2022年12月の初め、Valve社が運営する世界最大のゲームプラットフォームSteamのストアページで、VRゲームに関する表示方法に変更が加えられました。
長年「どのVRゴーグルに対応しているか」が表示されていたものが、ゲームがVRに対応していることを示す表示のみになっています。
VR対応に関する情報の表示が整理・合理化
この変更が話題となったのは、従来ゲームのSteamストアページの右側にあった「VRサポート」の項目が削除され、「Tracked Motion Controllerサポート」だけが残っているように見えるためです。
Steamを運営するValve社はテック系メディアRoad to VRの取材に対し、情報は削除されたのではなく、単に整理・合理化されたもので、ストアページ全体に変更が正しく行き渡るのに少し時間がかかっただけとしています。
ゲームに対応している全てのVRゴーグルやVRプラットフォームを表示する代わりに、開発者は
「VR専用(VR Only)」
「VR対応(VR Supported)」
「モーションコントローラトラッキング対応(racked Motion Controller Support)」
を表示することを選択できるようになりました。
さらに、システム要件セクションにおいて、どのVRゴーグルやプレイスペースをサポートするかを追加で指定することができます。
表示の実例
実際にどのような表記があるか見ていきましょう。
例えば、『Half-Life: Alyx』では、ページの右側に「VR専用」と「モーションコントローラトラッキング対応」と記載されています。
システム要件には「VR Support: SteamVR」とあり、このゲームはすべてのSteamVR対応のVRゴーグルに対応していることが確認可能です。
また、『Dirt Rally 2』は、ページの右側に「VR対応」を使用し、システム要件の下に「VR Support.SteamVR」と表示されています。
注目すべきは、右側に「モーションコントローラトラッキング対応」が記載されていないことです。
つまり、プレイヤーはこのゲームでVRコントローラを使用できず、代わりにキーボードやゲームパッドなどを使わなければならないことになります。
「成長するVR市場に対応する」ための変更
Valve社によると、今回の表示の変更は「成長するVR市場に対応する」ために行われたとのことです。
また同社の広報担当者は、「旧システムは、成長するVR市場にうまく対応できていないことがわかったため、少し異なる方法で整理することにしました」と説明しています。
以前のシステムでは、特定のVRゴーグル(「Valve Index」、「Oculus Rift」、「HTC Vive」)がVRゴーグルのプラットフォーム全体(「Windows Mixed Reality」)と一緒に表示され、紛らわしいものとなっていました。
その一方で、「Pico」や「Pimax」のような最新のVRゴーグルが無視されていたため、これらのVRゴーグルのユーザーにはさらなる混乱が生じていました。
対応するVRゴーグルを列挙するかわりに、VRに対応することを表示することでユーザーにとってよりわかりやすいものとなります。
まとめ
SteamのVRゲームに関する表示に変更が加えられました。
Valve社はこの変更について、VRゲームを取り巻く環境に対応するための施策としています。
正確な内部事情はわかりませんが、これらの点からすると、同社が挙げた理由は外から見ても納得できるものと思われます。
とはいうものの、この変更のタイミングが唐突すぎると感じているVRゲーマーは少なくないようです。
また、意欲的なVRゲームスタジオが数多く勃興しているのに対し、ここ最近のValve社はVRゲームに消極的だと思われてきただけに、「なぜ今?」との困惑があるように思われます。
参考:Valve Explains Changes to How VR Support Appears on Steam Store Pages[Road to VR]
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