KDDI株式会社と東急株式会社が連携して参画した、AR・VR技術を活用した都市DXプラットフォームの開発に向けた技術実証実験が、インフォシティグループ統括のもとスタートアップ3社により2022年3月2日に実施され、成功したことが発表されました。
今回の実証実験では、テレポート株式会社、MasterVisions株式会社、Connected Design株式会社の3社が支援先に選定されており、二子玉川ライズにてAR・VRナビによる直感的なリアルタイムの情報取得や、離れた場所から自由視点映像でレッスン参加するといったことが可能であることが実証されています。
「都市DXプラットフォーム」実証実験を実施
今回実験が行われた「都市DXプラットフォーム」とは、先端技術を用いることで
”離れた場所”
”現地”
をシームレスに融合した地域情報の共通サイトのことです。
今回の実証実験では、テレポート社が提供するコミュニティエンジンに
・KDDI社の「au XR Door」
・Connected Design社の「IoTセンサ」
・MasterVisions社の「自由視点映像」
といった技術を統合することに成功しています。
これにより、AR・VRナビゲーションや自由視点映像によるレッスン提供が可能になっています。
AR・VRナビゲーションについて
ナビゲーション機能は、離れた場所からはVRで、また現地ではARで表示されるというもので、ユーザーは自身のスマホのウェブブラウザに
街の風景に重ねた施設の店舗や目的地の情報
が表示されるので、直感的に把握することが可能となります。
地域の施設や店舗運営者はAR・VRナビゲーション上に
お勧め商品やクーポン
を表示させることができるようになるだけでなく、
IoTセンサを通じてリアルタイムに施設の空き状況を表示する
ことも可能です。
ユーザーは、表示されるリアルタイムの施設状況を把握することで離れた場所からも現地と時差なく、
レンタルスペースやフィットネスクラブなどの申し込み体験が可能
となります。
自由視点を用いたレッスン体験について
自由視点を用いたレッスン体験では、離れた場所から参加するユーザーがレッスンを、あらゆる角度からリアルタイムに視聴することができることにより、
現地の講師とのよりシームレスなコミュニケーション
を実現しています。
また、現地でリアルなレッスンに参加したユーザーには
体験映像を自由視点動画にして渡す
といったサービスも可能で『参加者と運営者双方の充実度向上』が期待できます。
技術実証実の概要
実験実施の背景
東京都では、5G技術活用型開発等促進事業「Tokyo 5G Boosters Project」を推進しており、この事業の開発プロモーターに採択されたのがインフォシティグループです。
インフォシティグループが支援先スタートアップ企業を選定して主体となる都市とともに、地域のDXを推進するプロジェクト「DX Yourself」の第二弾として、今回の実証実験を実施しています。
なお、この実験には、5G・XR技術提供をするKDDIと実証フィールドを提供する東急が連携事業者として参画しています。
各社の提供する技術について
今回の実証実験では、各社の技術とKDDIが提供する360度のVR空間を自由に歩き回れる「au XR Door」を融合することに成功したことで、従来であれば数か月を要する
”離れた場所と現地のVR活用によるシームレスな連携による体験提供”の構築
を、数日という短期間で実現しています。
検証実験の詳細について
今回の実証実験は、2022年3月2日に二子玉川ライズのイベントスペース「ガレリア」、オープンイノベーションのための共創スペース「カタリストBA」、フィットネスクラブ「アトリオドゥーエ二子玉川」をフィールドに実施されました。
検証環境には5Gの通信環境と5G対応スマートフォンが採用され、IoTセンサや自由視点映像撮影システムなどスタートアップ企業3社とKDDI技術の連携手法に関する検証が行われています。
そのほかにも、
”連携によって構築した地域DXアプリケーションのUX検証”
”地域DXアプリケーションによるリアル・リモート融合参加型プログラムの商用化課題検証”
が検証項目となっています。
今後の展開について
今回の実証実験においては”商用化に向けた課題”が抽出されており、この課題のクリア後は、2022年夏に一般ユーザー参加の二子玉川エリアにおけるサービス実証が予定されています。
また、東急が展開する商業施設などにおける商用化を目指した取り組みも推進していくとしています。
まとめ
東急が運営する二子玉川ライズにおいて、都市DXプラットフォームの技術実証が2022年3月2日に実施された事が発表されました。
今回の実証実験では、インフォシティグループ統括のもと、KDDI・Connected Design・MasterVisions・テレポート各社の技術を融合し、”AR・VRナビゲーション”や、”自由視点映像によるレッスン提供”に成功しています。
今後は、一般ユーザーによるサービス実証を経て商用化を目指していくとのことです。
リアルタイムの混雑状況を確認しながら、現地に足を運べる時はリアルで、足を運べない時はVRでと選択肢が広がると、ユーザーの幅も広がりそうなニュースですね。
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