宇宙開発に関わる投資と研究を行っている株式会社スペースデータは2021年9月8日(水)、衛星データとAIを活用してVR空間に「世界」を自動生成するプロジェクトのクラウドファンディングを開始したことを発表しました。
支援者へのリターンとして、AIが自動生成する”バーチャル世界”の都市へ看板が設置される権利が用意されています。
衛星データとAIでVR世界を自動生成するプロジェクト開始
今回スペースデータ社が行っているプロジェクトは、衛星データとAIを活用してVR空間上に都市を再現、バーチャル世界を自動生成するもので、その実施に伴いクラウドファンディングが”CAMPFIRE”にて開始されています。
プロジェクトは人類が仮想空間で生活するための未来のインフラの整備を目指しており、プロジェクトの支援者には
・AIが自動生成するバーチャル世界に希望する看板を設置
するリターンが用意されています。
このプロジェクトは、都市計画など様々な産業に大きなインパクトを与える技術と捉えられているものの、長期にわたる継続的な研究開発が必要で、短期での収益化を狙うようなビジネスとも異なるために、日本国内の投資ファンドやベンチャーキャピタルの投資対象にはなりにくいとスペースデータ社は考えているとのことで、そういった背景から同社のビジョンに共感するスポンサーを直接募集するために今回のクラウドファンディングが実施されています。
なおリターンについては、個人・法人問わずどちらでも対応可能となっています。
衛星データからVR空間に世界を自動生成するAI技術
同社では現在、衛星データと3DCG技術を活用してVR空間上に「もう1つの世界」を自動生成するAIの開発が進められています。
人工衛星から取得できる地上の静止画像と標高データに機械学習を行い、さらに地上の構造物を自動で
・検出
・分類
・構造化
した上で、AIに地上の3Dモデルを自動生成させるというもので、3DCG技術によって石や鉄・植物・ガラスなどの細かな材質も自動的に再現しています。
今開発が進められているAIアルゴリズムは、”グーグルアース”に代表される従来の3D地球儀が苦手とする人間視点(一人称視点)での3Dモデルを自動生成することを得意としており、近い距離でも景観が劣化しにくくリアルに再現されているため、
・VRゲーム
・映像制作
といった三次元空間を人間の視点で動き回るような用途にも活用しやすい利点があります。
この技術は、衛星データに機械学習をかけて地上に存在する物体の種類や形状・色・材質・高さ・広さ・役割など、いわゆる”構造物の意味”をシステムに一度理解させた上で3Dモデルに再変換をかけているため、VR空間上で物体に近づいても景観を劣化させずに表現することが可能になっています。
今後はAIによって自動生成された地球の様々な地域の3Dモデルを公開し、誰でも無料で使えるように無償提供されていく予定になっています。
クラファンには4つのリターンが用意
今回CAMPFIREで実施されているクラウドファンディングは目標金額を500,000円としており、支援者には金額に応じて4つのリターンが用意されています。
スペシャルサンクスに開発協力者として掲載
3,000円のコースでは、今後にリリースが予定されているバーチャル世界の3Dモデルがダウンロードできるサービスサイトにおいて、特設ページに掲載されるスペシャルサンクスの開発協力者として、名前と指定のリンクが半永久的に掲載されます。
バーチャル東京のビル入口に看板を設置
30,000円のコースでは、AIが自動生成する東京都内のビルの3Dモデル入口に、指定の画像が看板広告として一定の確率で表示されます。
サービスが継続する限り半永久的に掲載が続けられ、3Dモデルがダウンロードされて様々なサービスに使われるほど露出が増えていきます。
バーチャル東京のビル屋上に巨大看板を設置
150,000円のコースでは、AIが自動生成する東京都内のビルの3Dモデルの屋上の巨大ビルボードに、指定の画像が看板広告として一定の確率で表示されます。
こちらもサービスが継続する限り半永久的に設置され、3Dモデルがダウンロードされて様々なサービスに使われるほど露出が増えるようになっています。
バーチャル日本の全国主要駅周辺に看板を設置
300,000円のコースでは、AIが自動生成する日本全国の3Dモデルの主要駅周辺ビルの側面や屋上に、指定の画像が看板広告として一定の確率で表示されます。
こちらも150,000円コースと同様、サービスが継続する限り半永久的に設置されます。
<実施スケジュール>
10月15日:クラウドファンディング終了
10月16日~12月末:支援者への連絡と素材の提出を依頼
2022年7月までに3Dモデルをダウンロードできるサービスサイトを一般公開
まとめ
宇宙開発に関わる投資と研究を行っているスペースデータ社が、衛星データとAIを活用してVR空間上に”バーチャル世界”を自動生成するプロジェクトを開始し、そのクラウドファンディングを10月15日まで実施しています。
このプロジェクトは衛星データとAIを使って現実世界と瓜二つの”もう1つの世界”をVR空間に再現するもので、デジタルツインとメタバース時代のインフラを目指しています。
クラウドファンディングのリターンには、自動生成されたバーチャル世界に指定画像を看板として設置するなどが用意されており、全世界に向けて公開されたときに露出が増えるようになっています。
今世界中の各方面から注目されている、現実世界と瓜二つの仮想世界を作って様々なシミュレーションに役立てる「デジタルツイン」ですが、衛星データとAIを使うことで広範囲に、またよりリアルに再現できそうですね。
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