VR版スカイリムのためにPSVRを購入するユーザも多い？
11月17日、発表直後から多くのユーザに望まれてきたVRゲーム『Skyrim VR』が発売を迎えた。元は今から6年前の2011年11月に発売された作品と古く、PC版ではグラフィックの強化やバグの修正、一部バランスの調整などが行われたスペシャルエディションも販売されている。
PC用のオリジナル版を所有するユーザには無料でスペシャルエディションが配布されたにも関わらず、今でも旧版をプレイしているSteamユーザが1万人以上いるという作品だ。これは豊富なModによるカスタマイズが特徴の作品であり、スペシャルエディションでは動作しないModがあることが主な理由と思われる。
そんな息の長い人気作がPSVRタイトルとして発売され、直後に発表されたイギリスのゲームチャートでは19位にランクインしている。PSVRとのバンドルパッケージも用意されており、この作品でVRデビューを果たしたというゲーマーも多そうだ。
PSVRを普及させる人気タイトルに
PSVRとスカイリムのバンドルパッケージ
PSVRとのバンドルパッケージ
PSVRは、HTC ViveやOculus RiftといったPCベースのハイエンドVRヘッドセットに比べれば安価に環境を整えることのできるデバイスだ。本体＋カメラやコントローラーの価格はRiftと並んでいるが、ゲーミングPCに比べて価格の安いPS4があればPSVRを利用できる。
また、ゲーマーならばPS4を既に所有していることも多いだろう。手元にPS4があれば、PSVRとアクセサリやVRゲームが入ったバンドルパッケージを購入するだけでVRゲームを楽しめる。スカイリムバンドルの他にも『グランツーリスモSport』や『Doom VFR』とのバンドルが発売・発表されており、こうした大型タイトルによってPSVR本体を普及させることがソニーの狙いのようだ。
19位にランクイン
イギリスのGFKが発表した週間チャートを見ると、スカイリムは19位に入っている。あまり売れていないように見えるかもしれないが、様々な事情を考慮する必要があるだろう。
まず、GFKのチャートにはダウンロード販売の本数が含まれていない。店頭やオンラインストアを経由して販売されたゲームのハードコピーを集計しているため、ダウンロード版が多く売れているタイトルは不利になる。
さらに、このチャートは11月12日～18日の期間を集計したものだ。スカイリムの発売日は11月17日であり、実際に販売された期間が短いので他の作品に比べて販売数を伸ばせなかった部分もありそうだ。
PCベースのVRヘッドセットよりは売れているPSVRだが、それでもPS4やNintendo Switchといった家庭用ゲームコンソールに比べれば所有者が少ないことも見逃せない。スカイリムに限らず、PSVR専用タイトルが家庭用ゲームのランキングで上位に入るのは難しい。
また、ランキング上位タイトルを見るとコールオブデューティー、ポケモン、アサシンクリードなどの人気シリーズが多数ランクインしている。プレイヤー層が近い人気シリーズと発売時期が被れば消費者の取り合いになってしまうため、タイミングの問題も大きい。
PSVR購入者が増えている？
マイナーチェンジされた新型PSVR
GFKが集計しているのはゲームソフトの販売本数だけなので、この期間に何台のPSVRが販売されたのかを知ることはできない。だが、Upload VRではある理由でPSVRの売上が伸びているのではないかと考えているようだ。
PlayStation VR Worldsの帰還
19位に入ったスカイリムのすぐ下、20位にはPSVR専用タイトル『PlayStation VR Worlds』が入っている。2016年のPSVR発売とともに登場したミニゲーム集が久々のランクインを果たした。
アップデートが行われたわけでもない一年前のVRゲームが、なぜ今順位を上げているのだろうか？
PSVRスターターパックが売れている？
その原因として考えられているのが、PSVRスターターパックの存在だ。イギリスで販売されているPSVRスターターパックにはPSVR本体とPlayStationカメラ、そしてVR Worldsが含まれている。
ブラックフライデーにはまだ早いが、既にセールを開始しているサイトや店舗もある。セール価格でPSVRスターターパックを購入する消費者が多いためにVR Worldsの販売数も伸びているというのはありそうなことだ。
AmazonのPSVRスターターパック＋グランツーリスモやスターターパック＋スカイリムのようにVR Worldsを含むバンドルを提供する店舗もあるため、こちらの効果もあるかもしれない。
ホリデーシーズンには多くのVRヘッドセットやVRゲームが販売されるはずだが、それは非VRゲームも同様だ。テレビゲーム全体から見ればまだ小さな勢力に過ぎないVRゲームだが、着実にユーザを増やしつつあるとみられる。
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