株式会社エビリーは、チャンネル登録者数1万人以上のVTuberとその全動画を調査し、動画内容とキャラクターの2つの側面から人気VTuberの特徴を分析した調査結果を発表しました。
今回の人気VTuber調査は、ソーシャル動画分析サービス「kamui tracker」が独自に保有するデータを元にしたもので、2018年6月21日時点でチャンネル登録者数が1万人以上のVTuberが調査対象になっています。
VTuberのチャンネル登録者数の区分別割合
チャンネル登録者数区分別割合
エビリー社の分析によると、チャンネル登録者数の区分別に割合を調査したところ、「1万人以上5万人以下」が4分の3以上を占めていることがわかりました。
VTuberの動画内容を分析
各チャンネルにおける最多視聴回数の動画の内容
各Vtuberのチャンネルで最も視聴回数の多い動画を対象に、動画の内容が分析されました。
その結果、最も多い内容は「自己紹介」の動画で全体の35.5%を占めました。
自己紹介動画は、各チャンネルの初めての投稿で出されるものが大半です。
視聴者は自己紹介動画を観て、そのVTuberを支持するかしないかを判断していると考えられるため、他の内容の動画よりも多くの人に視聴され、視聴回数が伸びているのではないかとエビリー社は考えているようです。
また、次に多いのがライブ配信で全体の19.2%を占め、とりわけVTuber同士のコラボが人気のようでした。
ライブ配信が人気である要因として、リアルタイムで視聴者と配信者が繋がれることが挙げられるが、コラボにすることで、双方のファンを取り込むことができVTuber同士のリアルな掛け合いも楽しめるため、通常よりも視聴回数が上がることが期待できる、とはエビリー社の見解です。
ライブ配信と通常動画のエンゲージメント率比較
ライブ配信と通常動画のエンゲージメント率比較
VTuberが他のYouTuberと大きく違う点として、ライブ配信を多く利用することが挙げられます。
ライブ配信の効果を調査するため、ライブ配信と通常動画のエンゲージメント率（（高評価＋コメント）／視聴回数）が比較されました。
結果、ライブ配信の方が約1.5倍高いという結果に。高評価やコメントは視聴者が主体的に行うアクションであるため、その確率が高いライブ配信はチャンネルの成長に有効な手段といえます。
VTuberのキャラクター分析
VTuberの使用するモデルには、平面的なイラストにモーションキャプチャーをつけて表情を動かすもの（2D）と、立体的なモデルにモーションキャプチャーをつけ全身を動かせるもの（3D）があります。
エビリー社によると、本調査では2Dと3Dの割合について、全体の割合と、チャンネル登録者数の区分ごとの割合とで出し、さらに各チャンネルの初投稿日（≒活動開始日）を併せて分析することで、現在のトレンドが2Dと3Dのどちらかにあるのかを調査したとのことです。
使用モデル
チャンネル全体では、2Dモデルを使用したVTuberが約6割を占めるという結果が出ました。
チャンネル登録者数の規模別
チャンネル登録者数1万人以上5万人未満VTuberの使用モデルと初投稿日
チャンネル登録者数5万人以上10万人未満VTuberの使用モデルと初投稿日
チャンネル登録者数10万人以上30万人未満VTuberの使用モデルと初投稿日
チャンネル登録者数30万人以上VTuberの使用モデルと初投稿日
この分析からは、チャンネル登録者数の規模が大きいほど3Dモデルの比率が高く、活動開始時期も早いことがわかります。
一方で、チャンネル登録者数1万人以上5万人未満の区分に注目すると、2018年に入ったあたりから2Dモデルの使用数が急増していることがわかります。
このことから、現在のトレンドは2Dモデルを使ったVTuberであるといえます。
現状ではチャンネル登録者数が10万人を超えるような2DモデルのVTuberは少ないようですが、これからの伸びによってはトップ層にも2Dモデルが入ってくる可能性があります。
2Dモデルが増えている要因として、
・3Dモデルと比べ、コストが抑えられ短時間でデビューできること
・「にじさんじ」のバーチャルライバーという成功事例が出てきたこと
が挙げられます。
Vtuberキャラモデルのビジュアル分析
Vtuberモデルのビジュアルを
髪型
髪色
瞳の色
服装
の4つで分析を行われましt。
髪型
髪型
髪型は、顎までの長さをショート、肩の丈までの長さをセミロング、肩から下の長さをロングと設定されています。
また、ヘアスタイルに関しては大まかに、2つ結び（例：ツインテール）と1つ結び（例：ポニーテール）に分類されています。
一見ショートが多いように見えますが、髪が長い場合2つ結びや1つ結びなどにアレンジされるため、ショートとロングに実質二分されていることがわかります。
髪色
髪色
髪色については、白系統である「白・グレー・銀」が20.3%を占めています。
また、金・黒・茶など現実の世界でも多い髪色が約半数を占めていることがわかります。
≪瞳の色≫
瞳の色
瞳の色は票が割れましたが、赤が最も多く16.4%を占めています。
服装
服装
服装に関しては多種多様なものが見られましたが、学生の制服をモチーフにした服装に人気が集まったようです。
キャラ分析から「VTuberキャラモデル」を作成
上記のVtuberキャラについての調査結果を踏まえ、kamui tracker分析チームによって「キャラ特徴別1位を集めたVTuber」を作成した結果、以下のようなイラストとなりました。
VTuber人気調査の結果についてエビリー社のコメント
エビリー社は今回の調査結果から、以下のようにコメントしています。
「本調査から読み取れる主要な点としては、まず動画内容に関しては、ライブ配信が一定の効果を持っているということです。
VTuberとして人気を獲得していくうえで、ライブ配信の活用はひとつの鍵といえそうです。そしてキャラクターに関しては、2Dモデルを使用したVTuberが急増しているということがいえます。
現在トップ層のVTuberは3Dモデルがほとんどですが、今後はこの勢力図も変わっていく可能性があります。
今後もkamui trackerでは保有するデータを活かし、VTuberや一般のYouTuber、そしてYouTubeを活用したいマーケターに向け、お役立ちする情報を提供して参ります。」
引用元：Vtuberの動画やキャラクター傾向調査結果プレスリリース[PR Times]
まとめ
今回の調査によって、視聴者は自己紹介動画を観て、そのVTuberを支持するかしないかを判断していると考えられるため、「自己紹介」動画は多くの人に視聴され、視聴回数が伸びている可能性が大いにあること、キャラクターについては、低コスト・低工数でデビューできるため2Dモデルを使ったVTuberがトレンドであることなど、人気VTuber139名を徹底分析することで、興味深い傾向が判明しました。
人気Vtuberを目指す人にとって今回の調査結果は、貴重な参考データになるのではないでしょうか。
ソース：Vtuberの動画やキャラクター傾向調査結果プレスリリース[PR Times]
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