2021年11月30日、Meta(旧:Facebook)はQuest2のバージョン35と呼ばれるソフトウェアアップデートを同日より段階的に開始することを発表しました。
最新バージョンではVRゲームの映像と自分の姿を合成できる機能や、Messengerでの通話機能などの新機能が追加されることになります。
以下、追加される機能について見ていきましょう。
複合現実のキャプチャ機能
今回のアップデートの目玉機能として取り上げられているのが、スマホのOculusアプリに追加される「モバイル複合現実カメラ」です。
この機能では、Quest /Quest2でVRゲームをプレイしている現実の自分の様子を専用の機器や技術的なノウハウ不要でゲーム内の風景に重ねることができます。
5月のバージョン29アップデートで追加された「ライブオーバーレイ」機能と似ていますが、これはヘッドセットの視点からの映像にスマホで撮影した自分を重ねるにとどまるものです。
モバイル複合現実カメラはゲーム内の自分の位置と現実の自分の位置が同期した、完全に複合現実的な映像を撮ることができます。
この機能を利用することで、「例えば『Pistol Whip』で実際に弾を避けている自分の姿を見ることができ」るなど、お気に入りのVRゲームやアプリ内で自分の映像を見たり、録画したり、共有することが可能です。
現在、モバイル複合現実カメラ機能は
『Beat Saber』
『SUPERHOT VR』
『Pistol Whip』
『Synth Riders』
など、約12種類のゲームやアプリに対応しています。
VRでのMessanger通話が可能に
VRでのMessenger通話機能はConnect 2021にて発表された新機能の中で最初に実現したものです。
MetaのVRチームは、Questを利用するFacebookの友達とヘッドセットを持っていない友達の双方にとってVR内でのコミュニケーションをより簡単にすることを目指してきたとしています。
2021年初頭にはMessengerを使ったテキストチャットが可能になりましたを開始しましたが、キーボードが近くにないとタイピングが面倒という難点がありました。
音声通話機能が追加されたことによって、Messenger対応のプラットフォームでQuestを起動したまま友達と通話することが可能です。
例えば、『Onward』の仲間にペースアップを指示したり、『Puzzling Places』でフランスの海辺の風景を組み立てる間に家族と何気ないおしゃべりを楽しんだりすることができます。
バーチャルオフィスのカスタマイズが可能に
8月に導入された「Horizon Workrooms」にも新機能が追加されました。
「Horizon Workrooms」ではチームがバーチャルオフィスに集まってミーティングやブレインストーミングを行い、一体感や集中力が削がれるというリモートワークの問題点を解決することができます。
今回「Horizon Workrooms」に追加されたのは、バーチャルオフィスの環境をカスタマイズする機能です。
最初に複数のデフォルトのオフィス環境から選択し、会社のロゴを追加したり、カスタムポスターで装飾して、無味乾燥なバーチャルオフィスを居心地良い場所に変えることができるようになります。
Metaは同社の考えるメタバース環境について、
メタバースとは、現実世界のあらゆる場所と同様に、利用者する人々によって作られ、カスタマイズされた場所のことです。
居心地の良い空間を見つけていただきたいですし、もしそうではない場合はそういった場所を作っていただきたいと思います。
引用:Oculusブログ
としており、今回の「Horizon Workrooms」アップデートもその一環であるとのことです。
また、この原則は今後「Horizon Home」を含むプラットフォームの他の部分にも適用されていくとしています。
「マルチユーザー」と「アプリ共有」が標準機能に昇格
バージョン26アップデート以来テスト機能として提供されてきた「マルチユーザー」と「アプリ共有」が標準機能となることも発表されました。
例えば、家族で1台のQuestを共有して利用する場合にそれぞれのアカウントを作ることができ、
・友達リスト
・ブラウザの履歴
・プライバシー設定
・ロック解除パターン
・ゲームの進行状況
などを別々に管理することができます。
そのため家族にスコアを更新されたり、勝手に進行されるといったことがなくなり、自分以外の人にゲームの楽しさを台無しにされずにすみます。
「アプリ共有」機能では、Questを共有して使っている家族も有料アプリを利用することができ、同じコンテンツを新たに購入する必要がなくなりました。
クラウドバックアップ
画像:Oculusブログ
Connect2021で発表された「クラウドバックアップ」機能も追加されます。
これまではすべてのデータがQuest本体に直接保存されていたため、デバイスを交換したり、工場出荷時のバックアップを実行したりすると、すべてが失われるリスクがありました。
そこで、ゲーム進行状況と設定をクラウドに保存することで、スムーズに新しいデバイスでもゲームを続けられるようになります。
クラウドバックアップは、正常に動作することを確認するために、時間をかけて追加されていくことになりますが、Metaは「出来るだけ早く全員にお届けできるよう努力」しているとのことです。
まとめ
Metaがバージョン35ソフトウェアアップデートを提供開始することを発表しました。
会社名がMetaに変わり、いつの間にか公式サイトからOculusが消えてしまいましたが、Questを便利にするためのアップデートは引き続き行われています。
今回のアップデートではユーザー同士のコミュニケーションの向上や「Horizon Workrooms」の機能追加などメタバース体験に関するものも多くみられました。
これからのアップデートでもメタバース関連の機能が追加、改善されていくのではないでしょうか。
次回以降のアップデートも注目ですね。
ソース:Oculusブログ
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