今年6月に開催されたアップルのWWDC 2022では大方の予想に反し、仮想現実にはほとんど触れられることはありませんでした。
しかし、iOS16ではモバイルARのための3Dルームマッピングツールが静かにリリースされています。
簡単に3D間取りが作成可能に!
Follow along as I do a series of structured @Apple RoomPlan tests and share my findings/notes in this thread.
First up, I tried tricking RoomPlan with a large mirror. Surprisingly it wasn't fooled! Also, it was way off on french doors height.#WWDC22#AR#ARKit#AI@Scobleizerpic.twitter.com/R4hJbO57Km
—Jonathan Stephens (@jonstephens85) June 7, 2022
今回登場したのは「RoomPlan」と呼ばれるARKit向けのswift APIです。
RoomPlanはiPhoneとiPadのカメラとLiDARスキャナを使って、寸法や家具の種類といった特徴を含む部屋の3D平面図を作成します。
空間コンピューティング企業EveryPoint社のジョナサン・スティーブンス氏はRoomPlanの実力についてTwitter上で報告しました。
RoomPlanの特徴は、これまで同じような機能を持ったアプリでは難しかった
・雑然とした空間
・開いたり閉じたりするドアや窓
・その他複雑な構造の建築物
などのシチュエーションでも適切に対応できるところです。
ただし、全ての間取りがスムーズというわけではなく
・吹き抜けの天井
・壁の開口部
・玄関のような多層階
などは正しく認識するのが困難と思われますが、それでも精度の高い自動補正機能を見せています。
現時点では専門家やアプリ開発者向けに
非常に高い実力を発揮するRoomPlanですが、これは消費者向けではないようです。
アップルによると、現時点ではコンセプトの検討やプランニングを行う
・建築デザイナー
・インテリアデザイナー
など専門家や不動産やeコマースのアプリ開発者に向けたものとなるようです。
壁や収納器具など、部屋の中で認識された各コンポーネントの寸法と検出された家具の種類は、USDまたはUSDZファイル形式で出力します。
個々のコンポーネントの寸法や配置は、
・Cinema 4D
・Shapr3D
・AutoCAD
などの様々なUSDZ対応ツールにエクスポートして微調整することも可能です。
まとめ
アップルがAR機能を活用した新しい3Dマッピングツールを発表しました。
WWDC 2022では仮想現実や拡張現実に関してほとんど発表がなかったものの、高精度な空間マッピング機能の登場は希望を感じさせます。
というのも、AR/MRデバイスの開発を進める上では、空間マッピングの進歩が不可欠だからです。
特にアップルが既存のプラットフォームを使ってRoomPlanを開発したことを見ると、同社によるARデバイス開発がある程度順調に進んでいると見てよさそうですね。
今後のアップルの動向に要注目です。
参考:Apple Quietly Released One of The Most Impressive AR Room-mapping Tools[Road to VR]
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