Triad Semiconductorという会社がルームスケール対応のSteamVRヘッドセット開発の役に立つ「TS3633」というチップを開発した。
HTC Viveヘッドセットを開発したValveがそのライセンス商品である”lighthouse”モーショントラッキングシステムの使用許可をフリーで認めることを発表した。
これにより、デベロッパーたちはこの世界でこのもっとも正確なモーショントラッキングを搭載したプロダクト、アクセサリー、または関連機器を制作することができる。
Triad Semiconductorはそのタイミングにあわせ、lighthouse利用しVRプロダクトを開発する際、一緒に使用できるコンポーネントを制作した。
そのコンポーネントというのはTS3633という”Light to Digital”コンバーターで、100個同時に購入することで一つ$0.80、1000個で$0.49の価格で販売予定となっている。
TS3633の仕組みとlighthouseとの関係性
TS3633は”Light to Digital”コンバーターICチップである。
SteamVRシステムは調整された赤外線をトラッキングする空間へと発信するベースステーションが内蔵されており、トラッキングする物体には”Tracking Sensors(トラッキングセンサー)”のナンバーが含まれている。
このトラッキングセンサーはフォトダイオードと呼ばれる光が当たると反応する半導体で構成されておりベースステーションから放たれる赤外線を感知することができる。
そして、TriadのTS3633はこのフォトダイオード管理し、ベースステーションから放たれた赤外線の光をトラッキングセンサーがどのアングルにあるか示したデジタルシグナルに変換できる。
TS3633を活用するため必要となるその他コンポーネント
SteamVRでトラッキングしたものはセンサーのナンバーで構成されており、商品として販売されているものには20から32のセンサーロケーションが搭載されている。
技術的には5つのセンサーロケーションがあればトラッキング中の物体の場所と方位がわかるようになっているが、実際のプロダクトにはそれより多くのセンサーが冗長性のためや、ヘッドセットの上に手をかざすなどセンサーが届かなくなるような状況を解決するためについている。
ヘッドセット一台につき20から32のセンサーが必要なので、$80あればTS3633を使ったVRプロトタイプを複数作ることができる。
TriadのReid Wender氏はこうコメントしている。
「TS3633はValveのエンジニアチームが考え設計したもので、ValveのシステムエキスパートがTriadのカスタムICデザインチームと協力しこのチップを開発した。
ValveはSteamVRトラッキングシステムライセンスをフリーにし、このテクノロジーを企業や個人に開放することで、ユニークなポジションをを築き上げてる。」
TriadのTS3633はViveのヘッドセットにはまだ搭載されてはいないが、今後新型Viveヘッドセットなどにこのチップが使われてくれることが予想されている。
Wender氏はValveのデザインパートナーとしてSteamVRトラッキングICに関することは話せないが、なにか新しいニュースができ次第発表するとしている。
TriadはTS3633のモジュールTS3633-CM1を発売予定で、このプロダクトがパブリックに公開されることによってTriadICのSteamVRにおいての様々な使用法が明らかになるだろうとしている。
このモジュールはフォトダイオードTS3633の機能が内蔵されることになり、プリントされた回路ボードのRs&Csがプロトタイプ制作などの役に立つ。
TS3633-CMIは10個同時購入で$6.95となる。
CM1はTS3633と同じくSteamVR(lighthouse)ベースステーションのライトにさらされると、デジタルシグナルをアウトプットするようになっており、ベースステーションからのセンサーのアングルを指し示すことができる。
TS3633-CM1は9月下旬または10月上旬に販売開始予定だ。
参照元サイト名:uploadvr
URL: http://uploadvr.com/triad-steamvr-tracking-chips-room-scale/
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