ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は9月8日、PSVR用ゲーム『THE PLAYROOM VR 』などを手掛けたゲームスタジオFiresprite社の買収を発表しました。
英国のリバプールを拠点とする同社はPlayStation Studiosの14番目のスタジオとして加入することになります。
なお、買収額など詳しい条件については公表されていません。
PlayStationとつながりが深いFiresprite社
今回買収されたFiresprite社はPlayStationで長い歴史があります。
同社の原点は初代PSから続く『ワイプアウト』を制作してきたSIEのStudio Liverpoolです。
2012年にStudio Liverpoolが閉鎖されてから、同スタジオの代わりにクリエイティブ面を担い、
PS4用の『プレイルーム』
PSVR用の『THE PLAYROOM VR 』
など、8年にわたってPlayStationのゲーム開発に携わってきました。
Firesprite社の最大のIPである『ザ・パーシステンス』は、毎回変化するステージを舞台にしたステルスホラーゲームであり、PSVRの新しい楽しみ方を提示したといわれています。
SIEのPlayStation Studios 統括責任者のハーマン・ハルスト氏は以下のコメントを発表しました。
Firespriteのメンバーには、ソニー・インタラクティブエンタテインメントのStudio Liverpoolの出身者も多く、再び迎え入れることができてとても嬉しく思います。
Firespriteはクリエイティブで熱意あふれるスタジオであり、PlayStationのハードウェアの潜在能力を引き出す、素晴らしいゲーム体験を生み出すことに長けています。
このチームの技術力と創造力は素晴らしく、PlayStationの独占タイトルのラインナップ強化に欠かせません。
PSVR2の開発が最終局面か?
Firesprite社がPlayStationStudiosの一部になったことで次に何が起こるかについては、開発者は厳しい状況にあると思われます。
とはいえ、これは職を失うといったネガティブなものではなく、誰も見たことがない体験を提供するためのクリエイティビティを最大限発揮する必要があるという意味です。
同社の公式サイトの求人ページには
「ナラティブアドベンチャー」
「アクションシューター」
の欠員がリストに加わりました。
Firesprite社のマネージングディレクターのグレアム・アンカース氏は以下のようなコメントを発表しています。
これからはファーストパーティースタジオとして、PlayStationの全面協力のもと、創造力と新たな技術が融合した実にユニークな体験を、PlayStationファンの皆さんにお届けすることができます。
同社のVRに関する専門知識を考慮すると、今回の買収は2022年に予定されているPSVR2の発売に向けて準備が整っている可能性が高いと各メディアは推測しているようです。
関連記事:ソニーがPS5向けの次世代PSVRを発表!発売は2022年以降に
まとめ
『THE PLAYROOM VR 』のFiresprite社がPlayStation Studiosのスタジオとして加わることになりました。
会社の設立経緯を考えても、もともと同社とSIEのつながりは非常に深くあえて買収する必要もないように思えます。
しかし、『ザ・パーシステンス』の2D版がSwitchなどライバルハードからリリースされたこともあって、SIEとの関係をより強化することを考えたのではないでしょうか。
PSVR2が注目を集めるタイミングでのVRゲームの開発にたけたスタジオを買収したことも注目です。
次世代PSVRの開発がほぼ終わり、発売に向けて独占タイトルの強化というフェーズに移行しているとの見方があるようです。
いずれにしてもPSVR2に関する動向に注目ですね。
ソース:PlayStation Blog
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