Road to VRの「4 Virtual Reality Desktops For Vive and Rift Compared」で紹介されていた、簡単なものからこったものまでVRデスクトップが使いたいという人におすすめな、VRでデスクトップが使えるアプリを紹介する。
これらは全てHTC ViveとOculus Rift対応のものだ。
Virtual Desktop
Virtual Desktop on SteamVR: http://store.steampowered.com/app/382110/
Virtual Desktopはそのパフォーマンスとシンプルさが人気の、マルチモニターでWindowsが使えるデスクトップVRアプリだ。
現実のモニターに映っているものをそのままの大きさでディスプレイする。
下の画像のように、オプションでカーブさせたりもできる。
デフォルトでは一つのモニターになっているが、ワンクリックでマルチモニターに切り替えることができる。
ウォールペーパーを透明にしたりなどのカスタム機能もあり、ゲームを開始したりやめたりするなど簡単な操作ならボイス認証で可能だ。
ゲームプレイ途中で開いてもパフォーマンスにはあまり影響しないのが特徴で、360°フォトや動画なども見ることができる(これも声でオンオフの操作が可能)。
デフォルト以外にもSteam Workshopでレイアウトを変更することができる。
BigScreen
BigScreen on SteamVR: http://store.steampowered.com/app/382110/
ボイスアクティベーション機能はないもの、Virtual Desktopのフリーバージョンといった感じで、基本のコンセプトはVirtual Desktopで実際のモニターと同じ画面をVR内でディスプレイする。
BigScreenはマルチモニターサポートが限定されており、全てのディスプレイがシングルパネルとして使用されている場合のみ使える。
しかし、様々なフォーマットで360°サポートもあり、ディスプレイのレイアウトもVirtual Desktopよりたくさんの種類が用意されている。
デスクトップを目の前に浮かしたり、移動させたりができるため、巨大なスクリーンを奥のほうに設置して映画館のようにして使うなど、様々な使い方ができる。
BigScreenの最大の特徴はアバターを使い、最大4人まで、マルチプレイヤーでアプリを使用できることで、同じ部屋で誰かとコンピューターを使っている場合、他のユーザーのスクリーンも見ることができるようになる。
オーディオもシェアできるので、みんなでシネマスクリーンで映画を楽しむこともできる。
また複数のスクリーンを同時に移すこともできるため、普通のマルチプレイヤーゲームのように、他の人も画面を見ながらゲームなどができる。
なお、ゲームのクオリティはインターネットコネクションのスピードにもよる。
デフォルトに設定されている、マルチプレイヤーには必須の3D環境のクオリティが高い。
しかし3Dでアプリを使うにはパフォーマンスに負荷がかかるので、マルチプレイヤーを使わない人にはベーシックなレイアウトの方がおすすめだ。
またBigScreenはVRではないゲームをやるにはVirtual Desktopより向いていない。
アバターはカスタム可能で、ヘッドトラッキングもできるので向いた方法に動き合わせてくれる、そしてしゃべると口が動くアニメーションがアバターに投影される。
さらに、モーションコントローラーを使えば手の動きも反映すること可能だ。
Envelop
Envelop on SteamVR: http://store.steampowered.com/app/372650
Virtual DesktopやBigScreenとはまた違い、人がバーチャルデスクトップと聞いたらイメージするものに近いもので、ただ単にフラットなスクリーンをディスプレイするだけではなく、デスクトップ自体をバーチャル空間に再現している。
それぞれのウィンドウが一つの3Dオブジェクトであると同時に違うプログラムとして機能し、画質やフレームなども元のモニターの制限を受けない。
まさに、広い3D空間にデスクトップを再現したようなアプリで、スケールや深さが調整できる、違うサイズのウィンドウで自分を回りを囲める。
さらに、ハイパフォーマンスで直感的な操作がスムーズにできる。
バーチャルポインターがウィンドウの間を移動し、それがウィンドウの中に入ると通常のWindowsのポインターに変わり操作ができる。
ウィンドウはパープルのフレームで囲まれていて、二つのウィンドウがかさなってしまった際にはハイライトで教えてくれる。
また、Envelopではシングルモニターモードをスイッチして交互に使うこともできる。
ウェブカメラを使えば、ヘッドセットをしてるため見ることができない、自分の手元もカメラを通して確認することができる。
Viveにはヘッドセットの前についているカメラでこの機能が使える。
しかしViveのフロントカメラはこの機能のためにつけられたものではないのでライトが暗く少し使いにくい。
だが、ライトが充分でもキーの文字はみにくく、カメラのために頭の向きを固定するのがたいへんで、まだまだ使いにくい機能だ。
Envelopはベータ版なため、スムーズな状態を維持するのが難しいなど、問題も多い。
例えば、60fpsのYouTube動画は通常のデスクトップで見ない限り、スムーズに見れない。
さらにウィンドウのリサイズに問題があるため、VRではないゲームもプレイしにくい。
これに関してはシングルモニターレイアウトでプレイすればまだましなるが、それでもやりやすいとは言えないようだ。
Multiscreens
Multiscreens on SteamVR: http://store.steampowered.com/app/512400/
Multiscreensはアーリーアクセスオファーのため他のに比べると未完成なアプリだ。
しかしEnvelopと同じで、コンセプトはデスクトップをVR内に再現するというもので、どのウィンドウも別々に稼働し、移動とスケール調整が可能だ。
Envelopは円柱の形でユーザーの周りにウィンドウがディスプレイされ、ユーザーに対して水平のまま縦に移動していた。
が、Multiscreensは画像のようにウィンドウの下の部分を手前に引いたりして、角度を調整することができ、球体上にディスプレイを移動させることができる。
ウェブカメラを使ってキーボードが見れる機能もあり、そして、フレームレートをウィンドウにつき選べるので、Envelopと違い動画などもスムーズに視聴することができる。
コアな機能は普通に使えるが、まだまだ問題もある。
例えば、ディスプレイのレイアウトが球体上なため、ポジションが難しく、ごちゃごちゃになってしまう。
フレームのリサイズも難しく、ポインターもウィンドウの中では正常に動くか、ウィンドウとウィンドウの間のバーチャル空間での動きが使いづらい。
VRデスクトップは現在のヘッドセットのハードウェアではできることに限界がある。
VRでは、特にゲームでは、存在感というものがイメージのクオリティより重要な課題になっている。
どのアプリを使っても画質の悪さなどは使い始めれば気にならないが、テキストをVR内で表示する際にこれが問題となる。
文字のディスプレイにはピクセルの密度が多く必要になり、きれいにバーチャル空間内でディスプレイするのは難しい。
ウィンドウを自由に配置できるため、距離のあるウィンドウのテキストがまるで星のようになってしまうのだ。
Envelopが今のところバーチャルデスクトップという名にふさわしいアプリではあるが、Virtual DesktopやBigScreenはシンプルで使いやすく、安定性がある。
ユーザーのニーズによってどれが一番かは変わるだろう。
Virtual Desktopがこの中では唯一完全な商品として販売されているもの
だが、どれもまだ初期段階で改良が続けられている。
たとえば、Windowsのユーザーアカウントコントロール警告が出て、それを現実のモニターでいちいち消さないといけないなどの小さな不具合がたくさんある。
人々の理想に近いバーチャルデスクトップへの道はまだまだ流そうだが、MicrosoftがWindows 10にホログラフィック機能をつけるなど、新しい試みも開発されており、これからもさまざまなオプションが登場するだろう。
参照元サイト名:roadtovr
URL: http://www.roadtovr.com/virtual-reality-desktop-compared-oculus-rift-htc-vive/2/
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