ウクライナ戦争など、近年の戦争、武力衝突ではドローン兵器が使われることが増えています。
そのため、各国の国防では対ドローン兵器に対応するためのトレーニングの重要性が増している状況です。
そんな中、VR技術が用いられた対ドローンのトレーニングソリューションが登場しています。
ウクライナ戦争をきっかけに重要性を増すドローン兵器対策
今月初め、ドローン対策企業のDroneShield社は、戦術的トレーニングソリューションを手掛けるOperator社と提携し、新しいVRベースのトレーニングシステムを開発したと発表しました。
同社CEOのOleg Vornik氏は、ウクライナ戦争においてウクライナ・ロシア双方が小型ドローンによる攻撃を多用していることから、対ドローン産業が急速に成長していくと分析。
続けて、対ドローン産業の発展の中で、対ドローン戦術とシステムオペレーターのトレーニングソリューションの新たなニーズが発生していると述べています。
また、同社と提携したOperator社のCEO、Wayne Jones氏は、「今日の戦場は急速に進化しており、前線の防衛者があらゆる状況に対応することは困難です」とコメントしています。
そんな中、開発された新システムは、軍や法執行機関の職員に、それぞれの職務に合わせてカスタマイズされたドローン攻撃のシナリオを仮想空間で体験させるものです。
VR空間で効率的な訓練が可能に
Droneshield社によると、このシステムではVRゴーグルを装着し、付属する同社のドローン対策用兵器の
・DroneGun Tactical
・DroneGun MKIII
の効果的な使用法を学ぶことができます。
また、専用のインストラクタータブレットもパッケージには含まれていて、このタブレットを使って指導員はユーザーの仮想空間でのパフォーマンスをモニタリング可能です。
インタラクティブな事後検証を行い、あらゆる角度からシナリオを再生し、即座にフィードバックを与えることができます。
前述のWayne Jones氏は「軍や法執行機関は、現実的な仮想環境において、こうした新しい状況に対応するための訓練を迅速に行うことができる」とし、その効果について胸を張りました。
まとめ
近年、ウクライナ戦争に限らずさまざまな国家間の武力衝突でドローン兵器が用いられることが増えました。
そのため、ミサイル防衛などと並んでドローン防衛が重要度を増しています。
とはいえ、ドローン対策は人の手によるところが大きく、訓練も難しいというのが現状のようです。
そんな中で、安全に何度でも訓練できるVRがやはり注目されています。
VRの軍事利用には様々な意見がありますが、人の命を守るための技術利用ともいえるので難しいところですね。
参考:How VR Is Being Used For Counter-Drone Training[VR Scout]
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