米国特許商標庁はソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)による最新のVRゴーグルに関する特許情報を公開しました。
この特許では、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)の前面にスクリーンが追加され、VRプレーヤーが見ているものが外部に表示されるようになっています。
VRプレーヤーが見ている世界を表示する第2のディスプレイ
「HMDユーザーが表示できるHMDのディスプレイ画面フロントパネル」と呼ばれる特許は、
ゲーム内コンテンツを表示する
ユーザーの顔の特徴を表示する
という2つの機能からなります。
このうち目新しく感じるのが「ゲーム内コンテンツを表示する機能」の方でしょう。
この機能ではまず、アイトラッキングを利用してHMDを装着しているVRユーザーが見ているVRコンテンツの領域を選択します。
HMDの前面に搭載された外部ディスプレイに表示されるのは、このとき選択されたコンテンツの内容です。
そのため、VRゴーグルを装着していない周りの人はVRユーザーが何をプレイしているかをよりよく理解できます。
これまでもVRユーザーが何をプレイしているのかを非VRユーザーが確認する方法がなかったわけではありません。
例えば、PSVRではPS4と接続したテレビを他のプレイヤーのソーシャル画面として利用してきました。
また、OculusQuestにもミラーリング機能を使ってスマホやタブレットなどにVRユーザーが見ている内容を表示する機能があります。
今回公開された特許は従来のVRゴーグルと比べると、最初から外部ディスプレイが搭載されている点で特徴的です。
プレイ中のVRユーザーの表情を見ながら会話することも可能に
「ユーザーの顔の特徴を表示する機能」は2つのカメラシステムによって実現されるものです。
ユーザーがVRゴーグルを装着していないときに外部カメラによって、ユーザーの顔の特徴を含むユーザーの最初の画像がキャプチャされ、
さらに、ユーザーがVRゴーグルを装着しているときにユーザーの顔の特徴の一部をキャプチャする2番目の画像が受信されます。
そして、2番目の画像と最初の画像とをマッピングすることによって生成された顔の特徴の画像オーバーレイデータは外向きのディスプレイに表示されます。
VRユーザーの表情を見ることができれば、これまでと比べて自然に非VRユーザーとのやり取りをすることが可能です。
ヘッドセットの外側に顔を置くというアイデアがそこまで新しく感じないのは、Facebook Reality Labsが最近、非常によく似た思考プロセスを示唆する新しい研究を発表したことにあります。
リバースパススルーVRプロトタイプと呼ばれるFacwebookの新技術は、フラットな2D画面ではなく、奥行き感を与える3Dディスプレイを備えた非常に近未来的なものです。
関連記事:Facebookが開発中のリバースパススルーVRデバイスのプロトタイプをチラ見せ!
まとめ
外向けの第2のディスプレイを搭載したVRゴーグルについてのSIEの特許情報が公開されました。
SIEのVR関連の特許ということで2022年以降の発売が予定されているPSVR2と関連して注目度が高まっているようです。
今回の新技術ではアイトラッキング機能が大きな役割を果たしますが、PSVR2にも(フォービエイテッド・レンダリングを目的とした)アイトラッキング機能が搭載されることが明らかになっています。
だからといって、PSVR2に第2のディスプレイが搭載されると考えるのは安直すぎるでしょう。
もう一点、今回の特許が注目されているのは「VRユーザーの顔を外部に表示する」という発想です。
SIEとFacebookの両方がこれに取り組んでいるという事実は、将来のVRヘッドセットが内部画面と外部画面の両方を持つ可能性が大きいと言えるのではないでしょうか。
VRの今後を考える上で注目すべき技術と言えそうです。
参考:米国特許商標庁
参考:Latest Sony Patent Gives VR Headset Outward Facing Screen[VR Focus]
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