コクヨ株式会社は、同社が運営する「働く・暮らす」の実験場である「THE CAMPUS」内に併設しているショップ「THE CAMPUS SHOP」において、AR技術を活用したデジタルアナログ融合コンテンツの実証実験を開始したことを発表しました。
本実証実験には、ソニーセミコンダクタソリューションズ社が提供する、高性能なAR体験を実現するソリューション「AR MAPソリューション」が、国内で初めて活用されています。
実証実験について
今回の実証実験は、コクヨ社が運営する「THE CAMPUS SHOP」の店舗内で、タブレット端末の画面にARコンテンツを表示することで、顧客体験価値の拡張を提供する試みです。
リアル店舗にARコンテンツを融合することで、「商品の感性的・機能的な価値」を通常の売り場よりもよりリッチに伝える事を可能にしており、
・『商品スペック情報の表示』による店舗オペレーションの軽減
・『店頭在庫のない商品のEC誘導』による顧客への購買サポート
に関しての実証も合わせて行われます。
実証実験は2021年8月28日より開始され、「THE CAMPUS SHOP」に来訪する一般ユーザーへの提供は今秋以降に予定されています。
「THE CAMPUS」とは?
「THE CAMPUS」は、コクヨ社が東京都港区のオフィスビルだった建物の一部を開放し、オープンなラウンジや公園・ショップ・コーヒースタンドといった、誰でも利用することが出来るパブリックエリアとして運営する「働く・暮らす」の実験場です。
コンセプトに『みんなのワーク&ライフ開放区』を掲げ、コクヨ社のオフィスや、創造性を刺激するコクヨ製品を取り扱ったショップ「THE CAMPUS SHOP」が併設されています。
ゆったりと過ごせる街に開かれた環境に、様々な人が集い、多様な価値が混ざり合い、新しい化学反応を生み出し続ける場となっています。
ARコンテンツについて
今回の実証実験で使用されるARコンテンツは5つあり、それぞれの特徴は以下の通りです。
書き心地の没入体験
「PERPANEP(ペルパネプ)」は、紙とペンの相性に着目して開発された商品です。
この商品の展示エリアでは、タブレット内に表示される店舗の床一面に、3つの書き心地が異なる紙「ツルツル」「さらさら」「ザラザラ」が敷かれ、その上を歩くと、書いている音が流れます。
その音に包まれながら、リアル店舗内に設置されている「PERPANEP」のペンを手に取り、紙とペンの巧みな出会いを楽しむと、書き心地を確かめる体験が没入体験に拡張されます。
商品情報の補完/EC連動
ユーザーが商品に近づくと、
・ラインナップ体系
・使い方動画
・使用例
がタブレットに上映され、機能の違いや用途を直感的に伝えることが可能となります。
またECサイトが連動しているので、タブレットの画面から購入し、自宅へ配送することもできます。
コーディネート体感
「KOKUYOME」はアクセサリー感覚の文具シリーズです。
リアル店舗のコーディネート展示にあわせて、インスタグラム上の事例がARとしてタブレット画面に表示されます。
「自分にあったスタイル」をよりリアルにイメージしながら、好みの色やアイテムを選ぶことができます。
宝探し
タブレットを手に店舗内を回遊しながら”隠された文字”等を集める、宝探しのようなエンターテイメントが仕掛けられています。
このコンテンツでは
・隠された文字等を集めること自体のワクワク
・店舗内を回遊することでの偶然の商品との出会いによるワクワク
という2つのワクワク体験を提供します。
オノマトペモード
このコンテンツでは、文具を使った時のオノマトペ(擬態語)で埋め尽くされた中を練り歩くことで、感覚的に使い心地や機能を味わうことができます。
今後の展開
コクヨ社では、今回の実証実験の結果を踏まえ、中長期的には
・店舗内におけるコンテンツの拡充
・デジタルアナログ融合コンテンツのファニチャー事業や新規事業領域への活用
の検証を目指しています。
まとめ
コクヨ社が運営する「THE CAMPUS」は、誰でも利用することが出来るパブリックエリアとして運営する「働く・暮らす」の実験場です。
ここに併設されているショップ「THE CAMPUS SHOP」において、AR技術を活用したデジタルアナログ融合コンテンツの実証実験が開始されたことが発表されました。
今までは商品の使用感はリアルで体感しつつ、購入は自宅に帰ってからという流れでしたが、これからはタブレットを手に店舗内を散策し、試したその場でEC購入が主流となるかもしれませんね。
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