思っています。


ただ、現在のソーシャルVRだと自分が声を出したことがわかりづらくて、心理的コストが高いと思うんですよ。それを下げるようなものを作りたいですね。


――デモデイではどういったものを披露する予定ですか?


デモデイでは、製品版ではなくその前段階の、空間で人が集まって声を使ってコミュニケーションを行えるようなスペースというものを見せられればと思います。


――2月まであまり時間はありませんが、順調に進められていますか?


正直結構ギリギリですね(苦笑)


Viveが入ったのがつい最近で、やっとデバッグできるようになったんですよ。


――作っていく中で難しい部分はどういうところですか?


声を使ったコミュニケーションという軸はあるんですが、その周りでやりたいことがあって、そこに対する技術的な課題、主に時間的な問題があるのでできるかどうか精査している段階です。


今だと声紋分析をやりたいと思っているんですが、時間的コストが非常にかかるんですよね。その分野の専門家ではないので、勉強しながらやらなければいけないんです。


――どういった利用シーンをイメージしているのでしょう


2月に出そうと思っているのはコミュニケーションですね。遠くにいる2人がHMDをつけることで同じ空間に現れて会話するという感じです。


最終的にには、声を使ってコミュニケーションを作れるという技術と、声を発することが楽しくなるような仕掛けやエフェクトを提供できればと思っています。


声を発することでさらにコミュニケーションが発展していけばいいですね。


――今はコミュニケーションにフォーカスしているようですが、他にも流用できそうな感じがしますね。


プラットフォームを使ってもらうには、エンターテイメント性も重要なので、そういった部分も考えていて、余力があればどんどん力を注いでいこうと思っています。


――プロジェクトのゴールという意味では、どういったところを目指しているのでしょうか?


まだそこは秘密です(笑)


――なるほど(笑)2月を楽しみにしています。ありがとうございました!




 


國光氏、新氏ともにVRの可能性を信じることが重要だと話しているのが印象的だった。


まだ一般的に認知の浅い分野ではあるが、FacebookやGoogle、ソニーという世界的にも大きな企業が力を入れているのも事実で、2人の話は非常に納得できるものだった。


また、TVS第2期メンバーの話を伺い、2月に行われるデモデイが非常に楽しみになった。


Tokyo VR Startups


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