Facebookは開発をすすめてきたソーシャルVRプラットフォーム「Facebook Horizon」からブランドを削除し、メタバースとしてのコンセプトを適切に表現するため「Horizon Worlds」に変更しました。
さらに、「Horizon Worlds」の発展を加速させるべく、クリエイターを支援するための1,000万円(約11億円)基金(ファンド)の設立を発表しました。
「Facebook Horizon」が「Horizon Worlds」に名称変更
FacebookのソーシャルVRスペースであるHorizonは、2年以上前に「Facebook Horizon」として発表されたものです。
とはいえ、完全な立ち上げの確固たるロードマップがなく、昨年は特に大きな動きはなくにクローズドベータ版のままでした。
ベータ版を体験したユーザーはFacebookの目指す方向性がソーシャルVRアプリの「Rec Room」と「VRChat」の間のスイートスポットを目指していたことに気づきました。
Facebookはソーシャルアプリケーションを成長させるための新しいツールを開発し、
・誰もが楽しめるミニゲーム
・多彩なアクティビティ
・個性豊かなワールド
などの体験をクリエイターが参加して作り上げることをサポートしてきました。
クローズドな環境でありながらクリエイターはすでに数百ものワールドを作成し、ユーザーコミュニティ主導のソーシャルVR空間が形成されています。
そこで、Facebookは構築ツールをさらにアップグレードし、プロジェクト全体からFacebookを削除し「Horizon Worlds」と呼ばれるようにブランド変更することを決定しました。
これは、最近導入された Horizon Workroomsとの適合性を高めながら、メタバースのコアコンセプトから「Facebook」の色を遠ざけるためと思われます。
「Horizon Worlds」のクリエイター支援の基金も設立
さらにFacebookは「Horizon Worlds」のコンテンツを構築するクリエイターを支援するための1,000万ドル(約11億円)の基金の設立を行いました。
Facebookがどのように資金を分配する予定であるかに関してはまだ不明確なままですが、現在のところ3つの方法が例示されています。
コミュニティコンテスト
1つ目は、今年後半に開始されるクリエイターコンペティションです。
各コンテストでは、最大$ 10,000の賞金が提供され、1位、2位、3位の勝者の間で共有されることになります。
それぞれが獲得する金額は明らかにされていませんが、「本当にクールな世界を構築すること」が求められるようです。
アクセラレータプログラム
Horizon Worlds Creator Accelerator Programを通じて、クリエイターは卓越するための重要なスキルを学ぶことができます。
アプリケーションベースのコースでは、さまざまなバックグラウンドを持つ人々にHorizon Worlds作成の高度なノウハウを提供するように設計されるとのことです。
サードパーティーの開発者への資金提供
Facebookはすでに外部の開発者と一緒に働いて、Horizonのためのコンテンツの大規模な実験を始めています。
今年の初めには関係者が2〜4人用の協力的なミニゲームを構築したとのことです。
次のテーマはまだ発表されていませんが、提携に興味のあるスタジオやソロ開発者は資金提供を受けたプロジェクトへのサインアップが受け付けられています。
まとめ
長らく目立った新情報がなかったFacebookの「Horizon」プロジェクトが大きな進展を見せました。
Facebook単独のVR SNSではなく、より大きなスケールのメタバースとして「Horizon Worlds」に生まれ変わりました。
とはいえ、まだHorizon Worldsはベータ版であり、正式オープンのためにはさらなる進化が必要になります。
Horizonチームはこの進化のためにクリエイターとプレイヤーの両方によるエコシステムの構築が重要です。
そのために1,000万ドルのファンドも設立され、オープンに向けての準備も加速していきそうです。
今月末に開催予定のFacebook Connect2021において何らかの発表があることに期待したいですね。
参考:Facebook Encourages Creators To Horizon With $10m Fund[VR Focus]
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