医療VRやデジタル治療VRを展開している株式会社ジョリーグッドは2021年1月21日(木)、第三者割当増資や資本性ローンなどと合わせて計10億円の資金調達を行ったことを発表しました。
今回の引受先は、ジャフコ グループ株式会社、アクシル・キャピタル・パートナーズ有限責任事業組合、いわぎん事業創造キャピタル株式会社の3社で、今後は組織体制の拡充と事業スピードの加速を行なっていく計画がされています。
ジョリーグッドが資金調達で事業を加速
医療VRシステムやデジタル治療VRシステムを開発・提供しているジョリーグッド社が今回、第三者割当増資や資本性ローンなど合わせて計10億円の資金調達を行い、累計調達額が約22億円になったことが発表されています。
ジョリーグッド社は今までに、手術を術者目線で360度体験することが可能なVR臨床教育プラットフォーム「オペクラウドVR」をはじめ、発達障害向けソーシャルスキルトレーニングVR「emou」や精神疾患向けのデジタル治療VRなど、VRとAIテクノロジーを活用した医療・障害者・精神疾患治療向けのVRシステムを提供してきました。
同社は今回の調達により、これらのVRサービスをさらに多くの医療従事者やコロナ禍で心が弱っている人へいち早く届けるために、組織体制の拡充と事業スピードの加速を図っていくとしています。
引受先はジャフコグループら3社
今回の第三者割当増資(シリーズC)は
・ジャフコ グループ株式会社
(ジャフコSV6投資事業有限責任組合、ジャフコSV6-S投資事業有限責任組合)
・いわぎん事業創造キャピタル株式会社
(岩手新事業創造ファンド2号投資事業有限責任組合)
・アクシル・キャピタル・パートナーズ有限責任事業組合
(アクシル・ライフサイエンス&ヘルスケアファンド1号投資事業有限責任組合)
の3社が引受先になっており、今回の引き受けに伴い、各社からのコメントが公開されています。
<ジャフコ グループ株式会社 プリンシパル 松本 孝之さん>
コロナ禍は医療現場の非常事態を招き、医療従事者を目指す学生の医療教育が困難を極めております。
また社会変化に伴い精神疾患は増加傾向にあります。
時代の転換点・困難な環境化に、次世代テクノロジーが普及し、次の時代を担うメガベンチャーは出現しますが、ジョリーグッドのVR・AIテクノロジーは正にど真ん中を突き進んでいる、と確信しました。
上路さん率いる素晴らしいチームと、極めて意義のある社会課題に挑戦できることが叶い大変ワクワクしており、全力でサポートして参ります。
<アクシル・キャピタル・パートナーズ有限責任事業組合 パートナー 五内川 拡史さん>
今回、弊社はシリーズBに続く追加投資となりました。
前回はVRによる臨床教育効果の「可能性」に期待しての投資でしたが、今回は未曽有のコロナ禍が降りかかる中で、まさにジョリーグッド社がそのVR技術とサービスを高度かつ迅速に展開し医療・障害支援の現場の期待に応えている、という「実績」に感銘を覚えて、追加投資を決めました。
更に、同社のVR技術はデジタル・セラピーという新分野をも射程に捉えつつあるので、今後、精神疾患領域における予防・治療・患者支援や心理療法の方法等にも、多大なインパクトを与えるものと期待しております。
<いわぎん事業創造キャピタル株式会社 代表取締役社長 稲垣 秀悦さん>
特定の医師や看護師などが持つ技術やノウハウを、それぞれの視点ごとに視覚化、形式知化させたジョリーグッド社のVRは、将来の医療水準の向上を加速させるものと確信しております。
加えて、現在開発中のDTxが上市されることで、同社がさらに飛躍されますよう大いに期待しております。
弊社は今回の投資を通じ、代表の上路さんの出身地である岩手との結びつきを強化できるよう努めて参ります。
ジョリーグッドの提供する医療VRシステム
現在ジョリーグッド社では、以下の医療VR・デジタル治療VRシステムを開発・提供しています。
オペクラウドVR
オペクラウドVRは、手術を担当している医師などの目線で、技を360度視点で体験学習できるVR臨床教育プラットフォームです。
医療施設に高精細360度カメラとサーバーを常設して利用するもので、あらゆる症例を簡単に高精度VR化することが可能です。
コロナ禍の今であれば、重症患者の増加で需要が増した人工心肺「ECMO」のトレーニングにも活用でき、日本医科大学・日本体育大学・国立がん研究センターへ臨床実習ツールとしての導入のほか、医療機器メーカーの安全教育など、医療技術を牽引する多様な機関で豊富な導入実績を誇っています。
emou(エモウ)
「emou」は発達障害向けのソーシャルスキルトレーニングVRで、学校生活や職場などの日常生活の中で欠かせないソーシャルスキルを、VRのリアルな空間内でトレーニングすることができます。
全国各地の就労移行支援機関や放課後等デイサービス、特別支援学級などで導入が進められています。
精神疾患向けデジタル治療VR
ジョリーグッド社が開発している認知行動療法VRは、今までの認知行動療法の構造をベースとしており、それに加えてセラピーの中で行う考え方や場面の説明をVR化ししています。
様々な出来事や状況を当事者視点で体験することによって、場面イメージの食い違いを無くし、短時間で平準化されたセラピーの提供を実現しています。
まとめ
ジョリーグッド社が今回、ジャフコ グループら3社を引受先とした第三者割当増資や資本性ローンなどと合わせて、計10億円の資金調達を行いました。
同社は医療VRやデジタル治療VRシステムを開発・提供していますが、今後は組織体制の拡充やこれらの事業スピードの加速を図っていくとしています。
今人材不足やコロナ禍の影響もあって増加しているVRシステムは、これからどんな進化を遂げるのでしょうか。
同社からの発表にも注目が寄せられそうです。
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