スウェーデンのhemVR ABが、コロナ禍で筋力低下リスクが高まる中、VRでどこにいても同じ空間でフィットネスバイクができる「ヘムVR」を、2022年1月31日(月)より販売しています。
ここでは付属のセンサーを靴下に装着して使用するため、どんな室内バイクにも対応することができ、また同時に最大3名まで会話することもできるため、遠く離れて暮らしている家族や友人と一緒に運動することができます。
介護・リハビリに使えるVRが発売
今回販売が開始された「介護向けサイクリングVRキット」は、スウェーデンに拠点を置くhemVR AB(ヘムVR)社が開発・販売する介護・リハビリ用のVRシステムで、
・特許取得済VRヘッドセット
・小型モーションセンサー
・アプリ
がセットになっています。
利用者はセンサーを靴下に装着し、アプリをインストールしたスマホをVRヘッドセットに装着。
そのヘッドセットを被って室内バイクを漕ぐことで、VR空間を通してのリハビリ運動を行うことができます。
価格は25,000円で、Amazonにて購入することができます。
VR運動でフレイルの進行を抑える
日本での75歳以上の後期高齢者における要介護の原因の1位は虚弱(フレイル)であると言われており、この状態は生活を見直すと改善することが見込まれています。
75歳以上のうち35%がフレイルと診断されており、この状態になると2年間のうちに要介護状態になるリスクは健康な人に比べて4.8倍になるとも言われています。
後期高齢者のフレイル進行の対策としては、高齢者のコミュニティの場や通いの場などの利用が推進されているものの、歩行状態の悪化や体力低下のため困難となるケースが散見されているのが現状で、そういった背景から今回のシステムが開発されており、これらの普及によって日常生活における動作の改善し、コミュニティの場や通いの場などでの活動に参加でき、高齢者の行動変容を促すためのソリューションとなることが期待されています。
また、フレイル予防には
・栄養
・運動
・社会参加
三つの柱があると言われており、本製品ではその内「運動」と「社会参加」を提供しています。
自宅で手軽にトレーニング可能
本製品では、さまざまな理由でジムや運動教室に通うことのできない高齢者や低体力者でも、自宅などで適切なトレーニングを実施できようになっています。
またVRを用いた交流も可能で、フィットネスバイクでの有酸素運動の効果はもとより、外出することなく運動ができる点や他者との交流等社会性が担保できる点が、フレイル予防において非常に有効であると考えられています。
その特徴は以下の3つ。
家族や友人と触れ合える
本製品では同時に最大3名まで会話することができ、遠く離れて暮らしている家族や友人と一緒に運動することもできます。
離れている相手とVR空間の相手アバターは同じ頭の動きをし、相手が右(こちら側)を見るとアバターもこちら(右)を見るような仕掛けになっています。
さらに同じ空間で話すことで相手の存在を感じ、直接会っている感覚により近い体験ができます。
日本国内のみならず世界どこからでも参加可能なため、大切な家族や友人などと会う機会も確保でき、高齢者の運動に対するモチベーションを維持することが期待されています。
20以上の風景の中でフィットネスバイクを体験
製品にはCGや実写などを利用した20以上の風景が用意されており、それぞれのVR空間の中でフィットネスバイクを体験することができます。
VRゴーグルを装着して室内バイクを漕ぐと、ゴーグルに映し出される映像と装着しているセンサーが連動して外を移動している感覚を味わうことができます。
そのためVR空間で自身がサイクリングしているような感覚になり、飽きることなく時間を忘れて有酸素運動に取り組むことができます。
1人用アプリ(3種)も用意されており、ゲーム要素のあるアプリや景色を楽しみながら進んでいくアプリなどを単独で楽しむことも可能で、走行距離や取り組み時間などが蓄積されていくシステムも搭載されています。
手軽に利用可能
本製品は手軽に利用できるのも特徴で、アプリをインストールしたスマホをヘッドセットに入れるだけで使えます。
あとは小型センサーを直接足に装着する(靴下などに入れる)だけなので、
・ペダルのみのタイプ
・背もたれのあるタイプ
などどんな種類の室内バイクでも使用可能です。
またパソコンもコードやケーブル類が不要で、簡単に装着できる上にVRと連動するため、自宅や介護施設などでの利用などシュチュエーションを選ばない手軽さがあります。
まとめ
スウェーデン発の介護やリハビリに使えるVRシステム「介護向けサイクリングVRキット」がアマゾンで販売されています。
このシステムでは離れた家族と同じ空間で一緒に運動することも可能で、運動とコミュニケーションに使えるフィットネスバイク全機種対応の運動用VRとなっています。
運動機能の維持とコミュニケーションは認知機能の維持にも大切なことですが、今高齢化で社会問題となっていることの抑制にも役立ちそうですね。
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