株式会社 理経は、広島県から受託した”土砂災害(土石流・がけ崩れ)の知識と避難の必要性を理解するためのコンテンツ”として、「ひろしま土砂災害体験VR」を開発したこと発表しました。
今回開発されたコンテンツは、土砂災害の危険性と早期避難の重要性を学ぶための教育用途で、広島県内の学校などにおいて使用される予定です。
「ひろしま土砂災害体験VR」とは?
「ひろしま土砂災害体験VR」は、広島県が「災害に強い広島県」の実現を目指す取り組みとして実施している”広島県「みんなで減災」県民総ぐるみ運動”の一環として、災害から命を守るための行動を周知する一手段として理経社に開発を委託したコンテンツです。
広島県公式ウェブサイト:「ひろしま土砂災害体験VR」
開発の背景
平成30年7月に発生した豪雨は、広島県を含め、西日本各地の幅広い地域で甚大な被害をもたらし、また近年の気象状況の変化やこれらの被災からの学びに基づき、国の災害対策基本法が令和3年に改正されました。
改正により、”警戒レベル4の避難勧告”と”避難指示(緊急)”が「避難指示」に一本化されるなど、避難情報がより分かりやすくなるように改善されています。
広島県には
・全国で最も土砂災害警戒区域の多い地域
・近年の豪雨発生に伴い、河川の氾濫、土石流、土砂崩れなどが多発している
という背景があり、災害から命を守るための行動を周知する手段が様々に模索されています。
豪雨災害発生時に伝えるべき最新の情報を収集し、災害の予兆や避難のタイミングを知るために重要なことは、日頃の備えと早期避難の重要性を正しく学ぶことであるため、そういった背景からよりリアルな状況を再現したコンテンツの開発を理経社に委託しています。
「ひろしま土砂災害体験VR」の特徴
「ひろしま土砂災害体験VR」では、
・家の中と外との雨音の違い
・場所ごとの土石流・がけ崩れが起きるまでの災害の予兆(前触れ)
・災害の発災
といった、雨の降りかたから災害が発生するまでをストーリー仕立てで疑似体験することができます。
特徴1.多様な地形での土砂災害を体験
山の裾野近くまで家が立ち並んでいるような町並みや地形を360°のフルCG映像で再現しています。
コンテンツでは、「谷出口の家」「谷出口から下流河川近くの家」「がけ下の家」「がけから少し離れた家」の4か所で起きる土石流やがけ崩れが再現されており、それぞれの地域における土砂災害のリスクを体験することが可能です。
特徴2.土砂災害の予兆や発災シーンを専門家が監修
広島大学防災・減災研究センター監修のもと、
・土石流が流れてくる様子や山の斜面から土砂が崩れる様子
・どのような予兆があるのか
といった点について、実際に近い発災状況が再現されています。
特徴3.令和3年5月に改正された災害対策基本法の避難情報を反映
また本コンテンツでは、時間経過とともに屋外の状況が変化する様子や、警戒レベル3「高齢者等避難」や警戒レベル4「避難指示」が発令される状況が再現されています。
今後の展開
理経社は、より多くの人に防災へ目を向けてもらうべく、土砂災害以外にも「ゲリラ豪雨などによる河川氾濫を疑似体験できるVRコンテンツ」の開発も進めるなど、防災に関連した取り組みに注力しています。
まとめ
理経社が、広島県からの受託により「ひろしま土砂災害体験VR」を開発した事を発表しました。
本コンテンツでは、日頃の備えと早期避難の重要性を正しく学ぶことを目的に、災害の発生をよりリアルなストーリーで疑似体験することができます。
「まさか我が家に起こるとは」と、被災された方のニュースで耳にしますが、ハザードマップを見るだけではなかなかリアルな被災状況は想像しにくいものかもしれません。
VRを活用することで自宅の被災をリアルに感じることは、防災意識を高める効果が期待できそうですね。
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