巨額の資金を調達していながら長らく製品の情報を明らかにしていなかったAR開発企業Magic Leap。
今回、初となるARデバイス「Magic Leap One」の新たな情報が公開されました。
2018年内に開発者向けのエディションを出荷する予定とのことで、販売は米大手通信会社AT&Tが独占的に行うことが決定しています。
待望のARデバイス「Magic Leap One」、2018年内に出荷予定
Magic Leapはこれまでに、グーグルやアリババなどの名だたる企業から資金を調達しており、これまでに合計で23億ドル(約2,570億円)という多額の資金の出資を受けていました。
しかし、開発しているとされるARデバイスに関しては長らく情報が未公開になっており、様々な憶測を呼んでいました。
2017年12月に製品に関する情報を発表、名称が「Magic Leap One」であり、デバイスのデザインと共に、2018年内に開発者向けのキットを発売する予定であることを明らかにしました。
Twitchライブ配信で「Magic Leap One」のスペックを公開
7月11日(水)、Magic Leapは3回目となるライブ配信をTwitch上で行い、「Magic Leap One」のデモと共にデバイスのスペックに関する情報をいくつか公開しました。
スペックに関する情報はこれまで明らかになっていませんでしたが、「Magic Leap One」に搭載予定のプロセッサが、NVIDIAのシステムオンチップ「Tegra X2」であることが判明しました。
また、バッテリー駆動時間は「数時間」になるだろうと説明しつつも、これはソフトウェア開発者次第になるとのことで、明確にはしませんでした。
ライブ中継の様子は以下の動画で視聴できます。
「Magic Leap One」使用デモの様子も公開
「Magic Leap One」の使用時のデモの様子も公開されています。
これはあらかじめ録画したものをライブ配信で再生したものですが、「Magic Leap One」を装着して、ジェスチャー操作でAR表示された3Dオブジェクトを操作するというもの。
映像では、カーペットの上にオブジェクトを載せる様子が確認できますが、指で物体を移動させるかのような感覚でオブジェクトを移動できます。
また、ポリゴン調のゴーレムをAR表示するデモでは、ユーザーに向かって石を投げてくるゴーレムとインタラクトする様子が映っています。
「Magic Leap One」は手の動きを追跡するハンドトラッキングと、6自由度(上下左右前後、頭の回転)に対応したカメラを内蔵しており、これによってゴーレムが投げてきた石を、身体を左右に動かして避けたり、手で防いだりしてよけることができます。
「Magic Leap One」の構成
「Magic Leap One」は、ゴーグル型のヘッドセット「Lightwear」と、ポケットに入れて使用するデバイス用の小型コンピューティングユニット「Lightpack」、およびコントローラーで構成されています。
使用時はこのような感じになります。
現実空間にCGオブジェクトを表示することによって「空間コンピューティング(Spatial Computing)」を可能にするとの触れ込みで、これまでのディスプレイを中心としたものとはまったく違うコンピューティングの実現を目指しています。
米通信企業AT&Tが「Magic Leap One」の独占販売を行う
Magic LeapによるTwitch配信があったのと同じタイミングで、米国の通信大手AT&Tが、「Magic Leap One」を米国で独占的に販売することを発表しました。
AT&T社は独占販売権を63億ドル(約7,100億円)で得たとのことです。
2018年内に開発者向けエディション「Magic Leap One Creator Edition」が発売されるとの予定ですが、具体的な発売日や価格、日本国内での取り扱いがどのようになるかなどの不明点もあり、続報に注目されます。
まとめ
長らく注目の的になっていた「Magic Leap One」ですが、少しずつ情報が公開されつつあります。
専用コントローラーが付属とのことですが、ジェスチャー操作にも対応しているとのことで、マイクロソフトのMRデバイス「HoloLens」のライバル製品になり得るかもしれません。
また、視野角や表示できるグラフィックの解像度など、未公表になっている部分も数多くあり、今後もMagic Leapの動向に注目されます。
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