株式会社理経は2022年3月16日(水)、MS&ADインターリスク総研株式会社が水害リスク調査において使用する、AR技術を搭載した専用タブレット端末を共同開発したことを発表しました。
このシステムでは、専用タブレットのカメラで実際の風景に水害による浸水状況をCGで重ね合わせることができ、より具体的な被害想定をすることが可能です。
ARで水害リスクを調査するタブレットを開発
今回理経とMS&ADインターリスク総研が共同開発した専用タブレット端末には、神奈川歯科大学XR研究所所長の板宮朋基教授が技術協力しており、水災ARソフトウェアが搭載されています。
このタブレットはMS&ADインターリスク総研が行う水害リスク調査で使用されるもので、調査で訪問した
・工場
・商業施設
・公共施設
などで専用タブレットをかざし、カメラ映像に水害による浸水状況をCGで重ね合わせることができます。
ハザードマップで想定されている浸水や、過去の水害被害時における浸水の深さを投影することによって建物や設備の浸水状況をリアルに再現することができ、水害の脆弱性の評価や防災対策の検討をより具体的に行なうことができます。
水害時の予想画像を作成して報告
MS&ADインターリスク総研が専用タブレットを用いて行う水害リスク調査では、調査員が水害リスク調査時に専用タブレットを持参し、調査対象の
・建物
・機械設備
などに想定される浸水状況のCG画像を重ねあわせた写真を撮影。
具体的な予想被害状況を可視化します。
ここで表示される浸水深は、ハザードマップで想定されている数値だけでなく任意で設定することも可能で、
・ハザードマップが公表されていない箇所
・調査依頼者が希望する浸水シナリオ
・過去の罹災記録
などに応じた画像を作成することも可能です。
撮影された画像は調査後に提出されるリスク調査報告書に掲載され、水害リスクの改善提案に使用されていきます。
こうすることによって、建物出入り口への止水板設置や製造設備のモーター・電源盤の移設など、検討が必要な水害防止対策をより具体的にイメージしやすくなります。
水害リスク調査サービス提供方法
この調査サービスは、
・三井住友海上火災保険
・あいおいニッセイ同和損害保険
を通じて提供されるほか、MS&ADインターリスク総研が直接受託するリスクコンサルティング業務でも提供されていきます。
多発する水害の低減を目指す
台風や豪雨による水害被害が多発している現在、MS&ADインターリスク総研では三井住友海上火災保険・あいおいニッセイ同和損害保険を通じて、工場や商業施設などの水害被害低減のための現地調査を実施しています。
水害リスクの啓発や水害防止対策の検討をするにあたっては、ハザードマップで想定されている浸水深や過去の罹災時の状況をその場でリアルに再現し、視覚的に感じてもらうことがより効果的とされています。
今回技術協力した神奈川歯科大学の板宮朋基教授が有するAR技術では、タブレットで撮影した目の前の風景映像に任意の深さの浸水状況をCGで投影することが可能で、より具体的な被害予想と認識ができることから、今回のリスク調査に特化した専用タブレット端末が共同で開発されたということです。
まとめ
災害を疑似体験するVRコンテンツに知見を持つ理経とMS&ADインターリスク総研が今回、水害リスク調査に特化した専用タブレット端末を共同開発しました。
このタブレットにはAR技術が搭載されており、カメラに写された画像へハザードマップや過去の記録で想定される浸水状況をCGで重ね合わせ、より具体的な被害状況をイメージすることができます。
水害対策が急務となっている今、対策の検討に必須となりそうなシステムですね。
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