ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオが、初となるVRショートフィルムアニメ「Cycles」を発表しました。
8月12日(日)からカナダで開催されるCGカンファレンス、SIGGRAPH 2018にて公開される予定です。
ディズニー初のVRアニメ「Cycles」とは?
「Cycles」はある家に住む家族と、彼らの周りで起こる様々な出来事を描いたVRショートフィルムアニメです。
監督はディズニーのアーティストであるJeff Gipson氏によるもので、Jeff Gipson氏が祖父母と暮らしていた時の個人的経験が基になっているとのこと。
Gipson氏はこれまでに
「アナと雪の女王」
「ズートピア」
「モアナと伝説の海」
などのディズニー代表作の制作に携わった経験の持ち主ですが、「Cycles」の制作にあたって「私たちは、一つの場所で起こるストーリーを描きたいと考えており、彼らの人生模様を目撃できるものにしたい」と語っています。
制作には「Quill」などのVRツールを使用
「Cycles」の制作には50名のチームが携わっており、およそ4カ月をかけてモーションキャプチャーやVRペイントツールの「Quill」を用いて制作を行ったとのことです。
「Quill」はOculus Riftで使用できるペイントソフトですが、VR空間に直感的な操作で様々な絵を描けるだけでなく、描いた絵にアニメーションを付けることもできます。
「Quill」はこれまでにもVRアニメーション制作に用いられており、Oculus Story Studioが2017年に発表した「Dear Angelica」はQuillを用いて制作されています。
CGカンファレンスSIGRAPPHにて公開予定
「Cycles」は2018年8月12日(日)~16日(木)にかけて開催されるSIGRAPPH 2018カンファレンスで公開される予定です。
SIGRAPPHとは毎年開催されるCG関連のカンファレンスで、「世界最大かつ最高のCGの祭典」と言われており、VR/AR/MRを含む最新のCGやVFXに関する学術的研究、アート、教育など、CGに関する最先端が集結しています。
今年のSIGRAPPH 2018はカナダのバンクーバーで開催され、会場となるImmersive PavilionではVRアーケードの「VRcade」をはじめ、VR/AR/MRを取り入れた様々な技術やインスタレーションが展示されるとのことです。
「Cycles」は今のところ一般公開は未定となっています。
VRに注力するディズニー
ディズニーはこれまでにもVRに注力する姿勢を見せており、ディズニー作品に関するコンテンツやアーケード施設などを発表しています。
「Coco VR」
ディズニーとピクサーは、2017年に公開された長編アニメーション「リメンバー・ミー(原題「Coco」)」をVRコンテンツ化した「Coco VR」をリリースしています。
「リメンバー・ミー」の世界観をVRで体験することが可能で、最大3人で一緒に参加することができます。
プレイヤーの好みに合わせて衣装を変えたり、髪型を変えたりして、映画の舞台となる「死者の国」を歩き回ったり、映画を観たり美術館へ行ったりなど様々なことができます。
「Coco VR」はOculus Rift、Oculus Go、Gear VRに対応しており、無料でプレイ可能です。Oculus製品ユーザーであればプレイしてみることをオススメします。
参考:ディズニーアニメ「リメンバーミー」のVR体験が登場 Rift&Gear VR対応で11月にリリース
「Star Wars: Secrets of the Empire」
また、ロケーションベースのVR体験施設を世界規模で展開するThe Voidとディズニーによって、「スター・ウォーズ」をテーマとしたVR体験「Star Wars: Secrets of the Empire」も発表しています。
最大4人のプレイヤーが一組のチームとなってストームルーパーとなり、遠く離れた銀河を救うために敵と戦い、パズルを解くという内容。
広大なエリアで複数のプレイヤー同士が一緒になってプレイできるので、ルームスケールのVRゲームにはない臨場感や自由度があります。
「Star Wars: Sercrets of the Empire」はフロリダ州オーランドのディズニースプリングスと、カリフォルニア州アナハイムのダウンタウン・ディズニーの2箇所でオープンしています。
参考:ディズニーとThe VoidによるスターウォーズVR体験のトレイラーが公開
まとめ
アニメーション制作で世界的地位を持つディズニー初となるVRショートフィルムであるだけに、内容が気になるところです。
VR空間でのストーリーテリングでは、たとえば視聴者が物語の展開を選べたり、登場する車や建物などが実物大で表示されるので、スクリーンで観る時とは異なる新感覚のストーリー体験が可能です。
アニメ大国である日本でもVRを取り入れた作品は複数制作されており、漫画をVRで読める「結婚指輪物語」、VRライトノベルの「Innocent Forest」、現在制作中の「狼と香辛料VR」などが挙げられます。
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